【方針 001 】:理解しづらい単元は理論化学〔物理化学〕に集中していることを最初に把握する
高校課程[化学基礎]の理解しづらい単元
モルの概念・モル計算〔理論化学〕
粒子の結合と結晶構造〔理論化学〕
酸と塩基・酸化還元反応〔理論化学〕
高校課程[化学]の理解しづらい単元
熱化学〔理論化学〕
物質の状態変化・気体(気液平衡・飽和蒸気圧)〔理論化学〕
溶液の性質(浸透圧・沸点上昇など)〔理論化学〕
反応速度・化学平衡〔理論化学〕
電池・電気分解〔理論化学〕
電離平衡・溶解度積〔理論化学〕
【方針 002 】:工業高等専門学校の学生のために書かれた、数学・物理・化学の教科書も渉猟してみる
- メルカリ等で[化学ギライにささげる 化学のミニマムエッセンス(車田研一 著)|裳華房]を買って、その単元を学習する準備として、該当単元の箇所を何度も通読してみてほしい。
- ■<書籍紹介> 化学ギライにささげる 化学のミニマムエッセンス(車田研一 著)【化学】
- [化学ギライにささげる 化学のミニマムエッセンス]は、[センター試験過去問]を用いて概念を説明する、講義系参考書と考えてよい。
- [化学ギライにささげる 化学のミニマムエッセンス]は、[高校化学]と[大学教養課程化学]とを橋渡しするためにある〔工業高専生向け〕。
- [化学ギライにささげる 化学のミニマムエッセンス]は、[酸・塩基・中和][酸化・還元]のところが特によい。
- [化学ギライにささげる 化学のミニマムエッセンス]の中心は、[モル][熱][酸・塩基・中和][酸化・還元]という[理論化学〔物理化学〕]でわかりづらい部分である。[有機化学][無機化学]の必要最小限の知識も載っている。
- [化学ギライにささげる 化学のミニマムエッセンス]は本が高価なので、メルカリなどで中古を買うとよい。私はメルカリで買った。
【方針 003 】:高校化学の半分は暗記でできている|学習の冒頭に必修事項をしっかり暗記しておくと、演習から得るものに取りこぼしがない
- 学習の冒頭に必修事項をしっかり暗記しておくと、演習から得るものに取りこぼしがない。
- 問題演習をしたとき、知識が曖昧だと、問題演習を通じて得るべき知恵をしっかりと受け取ることができない。
- それは知識が曖昧だと、問題演習を行なった記憶まで曖昧になるからである。
- 知識がしっかり固まっているからこそ、その知識を核として、新情報が核の周囲に結晶として付着していくのである。
- 暗記を要する場合に限定して、白紙再現法〔何も見ずに記憶対象を白紙上に筆記で再現する方法〕で、化学の橋爪健作先生の[基礎からのジャンプアップノート〔全2冊〕|旺文社]の紙面を覚えるのが、結果的に高速学習になると思う。
- 【化学の[基礎からのジャンプアップノート〔全2冊〕|旺文社]】:別冊解答編が[解答が赤シートで消える仕様]なので、[書き込み式ノート教材]の中で、唯一推奨できる。
- [基礎からのジャンプアップノート 理論化学 計算&暗記ドリル 改訂版|旺文社]
- [基礎からのジャンプアップノート 無機・有機化学 暗記ドリル 改訂版|旺文社]
- なお、橋爪健作先生の[基礎からのジャンプアップノート〔全2冊〕]は、初学者には難しすぎるので、[基礎からの]という言葉は嘘だと思ってよい。
- 難しいけれども、初学者にも、ここは強行突破してほしい。
- それは[基礎からのジャンプアップノート〔全2冊〕]が受験化学の必須知識を網羅しているからだ。
- これ以外は、覚えてもあんまり意味がない。また、これだけ覚えればいいのだ、というゴール設定になる。
- [基礎からのジャンプアップノート〔全2冊〕]をこなせば、KADOKAWAから出ている西村能一先生の[大学合格新書改訂版 化学基礎早わかり 一問一答][大学合格新書改訂版 化学早わかり 一問一答]は必要ない。
- 白紙再現法を使う必然性は、知識が能動的語彙〔Active Vocabulary〕になっていると、問題が速く解けるし、問題演習から考え方・解き方を吸収するスピードが高まるから。
- どの科目でも、知識をActive Vocabulary化することによって、学力が飛躍する。
- いいかえれば、丸暗記・暗誦には、絶大な学習効果がある。
- 苦しくとも、学習の初期に、必修事項をしっかり暗記しておくことが、その後の[爆伸び]を生む原資となる。
- 【化学の[基礎からのジャンプアップノート〔全2冊〕|旺文社]】:別冊解答編が[解答が赤シートで消える仕様]なので、[書き込み式ノート教材]の中で、唯一推奨できる。
- 学習の冒頭に単語・熟語をしっかり暗記しておくと、演習から得るものに取りこぼしがない。
- 学習の冒頭に化学の暗記事項をしっかり暗記しておくと、演習から得るものに取りこぼしがない。
- 化学の[基礎からのジャンプアップノート〔全2冊〕は初学者には難解だろうけれども、[理解は後・暗記が先]と割り切って、嫌々でもいいから、丸暗記すると劇的に学習が進むことを保証する。
- 理解できなくても、紙面を丸ごと再現できるまで暗記し尽くしてから、他の学習参考書で勉強すると、[ああ、なるほど]の連続で、点と点が線でつながり、知識の有機的ネットワークが形成されていく。
- そうなったら、忘れにくいし、理解は進むし、化学が楽しくてたまらなくなる。
【方針 004 】:思考分野と暗記分野とを同時並行的に学習する
- [授業でその分野・単元を習うまで、その分野・単元にまったく手をつけない]と学習が遅れる。
- 自分で印刷教材を用意して、積極的に先取り学習を進めていくのが理想だ。
- 以下のような方針・考え方は、絶対にやめたほうが安全である。
- 〈1〉[化学基礎][化学]にわたり、[理論]を最後まで終える。
- 〈2〉〈1〉を終えてから、[無機][有機]を覚えていく。
- とくに有機化学は得点源なのに習得が遅れると化学が低得点に終わる。
- [理論]と[無機][有機]とを、同時並行的に学習するのが[時間切れ][手遅れ]を回避するために必要な措置である。
- [理論]と[無機][有機]とを並列進行させよ! これをやらないと受験に間に合わないのが通常である。
- 具体的には、[基礎からのジャンプアップノート 無機・有機化学 暗記ドリル 改訂版|旺文社]を理解できなくても暗記していく。
【方針 005 】:安直に[問題を解く中で知識を固めていく]ことを自分に許すな!
- [とりあえず問題を解いてみて、問題を解く中で、その問題に登場した暗記事項だけを詰めていけば、必須知識はカバーできるだろう]という希望的観測で方針で進めると、[必須知識の暗記を完璧にする機会]を逸する。
- [必須知識の暗記を完璧にする機会]を逸したせいで、いつまでたっても、何問演習しても、いい加減な知識で、いい加減な理解を積み重ねるだけになり、本番にて、化学で爆裂する結果となる。
- いつになったら、[必須知識の暗記を完璧にする覚悟]を決めるんだい?
- それから、学問にかんして、わからないことがあったら、小学校・中学校の段階まで戻って、ゼロからやり直す勇気をもつことが大切である。
- 基礎学習から逃げていたのでは、絶対にできるようにはならない。
- ■数学者 本多正平さんインタビュー【PARTⅠ】
- ★■数学者 本多正平さんインタビュー【PARTⅡ】
- [ある単元について、その単元の必須知識の暗記が完璧になったら〔9割5分〕してから、その単元の問題演習を行なう]ことを徹底するのがよい。
- 10割ということは、無理だと思う。9割5分を目指して、残りの5分は[英語の単語ノート等を苦手ノートとして自作一問一答集]を自作する。
- [その単元の必須知識を明瞭に記憶していない状態]で問題演習を行なっても、問題演習を通じて身につけるべき[その問題が求めている理解の核心部分]にフォーカスが当たらなくなり、問題演習の価値・効用・学習効率が下がるだけとなりがちである。
- [その問題が求めている理解の核心部分]を[宝物]として、必要な[宝物]をコンプリートすることが、問題演習の真の目的である。問題演習では[宝物]のゲットに全力集中できるよう、暗記は学習の冒頭で詰めておく、という方針を貫く。
- 入試問題の中身は、[知識問題]+[そのテーマに対する理解の核心部分を問う問題]である。
- 卜部吉庸先生の問題集、あるいは、[セミナー|第一学習社]の類いや[重要問題集|数研出版]のように、膨大な問題演習を通じて[知識問題]をカバーしていくのは、時間・体力の無駄である。
- [知識問題]をカバーするには、通常の問題演習とは別個で[一問一答]または[書き込み式ノート教材]を利用することを通じて、抜け漏れをなくすための専用の学習を行なうしかない。
- ここでいう[一問一答]とはKADOKAWAから出ている西村能一先生の[大学合格新書改訂版 化学基礎早わかり 一問一答][大学合格新書改訂版 化学早わかり 一問一答]をいう。
- ■「大学合格新書 改訂版 化学基礎早わかり 一問一答」西村能一 [学習参考書(高校生向け)] - KADOKAWA
- ■「大学合格新書 改訂版 化学早わかり 一問一答」西村能一 [学習参考書(高校生向け)] - KADOKAWA
- [書き込み式ノート教材]は、書く手間が暗記という成果を生むことに直結しないので非推奨である。
- ただし橋爪健作先生の[基礎からのジャンプアップノート 理論化学 計算&暗記ドリル 改訂版|旺文社]と[基礎からのジャンプアップノート 無機・有機化学 暗記ドリル 改訂版|旺文社]は、別冊解答編が[ノート本文の縮小コピーの空所に赤字で正解が書き込まれたものが別冊解答編の中身になっている、つまり、解答が赤シートで消える仕様]なので、[書き込み式ノート教材]の中で、唯一推奨できる。
- なお、橋爪健作先生の[基礎からのジャンプアップノート〔全2冊〕]は、初学者には難しすぎるので、[基礎からの]という言葉は嘘だと思ってよい。
- [基礎からのジャンプアップノート〔全2冊〕]の名称と内容とを一致させるためには、[橋爪健作の受験化学の最小知識〔全2冊〕]と改題するのがよい。
- また[基礎からのジャンプアップノート 理論化学 計算&暗記ドリル 改訂版]というタイトルだけれども、計算問題の分量はそう多くはなく、暗記事項中心の内容であるから、これも嘘である。
- [化学の計算|石川正明|駿台文庫]など別の化学計算問題の解説書をオススメする。
- [化学の計算|石川正明|駿台文庫]は、いの一番に改訂されるべきであったのに、改訂が後回しになってしまっている。
- 旧版である[化学の計算|石川正明|駿台文庫]、または、[駿台 夏期 化学特講Ⅰ計算問題]のうち【解答・解説集】が付属するものを、メルカリで購入するのがよいかもしれない。
- ■【2025年最新】駿台 夏期 化学特講Ⅰ計算問題の人気アイテム - メルカリ
- [化学]の[反応熱とエンタルピー]の単元のところは最新の印刷教材でまかなう必要がある。
- そして、問題演習については、[セミナー]の類いや[重要問題集]ではなく、汎用性の高い典型問題だけを集めた[合格のためのマスター問題集〔全3冊〕|旺文社]または[化学頻出スタンダード問題230選〈改訂版〉|駿台文庫]を使うのが上策である。
- [セミナー]の類いや[重要問題集]は、少数の人間、または、一人が問題の選定と解答・解説の執筆を管理しているわけではなく、分業で執筆されている。
- そうすると、改訂を前提とした、他の問題との連関的解説のない、問題ごとにバラバラの孤立した解説を、しかも別の著者が行なうこととなり、[セミナー]の類いや[重要問題集]では、知識の精緻化が進まない。
- 知識の精緻化を学習者が主体的・能動的に行なえる状態なら、[セミナー]の類いや[重要問題集]は活かされる。しかし、そのような学習者は少数であり、彼らは学習法を他から学ぶ必要はない。
- 問題なのは、知識の精緻化を主体的・能動的に行なえない状態の学習者が、何に取り組んだら最もよいか、ということだ。
- それは[合格のためのマスター問題集〔全3冊〕]または[化学頻出スタンダード問題230選〈改訂版〉]のどちらか一方を反復学習することだと思う。
- [その単元の必須知識を明瞭に記憶すること]は、問題演習の手段であって、目的そのものではない。
- [その単元の必須知識を明瞭に記憶する]という前提条件を満たしていない状態で問題演習をすると、[その単元の必須知識を明瞭に記憶していないこと]が失点の原因なのか、[その問題が求めている理解の核心部分]が把握できていないことが失点の原因なのか、という部分において、[問題/課題/修正するべき欠点]の切り分けをする必要が生じるので、学習効率が極度に下がる。
- [知識はバッチリなのに得点できない]という状態を作ってから、問題演習を開始したほうが、原因が特定しやすい。
- [その単元の必須知識はバッチリだ]という状態になるまで、問題演習の開始を我慢することも必要だということである。
- 覚えるべきことも覚えずに[重要問題集]をやっている学習者は、間違いなく受験に失敗する。
- 到達レベルの問題ではなく、[基本知識を覚えないで問題演習をやる]という、自分に嘘をつく見栄張りな学習態度だから、何をやっても中途半端で不完全になるわけである。
- 基礎をしっかり詰めることを怠る人、わかったふりをする人は、勉強だけでなく、仕事をやっても、[抜け作][ぽんすけ]と言われる状態になる。
- そのためには、後述する[その単元の必須知識]を暗記することを手助けする[赤字+赤シートで文字が消える]という条件を満たす印刷教材を選ぶのがよい。
- それは、印刷教材において、無加工で無筆記暗記ができることが、暗記作業を効率化するうえで、必要不可欠な要素だからである。
- [赤字+赤シートで文字が消える]という仕様になっていない印刷教材は、学習を邪魔しているともいえる。
【方針 006 】:暗記が完了した単元について、[共通テスト]レベルまでの問題演習を行なう
- 暗記した知識をすぐに使ってみると、暗記の定着が良好になる。
- [基礎からのジャンプアップノート〔全2冊〕]
- [基礎からのジャンプアップノート 理論化学 計算&暗記ドリル 改訂版|旺文社]
- [基礎からのジャンプアップノート 無機・有機化学 暗記ドリル 改訂版|旺文社]
- [基礎からのジャンプアップノート〔全2冊〕]にも問題演習がけっこう付いているけれども、さらに問題演習を行なって、知識や単元独特の考え方を定着させるのがよい。
- [化学[化学基礎・化学]入門問題精講 四訂版|旺文社]は、とても親切な問題集である。[リードLightノート][セミナー]などの学校一括採用教材よりも、ずっとよいと思う。
- そもそも演習動線として、例題+解答・解説のほうが、こなすスピードが速い。別冊解答編というのは、書くことが前提だろ? 書いている累積時間が、ぜんぶ無駄。無駄の塊。
- [基礎からのジャンプアップノート〔全2冊〕]で基本的な問題演習を終えているので、最初の問題集は[化学[化学基礎・化学]入門問題精講 四訂版]が適切であろう。
- これらは橋爪健作先生の著作なので、解き方が同じであるため、かなり効率がよい。
- [基礎からのジャンプアップノート〔全2冊〕]+[化学[化学基礎・化学]入門問題精講 四訂版]を完全にするまで何十回も見直し、他人に説明できるぐらいになったら、問題演習に入るようにするのがよい。
- こういう基礎教材を[見飽きてゲロが出るぐらい]まで復習し直して、記憶を完璧にしてから、問題演習に入ったほうが、問題演習から得られるエキスを取りこぼすことがない。
- [合格のためのマスター問題集〔全3冊〕|旺文社]に取り組む前提なら、[化学[化学基礎・化学]基礎問題精講 五訂版|旺文社]は必要ないと私は思う。
【方針 007 】:学習参考書の評判を鵜呑みにしない
- [宇宙一|学研]の[化学]のシリーズ〔全3冊〕が必要ないと思うのは、理論・無機・有機ごとに1冊ずつになっていることが不合理だと私が思うからである。
- とくに無機化学/有機化学について、[宇宙一|学研]ほど分厚い入門書が必要か? という根本的な疑問がある。入門書なら、有機・無機を併せて1冊でよいと思う。
- 理論・無機・有機の分量比は、2:1:2ぐらいになるはずであり、無機化学で一冊を形成する場合には、無機化学だけ極度に薄くなるはずである。
- この分量比を守っていない学習参考書は、無機化学の巻で情報の水増しをしているはずである。
- ■宇宙一わかりやすいシリーズ『宇宙一わかりやすい高校化学 理論化学 改訂版』 | 学研出版サイト
- ■宇宙一わかりやすいシリーズ『宇宙一わかりやすい高校化学 有機化学 改訂版』 | 学研出版サイト
- ■宇宙一わかりやすいシリーズ『宇宙一わかりやすい高校化学 無機化学 改訂版』 | 学研出版サイト
- 高校課程の[化学基礎,化学]において、理解しづらい単元が理論化学〔物理化学〕に集中しているのであれば、高校化学の入門書は、理論・無機・有機を総花的に取り扱うのではなく、理論化学をかみ砕いて説明することに集中したほうがよい。
- [宇宙一|学研]で、人によっては有用と思われるのは、[物理]のシリーズ〔全二冊〕である。
- 高校物理で最も万人向けの印刷教材は、[完全版 大学入試 坂田アキラの 物理基礎・物理の解法が面白いほどわかる本|KADOKAWA]である。
- 単元に対する紙数の配分としては、[岡野の化学が初歩からしっかり身につく|技術評論社]の[化学基礎〔中身は理論化学・前半部〕][理論化学〔中身は理論化学・後半部〕]が適切であろうと思う。
- [岡野の化学が初歩からしっかり身につく「無機化学」「有機化学」|技術評論社]は、多くの人にとって、必要ないかもしれない。
- [理論化学]とは異なり、[無機化学][有機化学]は[理論化学]をふまえたうえでの[暗記と演習]が取り組むべき課題の中心であり、入門書をとくに必要としないからである。
【方針 008 】:無加工で無筆記暗記ができる印刷教材を大切にする
- [書かずに、目と頭で覚えるための装備]をもつ印刷教材を優先するのが効率的である。
- [書く]という行為を省略することによって、暗記は劇的に効率化できる。
- 例えば、化学の講義系参考書のうち、[赤字+赤シートで文字が消える]+[巻末の別冊まとめ付属]という条件を満たすものが、1つの理想型である。
- 以上の[亀田和久の化学シリーズ〔全3冊〕|KADOKAWA]の特徴は、覚えるべきことが表解〔表形式での解明〕形式でまとまっており、[知識のまとまりの良さと理解の早さ][暗記と想起のしやすさ]の点で、かなり効率的だという点である。
- 高校化学を授業等で既習の場合、以上の[亀田和久の化学シリーズ〔全3冊〕]に取り組んでみて、亀田先生の解説が不親切だと感じた場合にだけ、[岡野の化学が初歩からしっかり身につく|技術評論社]の[化学基礎〔中身は理論化学・前半部〕][理論化学〔中身は理論化学・後半部〕]を買う、というコースがオススメである。
- しかし化学に苦手意識がある場合には、最初から[岡野の化学が初歩からしっかり身につく|技術評論社]に取り組んだほうがよいと思う。
- 例えば、えば、化学の印刷教材のうち、[赤字+赤シートで文字が消える]+[一問一答]という条件を満たすものが、1つの理想型である。
- ■「大学合格新書 改訂版 化学基礎早わかり 一問一答」西村能一 [学習参考書(高校生向け)] - KADOKAWA
- ■「大学合格新書 改訂版 化学早わかり 一問一答」西村能一 [学習参考書(高校生向け)] - KADOKAWA
- この[一問一答]という[別の角度からの基本知識の問いかけ]によって、[亀田和久の化学シリーズ〔全3冊〕]の知識を精緻化させることができると思う。
- 地理・歴史・公民でもそうだけれども、暗記分野の知識は、同じ答え〔知識〕でも、別の角度から問われてみないと[強固な知識]になりづらい面もある。
- つまり同じ答え〔知識〕を、別の角度から問うことによって、[位相差で立体像を把握する]ような感じの知識の把握を狙うのである。
- ■「大学合格新書 改訂版 化学基礎早わかり 一問一答」西村能一 [学習参考書(高校生向け)] - KADOKAWA
- 例えば、内容は高く評価できるけれども、無加工で無筆記暗記ができる機能性を満たしていない印刷教材は、時間・体力のロスに直結すると、私は考えている。
- [化学[化学基礎・化学]入門問題精講 四訂版|旺文社]
- [化学[化学基礎・化学]基礎問題精講 五訂版|旺文社]
- この二冊は、問題集のように見えて、実際には、[知識のまとめ書]であり、しかも、よくまとまっている。
- しかし、[要点が赤字になっていて赤シートで文字が消える]という、学習効率を高める工夫がないのでNGである。
- [化学[化学基礎・化学]入門問題精講 四訂版|旺文社]は、赤字+黒字だけれども、覚えるべきところを赤字にしてあるわけでもない。
- [化学[化学基礎・化学]入門問題精講 四訂版]においては、注釈的・補足的な記述が赤字になっている。
- また[化学[化学基礎・化学]入門問題精講 四訂版]のまとめは、暗記しやすいようにまとめた、全網羅的整理とは異なり、問題に関連する知識のまとめなので、一問一答などで補ったほうが安全である。
- [化学[化学基礎・化学]入門問題精講 四訂版]よりも、より教科書レベルから始まっている、以下の二冊のほうがよい。
- ただし、学校一括採用のみで、別冊解答編付きのものは、メルカリから入手する以外にないので、学習参考書の案内としての一般性は乏しい。
- [ベストフィット化学基礎|実教出版|440736050X| 9784407360509 ]:[リードLightノート]より、数段わかりやすい。
- [ベストフィット化学|実教出版|4407357207|9784407357202]:[リードLightノート]より、数段わかりやすい。
- 以上がインターネット書店に出回っているのは、改訂版が出たことによる在庫処分なのであろう。
- [ベストフィット]の改訂版が出ているけれども、それは学校一括採用なので、一般身分での入手は困難だ。旧版で十分である。
- ただし、[化学[化学基礎・化学]入門問題精講 四訂版|旺文社][化学[化学基礎・化学]基礎問題精講 五訂版|旺文社]の二冊を問題集と見なすなら、[リードLightノート][セミナー]などの学校一括採用教材よりも、ずっとよいと思う。
【方針 009 】:高校化学において[リードLightノート][セミナー][重要問題集]などといった学校一括採用教材は使うな!
- [リードLightノート][アクセス/エクセル/セミナー/センサー/ニューグローバル/リードα][重要問題集]などといった学校一括採用教材は使うな!
- 学校一括採用教材は、他によい印刷教材がないときに使うものであり、これらは基本的に、解説がわかりづらい、あるいは、解説からその問題を解く以上のものが得がたい、という傾向がある。
- [解説からその問題を解く以上のものを得たい]という場合、駿台予備学校の化学科の講師による著作を選ぶのがよい。
- [合格のためのマスター問題集〔全3冊〕|旺文社〔A5判〕]は、理論と有機が絶版になった[大学入試 分野別マスターノート 〔全3冊〕|旺文社〔B5判〕]の事実上の改訂版である。
- [合格のためのマスター問題集〔全3冊〕]には、索引がない。索引は、LaTeXで文字だけのデータを作り、さく
- [合格のためのマスター問題集〔全3冊〕]のうち、理論・有機にかんしては、[はじめに]には[課程の変更を機に、マスターノートの良いところを活かし、さらにパワーアップして新しい問題集としたものが本書です]とある。
- [合格のためのマスター問題集〔全3冊〕]は、[1対1対応の演習 化学|架空の問題集]のようなもので、例題一つにつき類題が1題〔正解は別冊解答編〕付いているため、その分野・その型の問題を完全に身につけることができる。
- [合格のためのマスター問題集〔全3冊〕]は、頻出典型問題に限定されており、かつ、解き方のコツ、別解、注意などの注記が充実しており、授業を受けたような感じの親切さである。
- [合格のためのマスター問題集〔全3冊〕]の[理論]と[有機]の[はじめに]では、[ぜひ、時間をかけて、繰り返し取り組んでください]とある。
- 同様に、[無機]には、[無機化学では、「解きながら覚えること」をオススメします。問題を解き、「この反応はあれと同じだな…」、「あの反応がここでも」という経験をしてください。知らない知識に出会ったら、該当ページを探して調べ、周辺知識とともに理解・記憶しましょう。これを繰り返すことで、頭の中に知識のネットワークができてきます。いずれ、例外的な性質を示す物質が可愛く思えてきます]とある。
- つまり[合格のためのマスター問題集〔全3冊〕]は、繰り返し使うことで、完全にマスターしていくべき問題集であることが強調されている。
- [合格のためのマスター問題集〔全3冊〕]の[有機]は構造決定問題が充実しているので、あとは[有機化学演習 [四訂版]|駿台文庫]だけをすれば、有機化学の勉強としは十分だと思う。
- [合格のためのマスター問題集〔全3冊〕]は、問題が頻出問題に限定されており、[取りこぼしてはいけない問題だけをまずは押さえる]という[化学は守りに徹する]という受験生に向く。
- [重要問題集|数研出版]は、かなりできる受験生が確認のために説く問題集であり、[重要問題集]は実力養成用ではなく、実力確認用だと思う。
- [解説からその問題を解く以上のものを得たい]という場合、[合格のためのマスター問題集〔全3冊〕|旺文社]か、[化学頻出スタンダード問題230選〈改訂版〉|駿台文庫]か、どちらか一方をやり込むのが適切であろうと思う。
- [合格のためのマスター問題集〔全3冊〕]は、例題の直下に解答・解説が載っているので、演習動線が効率敵である。
- [合格のためのマスター問題集〔全3冊〕]は、なぜか[化学標準問題精講|三國均|旺文社][精選化学問題演習|三國均|旺文社]を思い出させる。
- [化学頻出スタンダード問題230選〈改訂版〉]は解答・解説冊子が別冊であるため、演習動線として非効率である。
- [合格のためのマスター問題集〔全3冊〕]の
- [理論化学]については、[大学入試 坂田アキラの 化学基礎・化学[計算問題]が面白いほどとける本|坂田アキラ|KADOKAWA]と[化学[化学基礎・化学]入門問題精講 四訂版|旺文社]とを併用して、先に基礎作りをしてから、[合格のためのマスター問題集:理論化学]に取り組むとよいかもしれない。
- なお、注意点がある。とてもわかりやすい[坂田アキラの 化学基礎・化学[計算問題]]だけれども、これは熱化学方程式を採用した、旧課程用の学習参考書なので、エンタルピーには対応していない。そこだけは注意である。
- メルカリで中古で手に入る。
- [化学[化学基礎・化学]入門問題精講 四訂版|旺文社]は、理論化学が大半のページを占めており、[化学基礎]と[化学]とに明快に分けられている。[無機化学][有機化学]のページ数は少ない。
- やり込むとは、問題の解き方を覚えるだけでなく、解説の隅々までを他人に説明できるぐらい、暗記・理解を徹底するということである。
- ■合格のためのマスター問題集 理論化学 | 旺文社
- 本冊 : A5判 / 216ページ / 3色刷
- 別冊 : A5判 / 64ページ / 2色刷
- ■合格のためのマスター問題集 無機化学 | 旺文社
- 本冊 : A5判 / 128ページ / 3色刷
- 別冊 : A5判 / 32ページ / 2色刷
- ■合格のためのマスター問題集 有機化学 | 旺文社
- 本冊 : A5判 / 192ページ / 3色刷
- 別冊 : A5判 / 64ページ / 2色刷
- ■化学頻出スタンダード問題230選〈改訂版〉 | 駿台文庫
- ■「大学入試 坂田アキラの 化学基礎・化学[計算問題]が面白いほどとける本」坂田アキラ [学習参考書(高校生向け)] - KADOKAWA
- ■化学[化学基礎・化学]入門問題精講 四訂版 | 旺文社
- ■有機化学演習 [四訂版] | 駿台文庫
【方針 010 】:よほどのことがないかぎり、卜部吉庸先生の著作には手を出さない
- 一般に、物理をやり込むと満点が取りやすくなる。
- 一般に、化学をやり込んでも、満点は絶対に無理であり、化学では、他者と同程度に、取れる部分は確実に取る戦略でいくのがよい。
- 卜部吉庸先生の著作である、[新演習][新標準演習]は問題数過多という傾向があり、卜部吉庸先生の著作に深入りすると、入試化学に、悪い意味で深入りすることになりがちだ。
- 入試科目は化学だけではない。化学は理科のうち、半分しか占めない。卜部吉庸先生の著作には、そのことを無視したものが多い。
- 物理は満点を狙う。ただし、基本を大切にして、難問を基本に分解・還元していく練習を積む。
- 化学は満点を狙わずに、取れるところだけ取る、守りの戦略をとる。基本を大切にして、難問対策は過去問の範囲に絞り込む。
- 化学で満点を狙う勉強をするのは、受験戦略として最低である。英語・国語・数学に、もっと時間・体力を配分するのがベストバランスだ。
- 化学に深入りすると不合格になりやすい。
- [新演習]には、良問も悪問も含まれているので、指導者なしに、[新演習]に取り組むことは難しい。
- ただし、自分のマネジメント能力に自信がある人は、[新演習]の[難度を示す星の数]と[過去問から得た傾向]とを勘案し、問題ごとに[取り組む][取り組まない]を決めてゆけばよいと思う。
- [新演習]に取り組む前に、有機化学、とくに構造決定問題を補強するのが前提だと私は思う。
- そして、[新演習]に手を出すよりも、過去問に丁寧に取り組んだほうが実りは大きいかもしれない。
【方針 011 】:初学者は、第一に印刷教材と格闘するのが早道
- なにかというと[まずスタディサプリから始めよ]とアドバイスする人が多い。
- ■【公式】スタディサプリ|大人の英語も、受験勉強も。
- ■大学受験の化学で多くの受験生がつまずきやすいポイント
- しかし、ある単元について、印刷教材を先にやってみて、[理解できない]という問題意識を醸成しておいてから音声授業を受けたほうが、授業に対して時間・体力を使ったときの実入りがよい〔利得が大きい〕。
- 音声授業とは、動画授業・音声授業・生授業を問わず、先生が語った音声言語を聞き取ることを中心とする授業のことである。
- 時間・体力という有限な資源をうまく使うためには、どの工程を先にこなし、その次にどの工程をこなすか。その順番を冷徹に設計する必要がある。
- 工場の工程管理を行なうようなかたちで、学習は自分で管理/マネージしていく必要がある。
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- 音声言語には、聞いたそばから消えていく[一本の線]のような情報であり、全体を俯瞰したり、特定の情報にアクセスし直したりすることが難しいという特徴がある。 それは[復習しづらい/できない]→[定着しづらい]に直結する。 この弱点を補うために、以下の工夫が有効である。
レジュメ〔資料〕の活用
事前にレジュメを用意することで、聞き手は予習ができ、話の全体像をあらかじめ理解した状態で臨むことができる。 レジュメに書き込みをしてもらうことで、聞き手にとって、記憶を定着させやすくなる。
場所記憶の活用
人間の記憶は、多くの場合、物理的な位置に依存する。 物理的な書籍のように、ページの厚みや位置情報と内容が結びつくことで、記憶の想起が容易になる。 音声言語で説明する場合でも、レジュメや資料を用いることで、この場所記憶を補うことができる。
文字言語の優位性
講義形式よりも、文字にして箇条書きにした方が、説明の密度が高く、情報の構造が把握しやすくなる。 抗議を聞くだけよりも、箇条書きになっている、レジュメやまとめノートがあったほうが、圧倒的に勉強しやすい。 同音異義語が多い、日本語の特性を考えた場合、日本語において音声言語のみで情報を伝えるには、かなり限界があるといえる。 そして何よりも、印刷教材は、現在読んでいる場所の前後に、ランダムにアクセスし直すことができるので、自分のペースで進めることができる。
- 印刷教材を使って予習をしたうえで音声授業を受けると、[問題意識]や[自分の疑問点]を携えて授業を受けることになり、結果として、授業に対する集中力が増し、授業を記憶することができる歩留率が高まる。
- ある程度、予習をしてから授業を受けると、授業が頭の整理になるし、授業が覚えやすくなる。
- [まずスタディサプリから始めよ]とアドバイスする人は、準備なしに動画視聴に依存するような、身につきづらい学び方を推奨しているようにみえる。
- 自分で印刷教材をじっくり読んで、自学自習するだけの根気強さをもたない人は、無理して大学に入学しても、大学を中退することになる。
- それは[進路が自分に合わないから]ではなく、文盲だからなんだね。
- 人間や動画から教わることなく、印刷教材から自力で学び取っていくことができる人は、文盲を抜け出していると思う。
- しかし、大学に入学していても、文盲の人がとても多いように思う。
- [まずスタディサプリから始めよ]とアドバイスする人は、文盲の人に、大学受験を勧めているように感じられる。
- いいかえれば、学校の授業は、文盲の人のために行なわれているのである。
- 文字が読める人は、学校へ行く必要はない。
- 学校は潰してよい。
- 教育の最大の失敗は、読書ができない大人を大量生産している点に集約されている。
【方針 012 】:試験で使える知識は、Active Vocabulary水準の明瞭な知識だけである
- 知識の精緻化:すでにもっている知識(既有知識)に新しい情報を関連付けたり、情報を付け加えたりして、記憶をより深く、より具体的にする学習方法を、知識の精緻化という。
- 知識の精緻化とは、知識どうしを有機的につなぎ合わせること、知識どうしの連関を、できるだけ[抜け漏れ]なく、密にしていくことをいう。
- それは結局、要精緻化中核知識だけを、再認記憶レベルではなく、再生記憶レベルまで、明瞭に暗記するということだ。
- 要精緻化中核知識というのは、私の造語であり、精緻化するべき知識のうち、中核をなす知識をいう。
- 要精緻化中核知識とは、結局、[亀田和久の化学シリーズ〔全3冊〕|KADOKAWA]や[大学合格新書 改訂版 化学基礎早わかり 一問一答|KADOKAWA]+[大学合格新書 改訂版 化学早わかり 一問一答|KADOKAWA]が取り扱っているような知識をいう。
- より具体的には、[亀田和久の化学シリーズ〔全3冊〕]の別冊〔要点のまとめ〕を、何も見ずに白紙に再現できるまで、丸暗記することが、高校化学の要精緻化中核知識をActive Vocabulary水準まで明瞭に記憶した状態だといえると思う。
- 入試化学は時間が足りないので、要精緻化中核知識の明瞭度が高くなければ、いいかえれば、想起スピードが速くなければ、また、計算力が高くなければ、時間切れで低得点に終わるのが、入試化学の標準的な姿なのである。
- [新演習]に手を出している人は、絶対に合格する強者か、身の程知らずで、[新演習]未満の水準が穴ぼこだらけ、不完全さ満載なのに[新演習]に取り組んでいる人か、どちらかであろう。
- 凡人は、[合格のためのマスター問題集〔全3冊〕|旺文社]を完璧にしてから過去問演習を始めるのがよいであろう。[新演習]には手を出さない方針で、最初から化学は守りの姿勢で臨むのが、健全な方針であろうと思う。
【方針 013 】:なぜKADOKAWAの学習参考書が勝ち残るのか?
- KADOKAWAの学習参考書は、もともとは中経出版から出ていた学習参考書を引き継いでいる。
- 中経出版の時代から、[売れなければ良書でもバンバン絶版にする]という方針で出版事業が展開されてきた。
- その方針はKADOKAWAでも引き継がれていると思う。
- つまり、現在、KADOKAWAから出ている学習参考書は、中経出版の時代から、激しい競争を勝ち抜いてきた学習参考書であるものが、いくつかあるのだということ。
- 坂田アキラシリーズがその筆頭格である。
- [亀田和久の化学シリーズ〔全3冊〕]は、坂田アキラシリーズほどではないにしても、古い部類である。要は、勝ち抜いてきた学習参考書である。
- KADOKAWAの学習参考書は、[要点が赤字になっていて赤シートで文字が消える]という、学習効率を高める工夫が徹底されている点で、他の出版社の学習参考書とは異なる。
- [リードLightノート|数研出版]や[書き込み式ノート教材|どの出版社でも]は、[手で書き込む]または[別紙に空所の答えを書き、正誤判定をする]という不効率なやり方をしている。
- 赤シートで隠して頭の中で答えを思い、サッと解答を見て確認する。このプロセスを、できるだけ数多くの回数だけ行なうことが、記憶の定着に資するやり方である。
- 記憶の定着度の高さは、想起練習の回数に比例する。
- だから、想起練習の回数を稼ぐためには、演習動線を最短化して、効率を高めるしかない。
- つまり、[要点が赤字になっていて赤シートで文字が消える]という戦略が最も合理的である。
- 入試化学の準備は、《1》原理・仕組みの解説をじっくり読み、深く理解するプロセスと、《2》暗記すべきことを効率よく暗記するプロセスとを、併用する必要がある。
- そして、高校化学の無機化学・有機化学は、化学反応のフローチャートを白紙再現法〔何も見ずに記憶対象を白紙上に筆記で再現する方法〕で再現できるようにするトレーニングに帰着する。
- 最初から白紙再現法は使えないので、中間プロセスとして、[要点が赤字になっていて赤シートで文字が消える]という学習参考書を使うのである。
【方針 014 】:情報伝達は、相手に伝わって初めてタスクが完了する
1. 記憶に残る話の構成方法
話を聞き手の記憶に残し、理解を深めてもらうためには、情報の並び順〔構成〕が非常に重要です。 ラジオ番組の面白さの大枠は、放送作家〔構成作家〕の能力に依存します。
全体像から詳細へ
話の冒頭で全体像を示す[包含関係]を明確に提示することが不可欠です。[Aという概念にはイ、ロ、ハが含まれる]といった階層的な情報を先に示すことで、聞き手は話の全体像を把握しやすくなります。
構造の予告〔道路標識〕
話に構造を持たせるためには、聞き手に[次に何が来るか]を予期させる構成が不可欠です。たとえば、[3つの話をします]と宣言するなら、最初にその3つを提示することで、聞き手は全体像〔骨組み〕を把握できます。
展開のスピード
新幹線から景色を見ると地形がよくわかるように、構造が明確な話は短時間でも全体像が把握しやすくなります。言葉だけで伝わる範囲をコンパクトにまとめ、不必要な情報は削ぎ落としましょう。
2. 音声言語の弱点を補うための工夫
- ■【ADHD&ASDあるある】共感?中3娘と発達障害について話してみました
音声言語には、聞いたそばから消えていく[一本の線]のような情報であり、全体を俯瞰したり、特定の情報にアクセスし直したりすることが難しいという特徴があります。 それは[復習しづらい/できない]→[定着しづらい]に直結します。 この弱点を補うために、以下の工夫が有効です。
レジュメ〔資料〕の活用
事前にレジュメを用意することで、聞き手は予習ができ、話の全体像をあらかじめ理解した状態で臨むことができます。 レジュメに書き込みをしてもらうことで、聞き手にとって、記憶を定着させやすくなります。
場所記憶の活用
人間の記憶は、多くの場合、物理的な位置に依存します。 物理的な書籍のように、ページの厚みや位置情報と内容が結びつくことで、記憶の想起が容易になります。 音声言語で説明する場合でも、レジュメや資料を用いることで、この場所記憶を補うことができます。
文字言語の優位性
講義形式よりも、文字にして箇条書きにした方が、説明の密度が高く、情報の構造が把握しやすくなります。 抗議を聞くだけよりも、箇条書きになっている、レジュメやまとめノートがあったほうが、圧倒的に勉強しやすくなります。 話すことが苦手だと感じる場合は、あらかじめ文章で原稿を作成し、それを読み上げることで、話の構造を保ち、聞き手にとって有益な情報を提供できます。 同音異義語が多い、日本語の特性を考えた場合、日本語において音声言語のみで情報を伝えるには、かなり限界があるといえます。
3. 話の質を高めるための注意点
聞き手が退屈せずに、話の内容を深く理解するためには、以下の点に注意が必要です。
解決策の提示
成長・進化の途中の人々をジャッジするのではなく、解決策を提示することが重要です。
新概念・用語の定義
[夜の時代]や[昼の時代]といった新しい概念や用語は、講義の冒頭でまとめて定義し、対比構造を表形式で示すなどして、明確に伝える必要があります。 定義なしに用語を使うことによって、話がまったく伝わらなくなります。
論理的な一貫性
概念間の境界線や相互関係〔例:自立と助け合いの違い〕を明確に説明し、論理的な飛躍がないように構成することが大切です。 自分で文章を書いて、批判的に見ることによって、自分の考えの不自然な部分・矛盾が明らかになります。 不自然な部分・矛盾を文章上で修正することによって、自分の考え方も変えていきます。
MECE〔漏れなく、重複なく〕
どんなに次元が上昇しても、[漏れなく、重複なく]情報をまとめることは、変わらない重要事項です。 聞き飽きた話や同じ内容の繰り返しを避け、常に新しい気づきを提供する必要があります。
結論の明確化
最後に[結局、まとめると何なのか]という結論を明確にすることで、話全体が聞き手の記憶に残りやすくなります。 それと同時に、話をする前に、今日はどのような話題を、どのように展開するのかを予告すること〔構造の予告〕によって、話の本題の内容が、聞き手の脳に定着しやすくなります。