この3冊の古文単語集以外は検討しなくていいと思う
古文単語集|比較表
―― | |||
おもな用途 | 暗記 最も暗記しやすい レイアウト |
入試傾向把握 入試でどう 狙われるか |
語源確認 語源からの暗記は よく記憶に残る |
入試特化の 見出し語・語義 |
◯ | ◎ | ◯ |
語義の成り立ち /覚え方 |
◯ | ◯ | ◎ |
用例豊富 | ◯ | ◯ | △ |
レイアウト | ◎ | △ | △ |
日々古文常識 入試問題を解くための27テーマ|駿台文庫
まめまめ古文単語300(大学入試)
古文常識を知っておくことで、それが合否に影響するような大学は、私大文系と相場が決まっており、そのような大学に進学することは、オススメできません。
『まめまめ古文単語300』というのは、古文単語集なのに、古文常識に多くの紙数(B6判:240ページ~273ページ)を費やしているのです。 ほかに古文常識の一環として「年中行事」が4ページ分、『まめまめ古文単語300』には掲載されています。 理系へ進学するつもりなのに、独立した古文常識の印刷教材をやるのは、かなりマトハズレな行為です。 しかし古文常識の知識がゼロでも、古文を読むとき、困ることもあります。 さりとて、 ■『マドンナ古文常識217 パワーアップ版 (大学受験超基礎シリーズ)』、 ■『速読古文常識』 などに取り組むのは「完全にやりすぎ」です。
そういった観点から、「ザックリと古文常識を学ぶ」ための手頃な印刷教材として、『まめまめ古文単語300』をご提案するしだいです。
似たようなものに、
■『基礎からのジャンプアップノート 古文単語・暗記ドリル』
があります。
こちらはイラストが豊富です。
ただしイラストは ■『原色シグマ新国語便覧―ビジュアル資料 (シグマベスト) | 国語教育プロジェクト』 などで見たほうがいいでしょう。
学校で配られた国語便覧に、古文常識に必要なイラスト/写真などが載っていますよね? それを使ってください。
『まめまめ古文単語300』は、細長い赤シート(赤シート)をタテにスライドさせながら、古文単語に対する短い用例の訳出練習を高速で行うことが可能な「機能性の高い古文単語集」です。
名前が「まめまめ」とか、ふざけやがってますので、「消費者からナメられる」という側面があるのですけれども、『まめまめ古文単語300』は間違いなく、あなたの古文単語学習を超加速してくれます。
古文単語は、用例の意味がもつ情景を脳裏に描き、その脳裏のイメージ(静止画・動画)を語義を象徴する「記号」として覚え込むものです。 語義をコトバで覚えようとするヤツは、どこかでボロを出します。
英単語でも、古文単語でも、語義をコトバで覚えるなよ、おまいら。 語義は「用例の中の場面・情景・思い出」というイメージ(静止画・動画)で覚えるんだよ。 そのイメージ(静止画・動画)を日本語で「実況中継」してみな。 それが語義だよ。
コトバの表層を捉えるなよ、盆暗ども。 語義がもつイメージ(静止画・動画)を知る。 そのためには、その見出し語が、あるコンテクスト(文脈)の中に入ったとき、その見出し語がどのように「変色」するかをよく見るんだよ。
それは結局、その見出し語を理解したり、思い出したりするときには、必ず「用例の中に見出し語を置いた状態」で考えよ、ということだ。
用例から見出し語だけを切り離して、見出し語と訳語とを1対1で覚えさせるような古文単語集は役に立たないぞ。
古文単語を「必ず用例の中で捉える」という思想が、『まめまめ古文単語300』では、それが徹底されているんだ。 チャラい書名に反して、『まめまめ古文単語300』は硬派なんだよ。
『GROUP(グループ)30で覚える古文単語600』で語義の説明を呼んで、それで「覚えた」と思っても、 いざ訳出しようと思うと、適切な訳し方が思いつかない。 そういう状態に必ずおちいる。
だから古文単語は、用例をバンバン訳してみて、その訳出練習の中で覚えなきゃダメ。
訳出練習とは、「用例の意味というイメージを、自分のコトバで実況中継する練習」なんだよ。
訳文をアタマで覚えるんじゃないんだよ。 イメージを即興で実況しろ。
学校一括採用系の古文単語集
書店に入荷していたから、『古文単語330三訂版|いいずな書店』と『みるみる覚える古文単語300+敬語30 改訂版|いいずな書店』を見てみた。 『古文単語330三訂版』のほうが受験向きで、『みるみる覚える古文単語300+敬語30 改訂版』は「劣化版」みたいでイヤだと思った。 『古文単語330三訂版』よりも『つながる・まとまる古文単語500PLUS』のほうが、見出し語や用例の選定が受験向きに洗練されていると感じた。 ただし、『つながる・まとまる古文単語500PLUS』よりも『読んで見て覚える重要古文単語315|桐原書店』のほうが、見出し語の選定・用例の選定が的確だよ。
そして『読んで見て覚える重要古文単語315』よりも『春つぐる頻出古文単語480|河合出版』のほうが、見出し語の選定・用例の選定が的確だよ。
学校一括採用系の古文単語集は、『春つぐる頻出古文単語480』から見たら「劣化版」だからやめとけってこと。
『春つぐる頻出古文単語480』を『まめまめ古文単語300』のように横組みにしたら最強になる。
【2018-06-02 20:07追記】:大学入試 古文単語速読マスター500
『大学入試 古文単語速読マスター500』は、持ち運びにやや向かない変形のB6判という判型だと思います。
横組みの対訳式で、古文パッセージの中で古文単語を覚える形式です。 「文あるいはパッセージの中で語彙を覚える」という形式は「多義語がカバーできない」という大きな欠点を抱えています。
『DUO|アイシーピー』『速読英単語|Z会』『コブタン|ゴマブックス 』などもそうですし、もちろん『大学入試 古文単語速読マスター500』もそうです。
『大学入試 古文単語速読マスター500』は、補助的に使うぶんにはいいですけれども、メインの古文単語集にはなりません。
ただし、重要語彙の含有率が高い「読み込み用のパッセージ集」として『大学入試 古文単語速読マスター500』を捉えた場合、かなり効率的です。
『春つぐる頻出古文単語480|河合出版』をメインとしながらも、読み込み用教材として『大学入試 古文単語速読マスター500』を併用するという戦略は、大いにアリだと思います。