高校化学の範囲で考えた場合、以下のように、無機化学の範囲が最も狭い

『Evolution 暗記と理解の最速ツール 化学基礎・化学』 | 学研出版サイト

  • [Evolution 暗記と理解の最速ツール 化学基礎・化学]〔旧課程〕
    • 理論化学:1~267|267題|59.20%
    • 無機化学:268~331|64題|14.19%
    • 有機化学:332~451|120題|26.61%

[大学受験Doシリーズ 福間の無機化学の講義 五訂版|旺文社]

目次
はじめに
本書の構成

●●●第1章 無機化学を学ぶにあたって
■【01】:ちょっと準備を
無機化学を学ぶための準備となる基礎事項の解説。
■【02】:無機化合物を分類しよう
多種多様な無機化合物の分類の整理。
■【03】:酸化物水酸化物オキソ酸
重要な化合物である酸化物水酸化物、オキソ酸の解説。

●●●第2章 化学反応式をつくろう
■【04】:酸と塩基の反応〔1〕
中和反応および金属元素や非金属元素の酸化物の反応を学ぶ。
■【05】:酸と塩基の反応〔2〕
酸の強弱について整理した後。
塩の反応である弱酸遊離反応を学ぶ。
■【06】:酸化還元反応〔1〕
代表的な酸化剤と還元剤を整理して、酸化還元反応を学ぶ。
■【07】:酸化還元反応〔2〕
金属単体の反応や燃焼反応などを学ぶ。イオン化傾向についても整理する。
■【08】:加熱による反応
熱分解反応揮発性酸遊離反応など加熱による反応を学習する。
■【09】:イオンの反応〔1〕
水に難溶なイオン結晶を整理して、沈殿の生成する反応を学習する。
■【10】:イオンの反応〔2〕
イオンに関する知識を整理して、銀イオン形成反応を学習する。

●●●第3章 いろいろな知識を習得しよう
■【11】:イオン分析
陽イオンの分析などの知識を整理して、関連する問題を取り上げる。
■【12】:気体の製法と性質
気体の発生法の反応式などを整理して、関連する問題を取り上げる。
■【13】: 1族・・・アルカリ金属
族元素の単体と化合物の知識を整理して、関連する問題を取り上げる。
■【14】: 2族・・・アルカリ土類金属
2族元素の単体と化合物の知識を整理して、関連する問題を取り上げる。
■【15】:両性金属とその化合物
Al、Znの単体と化合物の知識を整理して、関連する問題を取り上げる。
■【16】:遷移元素〔1〕・・・Fe
Feの単体と化合物の知識を整理して、関連する問題を取り上げる。
■【17】:遷移元素〔2〕・・・Cu、Agなど
Cu、Agなどの単体と化合物の知識を整理して、関連する問題を取り上げる。
■【18】: 17族・・・ハロゲン
17族元素の単体と化合物の知識を整理して、関連する問題を取り上げる。
■【19】: 16族O、S
O、Sの単体と化合物の知識を整理して、関連する問題を取り上げる。
■【20】: 15族・・・N、P
N、Pの単体と化合物の知識を整理して、関連する問題を取り上げる。
■【21】: 14族・・・C、Si
C、Siの単体と化合物の知識を整理して、関連する問題を取り上げる。
■【22】: 18族・・・貴ガス
貴ガスの知識を整理する。

入試問題にChallenge!の解答解説
索引

別冊|入試で使える最重要Point総整理〔赤セルシート対応〕

自分の思考パターンに合ったアプローチで勉強を進める

  • 具象あっての抽象だと私は思う。つまり私は、帰納タイプの思考パターンをもつ人間である。
    • つまり、いくつかの具体例があって、その具体例に共通する一般原則を導き出していく感じの〔帰納的な〕捉え方が、私には合っている。
  • だから私の場合は、【1】[理論化学の初歩]である[化学基礎]、あるいは、【2】[化学の理論化学分野]を先に学ぶのは[ちがう]と思う。
    • 具体的な例文を覚えていないのに、英文法を学ぶ気にはなれない。
    • それとパラレルで、具体的な化学種〔原子・分子・単原子分子・イオンなど〕の性質を、その主要なものだけでも覚えていない段階で、理論化学を先に学ぶのは[ちがう]と思う。
    • それは結局、化学反応式の作り方〔英作文に相当する?〕を学びながら、その背景にある理論化学〔英文法に相当する?〕を実感的に体得していくのが、健全なのではないか? ということである。
    • そういう意味で、[大学受験Doシリーズ 福間の無機化学の講義 五訂版]の[第1章 無機化学を学ぶにあたって][第2章 化学反応式をつくろう]は、理論化学と無機化学とを実感的に連動させるためのトレーニング・コーナーとして、私たちはこの二つの章を大切に利用していく必要があろうかと思う。
    • 【受験生必見】無機化学の『無駄な勉強』を今すぐやめるべき2つの理由と解決策。
    • 【知識ゼロ➡無双】「酸と塩基」はじめから丁寧にアニメ解説。初学者でも余裕で満点!【高校化学・化学基礎】酸と塩基
    • 【知識ゼロ➡無双】「酸化還元」はじめから丁寧に解説。初学者でも余裕で満点!【高校化学・化学基礎】酸化還元
    • 化学反応式を自力で作る〔英作文をする〕段階になって初めて、理論化学〔英文法〕の知識が本当の意味で必要になるのである。
    • こうした[実践の中で使う段階]を経験せぬままで、理論化学〔英文法〕が身につくはずもない。
    • 実践の中で使いながら習い覚えた知識は、【思い出そうとして思い出す表層的な知識】=【知識のための知識】ではなく、【暗黙知として身に染みていく深い知識】となるであろう。
    • つまり、たとえ何年もその事柄から離れていたとしても、実践しているうちに[手/体が覚えているので、手/体が自然に動く]といったような、[完全に血肉化〔けつにくか〕された知識]が、そこで身についていることになる。
    • こういう知識こそが、本当の学力なのであろうと思う。
    • こうした勉強法を名付けるとしたら[必要が生じてから学ぶ、目的志向型の学習アプローチ][泥縄式勉強法][オンデマンド型学習法]などになるであろう。
    • そして、それらは野口悠紀雄氏の[パラシュート勉強法]に相当する考え方であろう。
    • 理論化学については、もちろん、無機化学・有機化学を終えてから、通しで勉強するのは当然である。
    • しかし、[実践の中で使う段階]を経験せぬままで、理論化学〔英文法〕が身につくはずもない、という考え方を、私はもっている。
    • それなので、無機化学・有機化学を先に勉強しながら、理論化学をつまみ食い〔スポット〕的に学んでいったほうが、帰納タイプの思考パターンをもつ人間には合っているのだと思う。
    • [あそこで、あのように使う知識/理論だから、この知識/理論は大切なのだ]という実感なしに、知識/理論を覚えよう/身につけようという意欲は、なかなか湧かないであろう。
    • [現場で必要になる]という実感・切迫感・緊張感などを体感するからこそ、知識/理論の重要性を深く理解・認識できるのではないか? 
    • 歯が立たなくてもいい。わからなくてもいい。それでも、とりあえず、過去問に取り組むところから始めてみることの大切さ、というものがあるように思う。
    • まずは現場を見てきて、現場の雰囲気を感じ取ることによって、健全な意味での危機感を感じながら行なう真剣な勉強。
    • そのような真剣勝負の勉強に、自分自身を向かわせてくれる。
    • それが[わからなくても、無機化学から化学学習を始める][わからなくても、有機化学から化学学習を始める][わからなくても、過去問から受験勉強を始める]といった、[とりあえず現場を見てくる]という感じのアプローチの利点であろう。
  • 化学史の原初的な段階では、きっと化学実験〔起こる現象〕が先にあって、その結果として、法則性・規則性が導き出される、帰納的なアプローチがあったはずである。
  • 帰納的なアプローチの結果として判明した法則性・規則性から、[実験したら、きっとこうなるであろう][こういう元素も存在するはずだ]といったような、演繹的なアプローチが可能になる。
  • 帰納と演繹は、車の両輪であろうとは思うけれども、最初にあったのは、きっと帰納的なアプローチであったことだと思う。
    • ドミトリ・メンデレーエフは、既知の元素の性質を分析することを通じて、元素の周期性を発見したばかりか、当時は未発見であった元素の存在をも予測し、かつ、その正しいさが、後に証明された。
    • ボイルの法則・シャルルの法則・ゲイ=リュサックの法則が統合されて、理想気体の状態方程式〔$PV=nRT$〕になった。
      • ロバート・ボイルは、一定温度の下では、気体の体積が圧力に反比例することを発見した。$PV=k$。ただし$k$は定数。
      • ジャック・シャルルは、一定圧力の下では、気体の体積が温度に比例することを発見した。$\dfrac{V}{T}=k$。ただし$k$は定数。
      • ジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサックは、一定体積の下では、気体の圧力が温度に比例することを発見した。$\dfrac{P}{T}=k$。ただし$k$は定数。

無機化学の問題は、理論化学と絡めて出題されるケースが多く、単独で出題されることは少ない

  • 無機化学の問題は、理論化学と絡めて出題されるケースが多く、単独で出題されることは少ない。
  • このような入試問題のあり方から考えても、無機化学の学習を進めながら、理論化学をつまみ食い〔スポット〕的に学んでいったほうが、理論化学を学ぶ苦痛が軽減される可能性があると、私は考えている。
    • したがって、初学の段階から[福間の無機化学の講義]に早速取り組んで、無機化学を覚えながら、[無機化学に必要な理論化学]を、その都度、学習していくのが、効率的であろうと思う。
    • [英文法を学ばなければ、英語を本格的に学んではいけない]という先入観を取り払い、とりあえず、例文をたくさん覚えてから、英文法をあとづけで覚える。 これでもOKだし、むしろそのほうが本質的なのだと、自分を許すような心的態度が、高校化学の分野でも、求められていると思う。
    • 【1】[理論化学の初歩]である[化学基礎]、あるいは、【2】[化学の理論化学分野]を先に学ばなければ、無機化学・有機化学を学んではいけない。 そういう先入観・固定観念を取り払い、自由な発想で高校化学に取り組んでみるのも、一つのアプローチとして容認されるべきであろう。
  • 少なくとも私にとっては、初学の段階から[福間の無機化学の講義]を使って、無機化学を系統的に暗記していくのが正解であるように感じられる。

無機化学の問題では、知識が問われることが多いので、無機化学の学習は暗記が中心になる

  • 大学入試の無機化学の範囲で、問われやすい知識は、ほぼ定まっている。
    • しかも無機化学は、漢字・漢文と同じく、[覚えていなければ解けない]けれども[覚えてさえいれば解ける]という問題が出やすい。
    • そういう側面から見ると、無機化学は、暗記科目なのである。
    • 無機化学という、範囲の狭い暗記科目を先に片付けることによって、とりあえず[受験化学で取るべき点数の一部は確実に取れる]という安心感を得る効果は大きいと思う。
    • 高校化学・大学入試の範囲であっても、理論化学を深掘りしていけば、どれだけでも深い領域が広がっており、理論化学は難度の高さに際限がない。
    • 他方、[高校化学・大学入試の範囲の無機化学][高校化学・大学入試の範囲の有機化学]には、[範囲の限定][難度の限定]がつきまとう。
    • だから学習者・受験生としては、まずは無機化学・有機化学に重点を置き、余力で理論化学に取り組むのが得策であろう。
    • また化学は入試で高得点が取りにくいので、例えば[物理で高得点を狙い、化学は点が取れる範囲だけ取る]という方針で受験勉強を組み立てたほうが健全であろう。
      • 化学で難度の高い問題を深追いするのは、タイパの悪い選択になる確率が高い。

無機化学の整理がうまい先生のやり方を模倣する

  • 範囲が限定的で、覚えるべき事項が決まりきっている無機化学という分野を先に攻略し、確実な得点源にするのが適切だと私は感じた。
  • ただし[入試に出題されやすい知識]だけを要領よく覚える必要がある。
    • [入試に出題されやすい知識]だけを要領よく覚えるにあたり、記憶作業〔インプット〕・想起作業〔アウトプット〕の両方を円滑にする観点からの[まとめ方]が重要である。
    • [大学受験Doシリーズ 福間の無機化学の講義 五訂版|旺文社]の[まとめ方]が素晴らしい。
    • 大学入試の無機化学は[福間の無機化学の講義]の[まとめ方]に沿って整理すれば、いい感じにまとまる。
    • 他書で無機化学を学んだときに、[福間の無機化学の講義]に立ち返って復習し、[福間の無機化学の講義]に不足があれば、[付箋に書き込む]または[紙面に直接書き込む]などして、無機化学は[福間の無機化学の講義]だけを見れば総復習OKな状態を作っていく。