資本主義はオワコン!次世代は政府不要の自立分散型社会だ! 大西つねき氏 #387
■資本主義はオワコン!次世代は政府不要の自立分散型社会だ! 大西つねき氏 #387
金融資本主義の暴走により本来の資本主義が形骸化している
現在の金融資本主義は、本来の資本主義から著しく乖離している。 資本とは本来、土地・労働力・資源といった実体を持つものであるが、現代ではそれが単なる[金]に置換されてしまっている。 その結果、持続的成長を支えるべき資本家の役割は、単なる投資家による短期的利益の追求に堕しており、労働者との乖離が深刻化している。 かつて資源と労働力を動員して大規模生産を実現した資本家は社会の発展に貢献していたが、現在の投資家は生産現場に関わらず、利益のみを追求している。 この構造が、日本において若年層の労働意欲低下や企業就職への無意味感につながっている。
若者の機会喪失と世代間格差が固定化している
高度経済成長期に成立した地価高騰の影響により、土地を主要な資本とする日本の構造は、次世代への機会を大きく妨げている。 既得権を持つ企業や個人が多くの土地を保有し、それに基づく家賃や資産価値が高止まりする一方で、若者世代は高いコストを支払わされる立場に置かれている。 1985年のプラザ合意以降、日本企業は人件費削減のために海外移転を進め、その結果、賃金は低下し続けてきた。 高い固定費と低い収入によって、新しい挑戦を阻まれるという構造的なジレンマが、若者の未来を閉ざしている。
グローバル資本による国内インフラの占有が進行している
グローバル資本の流入によって、国内インフラの利用者構成が急速に変化している。 外国資本による土地や企業の買収が増加し、日本人自身が日本国内のインフラを十分に利用できなくなっている。 観光地や都市部では、宿泊施設が高騰し、ホテルや道の駅は外国人宿泊者であふれるようになった。 このような状況は、日本人の生活基盤を脅かすとともに、公共スペースにおける排除構造を生み出している。 また、交通インフラの利用に関しても、トラック運転手など本来の利用者が休息を取れない状況が広がりつつある。
金融資本主義は実体経済と人間関係の断絶を招いている
金融資本主義においては、出資者が企業の実体的経営に関与しないことが一般的である。 これは株主にとって効率的であっても、現場で働く従業員や地域社会との繋がりを喪失させる原因になる。 非人間的な労働環境の拡大が進む中で、日本における内部留保の増加も著しく、1980年代には50兆円規模だったものが現在は700兆円近くに達している。 そのうち多くは株主への還元に回され、労働者や社会には還元されていない。 特に外国人株主の保有比率が増加し、配当や変動する株価を中心とした利益追求型経営が進行している。
現在の政党政治は問題解決に機能していない
現在の日本の政党政治は本質的議論を欠いており、資本主義や共産主義といった大きな枠組みの再考すら行われていない。 政党による政策は、103万円の壁や消費税軽減といった短期的・小規模な対応に終始している。 すでに資本主義と共産主義という二元対立は終焉しており、新しい社会構造の提示が必要であるにもかかわらず、既存政党はほとんど対応していない。 この状態では、真に機能する社会制度を構築するための議論は生まれず、選挙や党運営が自己目的化している。
非中央集権型の自律分散組織が次世代のモデルとなり得る
インターネットやブロックチェーン技術を背景に、非中央集権型〔分散型〕の組織モデルが注目されている。 DAO〔Decentralized Autonomous Organization:分散型自律組織〕はその代表例であり、組織の意思決定を中央権力ではなく参加者間で共有する。 日本国内でも、竹井構造をはじめとするティール組織やDAO的な企業運営が一部始まっており、企業の中で社長の選出や給与の決定をメンバー全体で行うような事例が登場している。 無所属連合もその実践形式の一つとして機能しており、中央集権ではない柔軟性と透明性を備えた運営が展開されている。
中小企業が中心となり新たな経済モデルが形成されつつある
日本の企業の99%を占める中小企業が、経済構造の変革において鍵を握っている。 一部の経営者は、既存の利益至上主義に疑問を持ち、意識的に利益の蓄積をやめて、資金循環を促す方法を選択している。 このような動きにより、実際に経済活動が活性化し始めており、税の負担も分散される可能性が生まれている。 既存の資本主義体制の限界を補完するものとして、中小企業主導の新しい日本型資本主義が現れる動きが他地域でも見られる。
段階的な国有化と分散化により新しいガバナンスの形が求められている
政府の無能化や既得権との癒着を背景とし、国民の間では政府不要論が広がっている。 ただし無政府化を一足飛びに実現するのではなく、エネルギー・通信・輸送など国の基幹インフラにおいては一時的な再国有化が不可欠である。 たとえば、郵政・JR・NTTといった民営化された企業の再公営化によって、グローバル資本への流出を防止できる。 将来的には政府の役割を縮小し、自律分散型のガバナンスへと段階的に移行する必要がある。