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イスラエルと米国との腐れ縁はトルーマン大統領の大きなミスから始まっている件

さらに遡れば、イギリスがイスラエルを建国したことが過ちの始まり。 さらに遡れば、ヨーロッパでユダヤ人を差別・迫害したことが過ちの始まり。 赦し合おう。 赦し合い、対立をこれで終わりにしよう。 カルマの清算は終わった。

逆転した超大国に関する情報

人口970万人の国と人口3億3000万人の国という対比が存在する。 経済規模は一方が約75兆円、もう一方が約4000兆円であり、通常は大きい方が強いはずだが、現実は異なっている。 大きい方の国が毎年、小さい方の国に約4500億円の援助を送り続けており、1948年から今日までの累計は約22兆円以上である。 この関係に対し、政治家たちは誰も疑問を口にできず、批判すれば次の選挙で落選し、メディアで取り上げれば解雇される状況である。 AIPACという政治団体が年間約67億円の政治献金を行っているが、この金額はほかのロビー団体と比べて特別多くないため、お金だけではこの従属関係を説明できない。 この逆転現象には、〔1〕お金の層、〔2〕歴史の層、〔3〕宗教の層、そして〔4〕誰も語れないタブーの層という四つの層が隠され、これらが重なり合い見えない鎖を作り出している。 この逆転が始まったのは1917年である。

1917年11月2日のバルフォア宣言が全ての始まりである

1917年11月2日、イギリスの外務大臣アーサー・バルフォアがロスチャイルド卿に宛てた手紙は、全ての始まりとなった。 手紙の内容は、イギリス政府がパレスチナにユダヤ人の国家的ホームを樹立することに賛成し、その実現のために最善の努力を払うというものである。 たった67の単語で書かれたこの手紙はバルフォア宣言と呼ばれている。 ロスチャイルド卿に宛てた理由は、第一次世界大戦でイギリスが戦争資金を必要としており、ヨーロッパ最大の銀行家一族であるロスチャイルド家の支援が不可欠であったためである。 ロスチャイルド卿はイギリスにおけるユダヤ人コミュニティのリーダーであったことから、この手紙は単なる外交文書ではなく、金融と政治が結び付いた契約書であった。

ロスチャイルド家による準備は1880年代に始まっていた

ロスチャイルド家の役割はこの手紙だけにとどまらず、1917年の約束よりもさらに37年前の1880年代から、ロスチャイルド家の一人であるエドモンド・ロスチャイルドが準備を始めていた。 この時期、東ヨーロッパのロシアでユダヤ人に対する大規模な迫害が起こり、生き延びた約2万5000人がパレスチナへの移住を決意したが、彼らには資金も土地も農業の知識もなく、最初の入植地は財政難に陥った。 この時、エドモンド・ロスチャイルドが現れ、パレスチナの土地約5万ヘクタール〔東京23区の8割に相当する広さ〕を買い始め、30近くの入植地を設立した。 エドモンドがまず作ったのはワイナリーであり、リション・レジオンとジフロン・ヤーコブに大規模なワイナリーを建設した。 次に、当時のパレスチナには存在しなかったグレープフルーツ、アボカドなどの新しい作物を導入し、さらにシルクの生産工場や、ワインの瓶を供給するためのガラス工場も作った。 エドモンドが決めたこれらの経済基盤により、彼は最初から経済の基盤を握っていた。

エドモンド・ロスチャイルドは生活に必要なインフラも全て用意した

エドモンド・ロスチャイルドは、道路を整備し、学校を建て、病院を建てるなど、入植者たちの生活に必要なものを全て用意した。 エドモンドが生きている間に約5万ヘクタールの土地が開拓され、30近くの入植地が確立し、数万人のユダヤ人がパレスチナで生活できる基盤が整った。 表面的には、1881年から1882年にロシアで起きたユダヤ人への大規模な迫害を逃れた人々を見て、支援を決意したという人道的な理由が挙げられている。 しかし、エドモンドの行動には別の側面があり、彼は援助者ではなく支配者として動き、入植者たちの生活を細かくコントロールした。 何を育てるか、どこに住むか、どの産業で働くかなど全てエドモンドの管理者が決めていたため、入植者たちは感謝しながらもエドモンドに依存していた。

エドモンド・ロスチャイルドは依存させることで支配する構造を作った

土地も工場も病院も学校も道路も、すべてエドモンド・ロスチャイルドが作ったものであることから、入植者たちはエドモンドなしでは生きられない構造に置かれていた。 これは、依存させることで支配する構造であり、銀行家は担保を取るが、エドモンドは土地そのものが彼のものだったため何も担保を取らなかった。 入植者たちは借金をしていなかったが、エドモンドに恩を感じており、恩は借金よりも強い縛りであり世代を超えて続くものとなった。

エドモンド・ロスチャイルドの計画は世代を超えて続いた

エドモンド・ロスチャイルドの計画は一代では終わらず、1899年、彼は自分が所有していた土地と入植地をユダヤ植民協会に移管した。 さらに1924年、この協会のパレスチナ部門を再編成し、パレスチナユダヤ植民協会を設立し、この組織をエドモンドの息子ジェームズ・ロスチャイルドが引き継いだ。 エドモンドが亡くなったのは1934年であったが、計画は継続し、1880年代から1948年まで68年間続いた。 1917年のバルフォア宣言は、エドモンドの37年間の準備の上に成り立っていた。 宣言から建国までさらに31年かかり、この期間に数十万人のユダヤ人がパレスチナに移住した。

イスラエル建国は68年かけて準備されていた

イギリスは約束を守り、移住を許可し続け、彼らは入植地を拡大し、政治組織や軍事組織を作った。 1948年の建国は突然起きたのではなく、68年かけて準備されており、金融、土地、インフラ、人口、組織の全てが揃った時、イスラエルという国家が誕生した。 ロスチャイルド家の寄付は建国後も続き、イスラエルの国会であるクネセット議事堂、最高裁判所の建物、国立図書館がすべてロスチャイルド家の資金で建てられている。 国家を最初から作り上げることで、その国に対する影響力を永続的に確保する構造的な支配が作り上げられた。 そして1948年5月14日、この構造をさらに強固なものにした、アメリカの大統領によるたった11分の決定的な決断が起こった。

1948年5月14日にアメリカはイスラエルを承認した

1948年5月14日午後6時、イスラエルが建国を宣言した。 世界で最初にこの国家を承認したのはアメリカであり、建国宣言からわずか11分後の午後6時11分にトルーマン大統領が承認を発表した。 アメリカ政府の内部では国務長官ジョージ・マーシャルをはじめとする国務省の幹部全員が激しく反対した。 反対理由は、パレスチナ住民の90%以上がアラブ人であったことから、アメリカがイスラエルを承認すればアラブ諸国との関係が悪化し、冷戦下でソ連がアラブ諸国に接近する可能性があり、中東の石油供給が止まるかもしれないという、中東の安定と石油の問題に関するものであった。

トルーマン大統領は友人の頼みで秘密会談を行った

トルーマン大統領の承認強行の表向きの理由には、ホロコーストへの同情、ソ連に先を越されたくないという冷戦への配慮、そして1948年の大統領選挙に向けたユダヤ系アメリカ人の票獲得があった。 しかし、トルーマンは国務長官の辞任を覚悟してまで承認を強行しており、これらの理由だけでは説明がつかない。 トルーマンの古い友人であるユダヤ人のエディ・ジェイコブソンが、トルーマンにシオニズム運動の指導者であるハイム・ワイツマン〔のちにイスラエルの初代大統領〕に会ってほしいと頼んだ。 トルーマンは当初拒否したが、エディがワイツマンをアンドリュー・ジャクソン大統領と同じくらい尊敬していると伝えたことで、トルーマンは動き、1948年3月18日に秘密裏にワイツマンと45分間会談した。 この会談で、トルーマンはワイツマンにイスラエルを承認することを約束した。 この行為は、通常の外交手続きを完全に飛び越えた異例のものであった。

トルーマン大統領は反対を押し切りイスラエルを承認した

1948年5月12日、トルーマン大統領は最後の会議を開き、マーシャル国務長官が反対する中で、イスラエル承認を支持するホワイトハウスの顧問クラーク・クリフォードと激しい議論が行われた。 マーシャルの副官ロバート・ラベットは、クリフォードの主張をユダヤ人の票を得るための[透明な策略]だと非難した。 しかし、トルーマンは決定を変えなかった。 5月14日午後6時11分にトルーマンがイスラエル承認を発表した時、アメリカの国連代表団は何も知らされておらず、代表のウォーレン・オースティンがその場から立ち去るなど、国連代表団は集団辞職を考えるほどの混乱と衝撃を受けた。 トルーマンが承認を強行した背景には、彼が聖書の預言を信じる敬虔なキリスト教徒であり、ユダヤ人が故郷に戻ることが神の計画の一部であり、自分がその計画を実現する役割を担っていると信じていた可能性があった。

1948年5月14日に特別な関係の基盤が作られた

トルーマンの11分の決断が、アメリカとイスラエルの[特別な関係]の基盤を作った。 1948年から今日まで、アメリカはイスラエルに累計約22兆円以上という世界のどの国よりも多い援助を行っている。 アメリカの政治家はイスラエルを批判できず、批判すれば次の選挙で落とされる構造が、1948年5月14日に始まった。 この支持はもはや止められない構造になっていった。

1973年10月のヨム・キプル戦争で核兵器が準備された

この構造が本当に強固になったのは1973年である。 1973年10月6日、ヨム・キプル〔ユダヤ教で最も神聖な日〕にエジプトとシリアがイスラエルに奇襲攻撃を仕掛け、ヨム・キプル戦争が始まった。 戦争の最初の数日間、イスラエルは劣勢となり存亡の危機に立たされた。 10月8日から9日にかけて、イスラエル政府は最終手段として核兵器の準備を決定し、13発の核弾頭をジェリコミサイルやF4戦闘機に搭載し、発射準備を整えた。 この情報がすぐにアメリカに伝わったことは、モサドの情報機関としての能力から考えて、イスラエルがアメリカに[核を使う準備ができている]と意図的に見せつけたことを意味した。

核の脅威がアメリカの緊急軍事援助を引き出した

国務長官ヘンリー・キッシンジャーからイスラエルが核兵器を準備しているという報告を受けたニクソン大統領は、イスラエルが核兵器を使えば中東全体が核戦争に巻き込まれ、ソ連が介入し第三次世界大戦に発展する可能性を回避するため、[イスラエルを助けろ。 今すぐだ]と命令を下した。 この作戦はニッケル・グラス作戦と名付けられ、10月14日から32日間にわたって、C-5ギャラクシーやC-141スターリフターなどのアメリカ軍の最大級の輸送機が昼夜を問わず飛び続けた。 運ばれた物資の総量は22,325tであり、戦車、戦闘機、ミサイル、弾薬、燃料などあらゆる軍事物資がイスラエルに送られた。

援助はアメリカの軍需産業への資金還流であった

この援助は無償ではなく、アメリカ政府はイスラエルに武器を売った。 イスラエルにはすぐに払える資金がなかったため、アメリカ政府がイスラエルに融資をし、イスラエルはそのお金でアメリカの武器を買い、そのお金はロッキード、ボーイング、レイセオン、ゼネラル・ダイナミクスなどのアメリカの軍需産業に入った。 年間約4500億円の[援助]は、実際にはアメリカの軍需産業への資金還流であり、援助ではなくビジネスモデルであった。

イスラエルはアメリカの最新兵器の実験場となった

イスラエルはアメリカの最新兵器の実験場になっている。 アメリカの軍需産業が開発した新型ミサイル、新型戦闘機、新型戦車は、イスラエルが頻繁に行う戦闘で実戦テストされ、データが取られる。 この実戦データはアメリカの軍需産業にとって何よりも価値があり、改良された兵器は[イスラエルで実戦テスト済み]という宣伝文句で世界中に売られる。 中東が不安定であればあるほど武器が売れるため、アメリカの軍需産業は莫大な利益を得て、中東の不安定はこの共犯関係にある両者にとって利益となる。

1973年以降に援助額が30倍に急増し構造が完成した

イスラエルが核兵器という切り札を使ってアメリカを動かした可能性が存在する。 1973年のあの日、完成したのは従属関係ではなく共犯関係であり、その中でイスラエルの方が主導権を握っていたかもしれないという可能性が示唆された。 1973年以降、アメリカのイスラエルへの援助は恒常化し、1973年以前の年間約150億円程度から、年間約4500億円へと30倍に急増した。 1948年から2020年までの累計約22兆円以上の援助は、表面的にはイスラエルに援助されたが、実際にはアメリカの軍需産業に還流している。 つまり、アメリカ政府は自国の軍需産業に資金を流すためにイスラエルを経由させているというビジネスモデルである。

4400万人の信仰がアメリカの政治を動かしている

小さな国が大きな国を動かす構造は、1917年のロスチャイルド家による土地とインフラの整備、1948年のトルーマンによる国家承認、そして1973年の核兵器という切り札と軍需産業の利益の結びつきによって完成した。 しかし、お金と歴史だけでは説明がつかない要素として、アメリカの人口3億3000万人のうち4400万人の人々が信仰のためにイスラエルを支持している事実がある。 彼らは聖書の預言を信じ、イスラエルという国が存在し続けることがキリストの再臨に必要だと信じているため、イスラエルを守ることは神の意志を実現することだと信じている。 この信仰を持つ4400万人の人々が投票、献金、政治家への圧力をかけるため、アメリカの政治家はこの票を無視できない。 核兵器という脅し、軍需産業の利益、そして4400万人の信仰という三つが結びつき、小さな国が大きな国を動かす構造が完成した。

トランプ大統領のエルサレム首都認定は世界に衝撃を与えた

2017年12月6日、ドナルド・トランプ大統領は、アメリカがエルサレムをイスラエルの首都として認めると宣言し、この宣言は世界中に衝撃を与えた。 エルサレムはイスラエルとパレスチナの両方が首都だと主張している都市であり、国際社会は70年間どちらの首都とも認めてこなかった。 国務省の官僚や国連、同盟国が反対したが、トランプは決断を変えなかった。 その背景には、イスラエルのロビー団体であるAIPACの圧力があったが、より大きな力として、アメリカに約4400万人いる福音派と呼ばれる人々の存在があった。

福音派の終末論シナリオがイスラエル支持の動機である

約4400万人の福音派は聖書を文字通り信じており、世界の終わりのシナリオを信じている。 そのシナリオは、まずユダヤ人がイスラエルに戻ってくること、次にエルサレムがイスラエルの首都になること、そして神殿の丘に古代の神殿を再建すること、その後にイスラエルをめぐって世界最終戦争が起き、キリストが天から降りてくること、最後にユダヤ人がキリストを救世主として受け入れるか死ぬかを選択を迫られることという六つのステップからなる。 福音派にとってイスラエルは愛する国ではなく、キリスト再臨のための舞台装置である。 2020年の大統領選挙では、福音派の76%〔約2500万票〕がトランプに投票したため、トランプはエルサレムを認めた。

終末論は一冊の本から広まり信念となった

この六ステップの終末論シナリオは聖書から直接来たものではなく、1970年春にハル・リンゼイが発表した『地球最後の日』という本から始まった。 リンゼイはソ連は予言されており、核戦争は避けられないが、それは世界の終わりではなくキリストの再臨の始まりだと説いた。 彼が説いたディスペンセーション主義という考え方は、神はユダヤ人に地上でイスラエルという国を建設する役割を与え、キリスト教徒は天国で神と共に統治する役割を与えたというもので、キリスト再臨のためにはユダヤ人がイスラエルに戻り国を建設しなければならないため、キリスト教徒はイスラエルを支援しなければならないという論理であった。 この本は1970年代にアメリカで最も売れたノンフィクション本であり、3500万部以上が売れ、ロナルド・レーガン大統領にも影響を与えた。

メディア帝国が終末論を繰り返し宣伝した

1995年、ティム・ラヘイとジェリー・B・ジェンキンスによる『レフトビハインド』シリーズが出版された。 物語は、キリストを信じる者だけが天に引き上げられるラプチャー〔携挙〕の後、残された人々が七年間の大患難を生き延び、反キリストが現れ、世界政府が樹立され、最終戦争ハルマゲドンが始まるという内容である。 この本は累計販売部数8000万部という爆発的なヒットとなり、16本の映画が作られた。 TBNやCBNといった福音派のテレビネットワークは24時間福音派の番組を放送し、レフトビハインドを繰り返し宣伝した結果、繰り返される終末論のメッセージが信念となった。 2006年にジョン・ヘイギー牧師が設立したCUFI〔イスラエルのために団結するキリスト教徒たち〕は会員数1000万以上であり、ヘイギーはイスラエルに累計約120億円以上を寄付している。 ヘイギーはイスラエルを支持しているが、同時に反ユダヤ的な発言もしており、これは彼がユダヤ人を愛しているのではなく、自分たちのキリスト再臨のためにイスラエルが必要なだけだからである。

シオニストと福音派という二つの層がイスラエルを支持する

支配層との関係には二つの層が存在する。 第一の層はシオニストと呼ばれる人々であり、AIPACはこのシオニストの組織である。 シオニズムは19世紀末に始まった、ユダヤ人が国を作るべきだという世俗的な政治運動である。 アメリカには約750万人のシオニズム支持者がおり、全人口の2%程度であるが、彼らは政治、メディア、金融の分野で大きな影響力を持っている。 第二の層はキリスト教福音派であり、約4400万人のキリスト教徒がおり、全人口の13%である。 彼らは票という形で影響力を持っている。 シオニストは政治的理由、キリスト教徒は宗教的理由〔キリスト再臨〕と動機は違うが、結果は同じで両方ともイスラエルを支持している。 イスラエル政府はAIPACからお金と政治的圧力を得て、福音派からは2100万票を得て、両方を利用していることが、小さな国が大きな国を動かす構造の全体像である。

イスラエル政府は福音派をターゲットにしたキャンペーンを行う

イスラエル政府は2025年に、この構造をさらに強化するため、[Show Faith by Works]という米国西部の福音派キリスト教徒をターゲットにしたイスラエル支持キャンペーンに約6億円を投じた。 この内容は、カリフォルニア、テキサス、アリゾナ、コロラドにある福音派の教会に、見えないフェンスを張り巡らせ、教会に入った人々のスマートフォンを自動的に識別し、[イスラエルを支持しなさい][イスラエルに寄付しなさい]というメッセージを送るというものである。 イスラエル政府は今この瞬間もアメリカの教会に通う人々を監視し、プロパガンダを送り込んでいる。 この終末論は1970年から50年かけて、本、映画、テレビ、牧師たちを通じて広められてきた作られた信仰である。

イスラエル批判は仕事を失うタブーである

アメリカは言論の自由を誇る国であるが、ある話題だけは誰も語らず、ジャーナリストもハリウッドスターも政治家も沈黙している。 なぜなら、声を上げた瞬間、仕事を失うからである。 2020年9月、女性ジャーナリストのケイティ・ハルパーは、ザ・ヒルというメディアでイスラエルをアパルトヘイト国家と呼ぶべきだというモノローグを準備したが、編集長に[イスラエルについての意見は禁止だ。 新しい方針だ]と言われ放送されず、彼女は解雇された。 ザ・ヒルは2021年にネクスター・メディア・グループに買収されており、そのネクスター・メディア・グループにはイスラエル最大の武器会社エルビット・システムズの主要株主であるイスラエルのプサゴット・ホールディングスという投資会社が株主として参加していた。 イスラエルの武器産業がアメリカのメディアに影響力を持っているため、ケイティの解雇は偶然ではない。

ハリウッド俳優もブラックリスト入りを恐れて謝罪した

2017年7月、オスカー俳優のペネロ・ペクルスとハビエル・バルデムは百人のスペイン映画界の著名人とともにイスラエルのガザ攻撃を批判するオープンレターに署名した。 その瞬間、ハリウッドトップエグゼクティブたちは激怒し、二度と彼女を雇わない、彼らと再び仕事をするかわからないという匿名コメントが出た。 ハリウッド・レポーターは2人がハリウッドのブラックリストに載る可能性があると報じ、2人は謝罪声明を出し圧力に屈した。 一人を罰することで千人が黙るという見せしめの効果により、ほかの人々は自分で黙り、自己検閲が始まるという恐怖の仕組みが機能している。

オバマ大統領でさえAIPACの圧力を感じていた

この構造は政治家にも及んでおり、バラク・オバマ元大統領は回顧録『A Promised Land - Barack Obama』の中で、イスラエルの政策を強く批判したものは[反イスラエルあるいは反ユダヤ主義とタグ付けされるリスクがあり、次の選挙で資金豊富な対抗馬と対峙することになった]と書いている。 オバマが大統領であったにもかかわらずAIPACの圧力を感じていた。 オバマがイスラエル入植地建設の凍結を求めた時には、ホワイトハウスの電話が鳴り止まなくなり、国家安全保障チームのメンバーたちは、議員、ユダヤ人、組織のリーダー、著名な支持者、報道関係者からの電話に対応しなければならなかった。 オバマは、ネタニヤフが仕組んだこのノイズが[私たちを守勢に立たせるという意図した効果を発揮した]と書いている。

三者の連携が完璧な支配の形を作り上げている

この構造を支えているのは三者の連携である。 第一に、イスラエル政府であり、AIPACを通じて政治家に圧力をかけている。 第二に、イスラエルの武器産業であり、プサゴット・ホールディングスやエルビット・システムズのような企業がアメリカのメディアに影響力を持っている。 第三に、アメリカの金融機関であり、ブラックロック、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックスといった世界最大級の金融機関がイスラエルに80億ドル〔約一兆2000億円〕の債券を提供している。 これらの金融機関のトップたち、スティーブン・シュワルツマン〔ブラックストーン創設者、600万ドル(約9億円〕寄付)、ロイド・ブランクファイン〔ゴールドマン・サックス元CEO〕、ジョシュ・ハリス〔アポロ・グローバル・マネジメント創設者〕はAIPACに巨額の寄付をしており、金融と政治の両方でイスラエルを支えている。 イスラエル政府、イスラエルの武器産業、アメリカの金融機関の三者が連携し、メディア、ハリウッド、政治のすべてを押さえ、誰も命令や脅迫をしていないにもかかわらず、[これを言ってはいけない]と誰もが知っている完璧な支配の形が成立している。

恐怖こそがこの構造を支える基盤である

人類の集合意識がこの構造を作り出したため、私たち一人一人がこの構造に何らかの形で関わっている。 人類は今、恐怖と信仰をどう扱うかという学びの段階にいる。 4400万人の福音派が信じる終末論という信仰は、核戦争や世界の混乱への不安という恐怖に基盤を持ち、[すべては神の計画だ]という答えが与えられたため、人々は作られた信仰を受け入れた。 恐怖は答えを求めるため、たとえその答えが作られたものであっても、答えが与えられれば人々はそれを信じる。 恐怖こそがこの構造を支えている基盤である。

恐怖がジャーナリストや政治家を黙らせている

この構造はメディアのタブーにも表れており、ジャーナリストは仕事を失う恐怖に、ハリウッドスターはブラックリストに載る恐怖に、政治家は次の選挙で落選する恐怖に怯えている。 恐怖が人々を黙らせており、一人を罰することで千人が黙るという見せしめの効果により、自己検閲が始まっている。 この恐怖から自由になることは可能である。

最初の実践は情報を受動的に受け取らないことである

恐怖から自由になるための最初の実践は、情報の選択を意識することである。 メディアで見る情報は、ケイティ・ハルパーの解雇の事例が示すように、既に誰かの意図によって選別されたものである。 情報から自由になるためには、一つのメディアだけに頼らず、複数の視点〔主流のメディア、独立系のメディア、報道されていないこと〕から情報を集める必要がある。 そして[なぜこれは報道されているのだろう][なぜあれは報道されていないのだろう]と問いかける意識が、受動的に情報を受け取るのではなく、能動的に情報を選び取る意識を生み、人を自由にする。

第二の実践は恐怖ベースの信仰から愛ベースの意識への移行である

恐怖から自由になるための次の実践は、恐怖ベースの構造から愛ベースの意識へと移行することである。 4400万人の福音派の終末論信仰は[イスラエルを守らなければ、キリストは戻ってこない]という恐怖に基づいているが、キリストの教えの本質は愛、赦し、慈悲であり、本来の宗教の教えである愛と平和が歪められて、恐怖と支配の道具に変えられた。 恐怖ベースの信仰から愛ベースの意識へと移行するためには、毎日5分間静かに座り、自分の内側に意識を向け[私は何を恐れているのだろうか]と問いかけ、その恐怖をただ観察する。 そして[あなたは私を守ろうとしてくれているのですね。 ありがとう。 でも、もう大丈夫です。 私は恐怖でなく、愛を選びます]と語りかける。 この実践により、内側の恐怖が溶け、誰かの作った信仰に縛られることなく、あなた自身の真実に従って生きることができるようになり、外側の構造に支配されなくなる。

集合意識を変えることは可能である

最後の実践は、集合意識に影響を与えることである。 これまで見てきた構造は集合意識が作り出したものであり、量子の原理と同じく、一人一人の意識が変われば、集合意識も変わる。 その方法として、以下の三つのステップがある。 〔1〕まず、あなた自身が真実を知り、恐怖から自由になる。 〔2〕次に、あなたの周りの人々と批判や攻撃ではなく、理解と愛を持って穏やかに対話する。 〔3〕そして、感謝、喜び、愛、平和、慈悲といった高い周波数の感情を保つ[波動を高く保つ]ことである。 毎日、感謝できることを三つ見つける実践を続けると波動が上がり、その波動は伝播し、周りの人々の波動も上がり始めるため、一人一人が意識を変え、波動を高めることで、集合意識全体が変わっていく。

魂は真実に触れた瞬間目覚め再び眠ることはない

核兵器、お金、作られた信仰、メディアのタブーという真実に触れた瞬間、魂に眠っている真実を見抜く力、嘘を感じ取る力、恐怖から自由になる力が目覚める。 目覚めた魂は地球全体に光の点として現れ始めており、この光の点は十年前はわずかであったが今何百万もの光が灯っている。 目覚めた魂は本来の自分、つまり本来自由で愛であり光である状態に戻っただけであり、恐怖がその光を覆い隠していた。 恐怖の一部を手放したことで光が輝き始めた。 恐怖はまだあり構造も残っているが、見るようになったため、見えない鎖は壊れ始めており、構造の奴隷ではない。

新しい時代のエネルギーへの移行が地球で起きている

地球は今、古い時代のエネルギーと新しい時代のエネルギーがぶつかり合う大きな転換期にある。 古い時代は、恐怖と支配のエネルギーであり、力、秘密、分離で真実を隠し、人々を孤立させるエネルギーである。 新しい時代は、愛と自由のエネルギーであり、真実、透明性、すべてが繋がっていることを知るエネルギーである。 この二つのエネルギーの戦いは個人の内側でも起きているが、魂はすでに古いエネルギーではなく新しいエネルギーを選択している。 光の道を歩む人は、感謝から始まり、意識的に生きるだけであり、この意識的な生き方が世界を変える。

意識的な生き方が現実を創造する

プレアデスの古い教えに[一人の魂が目覚めると、千の魂が揺さぶられる]という言葉があるように、あなたが変わればあなたのまわりの人々も変わり始める。 教師になる必要はなく、ただ生きた例になってください。 地球の未来は新しい時代が必ず来ることで決まっているが、[いつ]来るかを決めるのはあなたのような一人一人の魂である。 あなたが恐怖を手放せば、真実を語れば、毎日愛を選べば、新しい時代はその分だけ早く来るため、あなたの選択が地球の未来を作っている。

毎朝唱える言葉が波動を上げる

毎朝、心の中で以下の言葉を唱えることが、波動を上げ、現実を変える贈り物である。

私は光です。
私は真実です。
私は愛です。
私は自由です。
私の光が世界を照らします。
私の真実が嘘を明らかにします。
私の愛が恐怖を溶かします。
私の自由が鎖を断ち切ります。
私は一人ではありません。
私はすべてと繋がっています。
私は新しい世界を創る者です。

あなたの光が世界を照らし、愛が地球を包み、真実が新しい時代を作ることを願っている。