JA叩きの黒幕は誰?農協〔JA〕が悪者にされた本当の理由(久保田治己×三橋貴明)

JA叩きの黒幕は誰?農協〔JA〕が悪者にされた本当の理由(久保田治己×三橋貴明)

農協〔JA〕犯人説の実態とメディアの無根拠な批判

米価高騰の原因として農協〔JA〕〔JA〕を犯人視する声があるが、実際にテレビ局スタッフ4人に[農協〔JA〕が米価を釣り上げている根拠は何か]と尋ねても明確な答えは出なかった。 最終的に[農協〔JA〕は悪者だから]という感情的な理由しか挙げられず、実際のデータを見れば農協〔JA〕グループが価格を釣り上げている証拠はない。

米流通の現場が抱える物理的・物流的制約

米の流通は株式取引のように簡単にはいかず、倉庫や運送、トラック手配、荷下ろしなど多段階の工程が必要である。 卸業者や小売業者にも倉庫容量や施設の制約があり、大量の米を一度に流通させることは現実的に不可能である。

備蓄米放出政策と卸業者による価格上乗せの実態

政府は米価高騰を抑えるため備蓄米を市場に放出し、全農〔全国農業協同組合連合会〕は手数料を大幅に引き下げて卸業者に販売した。 しかし実際には卸業者が通常の2~3倍の手数料を上乗せして販売していたことが農林水産省の資料で判明している。 江藤拓農林水産大臣〔当時〕はこの件で不適切な発言をし辞任に至った。

農協〔JA〕悪者論の拡散とその誤認

農協〔JA〕や全農を悪者とする論調が広がっているが、実態は卸業者の価格上乗せが主因である。 農協〔JA〕グループが完璧な組織でないことは事実だが、全体として価格を釣り上げる行動はしていない。 むしろ新たな流通経路に手間がかかるため、卸業者側でコスト増が発生している。

農協〔JA〕改革を巡る政治的思惑と米価高騰の構造要因

江藤大臣辞任後、小泉進次郎氏が農林水産大臣に就任した背景には、農協〔JA〕改革、特に全農改革を進める意図があると考えられる。 米価高騰の背景には農林水産省の減反政策、生産量の減少、流通業者や農家による在庫積み増しなど複数要因が絡んでいる。 生産量が想定より少なかったことや、価格上昇局面での在庫確保が米価高騰の要因となった。

米価高騰の責任論と多層的な要因

米価高騰の責任を農協〔JA〕に押し付ける論調が目立つが、実際には卸業者の手数料上乗せや物流上の制約、政策的背景など複合的な要因が絡んでいる。 農協〔JA〕グループが意図的に価格を釣り上げている根拠はなく、現場の実情を踏まえた冷静な議論が求められる。

需要増加と供給制約によるインフレギャップ転換と全農株式会社化の動き

需要増加と生産能力の低下により、デフレギャップがインフレギャップに転換した可能性が高い。 これを好機と捉え、小泉進次郎氏が農林水産大臣に就任し、全農の株式会社化を推進する動きが強まっている。 全農の流通部門を中国の国営企業に売却するシナリオすら懸念されている。

オーストラリア事例と全農グレインの安全飼料供給システム

2010年のオーストラリアでは、同様の農業組織の買収事例が存在した。 全農グレインはアメリカで遺伝子組換えでないトウモロコシを分別管理し、日本の生協と連携して安全な飼料を供給している。 これは日本の協同組合の協力による成果であり、アメリカの穀物メジャーにとっては競争上の脅威となっている。

全農株式会社化と規制改革会議の国際的背景

2015年の農業改革の目玉は全農の株式会社化を可能にする法律の成立であった。 規制改革会議の提案に基づき、日本政府はアメリカと必要な措置を取ることを約束している。 これは小泉氏個人の発想ではなく、当時の安倍政権が推進した国策である。

農業政策の構造的問題と消費者・農家の現実

米価高騰で消費者が苦しんでいるのは事実だが、サラリーマンの実質所得も過去30年で約2割減少している。 農家も長年価格下落に苦しんできたため、たまには高値で売れることも必要である。 ロシア・ウクライナ戦争以降、肥料やエネルギー価格が高騰し、日本の農業はデフレ下で価格転嫁できず、利益が出ない構造となっている。

高齢化・低所得化が進む日本農業の持続可能性危機

農家の平均年齢は70歳を超え、10年後には80歳に達する。 農家の時給は10円程度とされ、持続可能性が危ぶまれる。 米価は高騰しても米自体が不足しているため価格は下がらない。 米価高騰の根本原因は農協〔JA〕や農家ではなく、自民党の減反政策と財務省の緊縮財政である。

農業保護政策に関する誤解と国際比較

[日本の農家は保護されすぎ][補助金漬け]といった言説は誤りであり、欧米と比較しても日本の農家はむしろ見捨てられている。 自民党は米の生産を増やすのではなく、減らすために予算を使ってきた。

食料が戦略物資となる歴史と日本の現状

食料が兵器として利用されてきた歴史的事例〔ロシアのエカチェリーナ2世、アイルランドの飢饉、メキシコの水不足問題など〕からも、日本の米価高騰がいかに深刻な事態かが分かる。 食料危機は既に始まっており、今後10年で日本の米が消滅する可能性が高い。

農業再生のための短期・長期政策提案

短期的には米価を政府が一定価格で保証し、差額を補填する政策が有効である。 長期的にはヨーロッパ並みの農家個別所得補償を導入し、次世代が夢と希望を持てる農業を実現しなければ、日本の農業も日本そのものも消滅しかねない。

上皇陛下のお言葉に見る国民統合と農業の意義

2016年、上皇陛下が[国民の理解を切に望む]と述べられたのは、日本国民の一体感が失われれば象徴天皇としての務めが果たせなくなるという危機感の表れである。 改革派の政策は国民同士を分断し、農協〔JA〕もその標的となってきたが、現在は状況が変わりつつある。

農協〔JA〕法の理念と農協〔JA〕の将来的役割

農協〔JA〕法第一条には[農家や農業組織のために働き、我が国経済の発展に寄与する]と明記されている。 株式会社は利益追求が目的であり、国益を損なう可能性もある。 農協〔JA〕は日本人による日本人のための組織であり、絶対に買収されない存在である。 今後も日本の農業と国益を守るために、農協〔JA〕の役割は極めて重要である。 ご要望に合わせて、各タイトルの内容がそのパラグラフの要約として機能するよう修正し、誤記や表現の不統一も正しました。 必要に応じて、タイトルの位置や内容も調整しています。