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■英文法と古典文法|もくじ · ゆきんこの勉強法 | 自修人
完了
注目している動詞が、自動詞(目的語をとらない用法で使われている動詞)であり、その動詞が「-en形」という語形をとっている場合、そこには「完了」のニュアンスが含まれている。 完了とは、「過去の情報の所有(possession of history)」における「過去の情報」の担い手(にないて)です。
例えば、I have already finished my homework.(私はすでに宿題を終えた)という場合、日本語では明らかに過去形で訳しているでしょ? 現在完了形は、日本語の感覚でいえば、じつは過去形なんですよ。
I have [already finished my homework].
I have(私は所有している)
[already finished my homework](すでに宿題を終えたという過去の情報を)
完了形のニュアンスの特徴というのは、「過去を引きずっている」という点にあります。
「終わらせた(finished)」という感触が、まだぬくもりをもって、主語の脳裏に残っている。 こういうときに完了形を使うわけです。
コトが終了してもなお「名残(なごり)が残っている」「余韻(よいん)が残っている」といった場合に、現在完了形が使われます。
だけど、そのニュアンスは現代の日本語には残っておらず、古文の助動詞である「つ・ぬ・たり・り」にしか残っていないと私は思っているのです。
結局、現代日本語というのは、「古語が正常である」という視点からみると「劣化した日本語」なのです。
どういう過程で劣化したのか?
現代日本語は翻訳文に由来するわけです。
蘭学や英学などを通じて、外国語を日本語に訳すことが広まった。
この「外国語との互換性を保つための変形された日本語」が現代日本語の土台になり、言文一致運動などを通じて、いまのような日本語になったようです(くわしくは知りません)。
とにかく、現代日本語の形成において、外国語を日本語に翻訳する文化が、かなり大きな影響を与えています。
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完了形(現在完了形)については、p.42~p.53です。
ちなみに「名詞の後置修飾」という項目がp.56にありますけれども「形容詞句、形容詞節の後置修飾」が正しい表現です。 体言〔名詞相当〕に対して「後置される対象」は形容詞相当です。 形容詞相当がウシロから体言〔名詞相当〕を修飾するから後置修飾なのです。
完了というのは、すべて「過去の情報の所有(possession of history)」から、その場でテキトウにでっち上げてある表現だから、「完了」「結果」「経験」「経験」などというように、アタマで覚えるのではなく、文意からその場でテキトウにでっち上げるものなんだね。
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完了形については、p.60~p.73です。
完了や進行形は、相(そう:aspect)という概念に含まれ、時制(じせい:tense)とは別の項目です。
―― | 相 aspect |
|||
完了相 perfect aspect |
進行相 progressive aspect |
完了進行相 perfect progressive aspect |
||
時制 tense |
現在形 | 現在完了 | 現在進行形 | 現在完了進行形 |
過去形 | 過去完了 | 過去進行形 | 過去完了進行形 | |
未来を表す表現 | 未来完了 | 未来進行形 | 未来完了進行形 |