政府を無視して、コメを増産する[勝手農]を私自身は推奨する
- もう政府を信じる必要はない。
- 自分が直感として感ずるままに行動する必要がある。
- 誰からも指示を受けず、自分の思うがままに行動せよ。
食料供給困難事態対策法の制度趣旨と期待される効果
■【デマ撲滅!】食料供給困難事態対策法を「わかりやすく」「きちんと」解説します!
この動画の論者からの視点をまとめたもので、絶対に正しいとは言い切れない。
この論者は、この論点を論ずるのに、十分なだけ知的ではないように思う。
そもそも、1つの事象には、光と闇と影が必ずある。
食料供給困難事態対策法が農家を統制する側面を、この論者は完全に無視して、それをデマだと言い切っている。
それに、そもそも危機対応は現場を直接見た人が、その場で考えたほうが合理的なのに、[法律に基づき中央が決定して]という迂回路を通している時点で、危機対応として誤っている。
つまり、細かい点はさておき、マクロ的視点からして、食料供給困難事態対策法のような法令に基づき、現場を知らぬ中央が判断・決断する、このやり方では危機対応にならない。
指示に従うようなやり方で対応できるわけがない。
このあたりに、この論者の意識レベル・知力の限界があるように感じられる。
現場に権限をもたせる、分散型による対応でなければ、実効的な危機対応にはならないであろう。
制度趣旨
- 食料供給困難事態対策法は、既存の配給制関連法〔物価統制令、国民生活安定緊急措置法など〕とは異なる次元の法律として位置づけられる。
- 食料供給困難事態対策法の主要な制度趣旨は、食料危機が発生し飢餓状態に陥る前に、食料安全保障上必要な布石を打つことにある。
- 既存の配給制関連法は、食料不足が深刻化し国民生活が不安定になった危機発生後に、価格統制や配給制を導入するためのものである。
- これとは対照的に、食料供給困難事態対策法は、危機に至る前の[兆候段階]から政府が機能し、危機そのものを回避、またはその影響を最小限に抑えることを目的としている。
期待される効果
食料供給困難事態対策法の導入により、以下の効果が期待される。
- 早期の情報収集と対応体制の確立
- 食料危機発生の兆候段階において、各業者や生産者から生産・輸入・流通の計画数量を提出させることが可能となる。
- これにより、政府は食料の不足量を早期に正確に把握し、迅速な対策本部設置と作戦立案のための根拠を得る。
- 兆候段階から出荷・販売数の調整、輸入・生産の促進要請といった、ドストライクな対策が可能となる。
- 食料生産の促進と調整
- 飢餓状態に至る前、または飢餓のリスクが高まった場合に、罰則なしの計画変更指示〔例:高カロリー作物への転換、休耕地の活用〕により、食料生産を促進・調整するシステムが構築される。
- この指示は、あくまで可能な者に対して行われるものであり、過度な強制を避ける。
- 生産者に対して財政上の措置〔資金援助など〕も明記されており、生産促進を後押しする。
- 飢餓・配給制への移行回避
- 最も重要な効果は、飢餓や戦時中のような配給制への移行を回避するための布石となる点である。
- 危機が深刻化する前に、流通の適正化〔売り惜しみ防止〕や数量の把握・調整を行うことで、食料の絶対量不足による飢餓の発生を防ぎ、国民生活安定緊急措置法に基づく強制的な配給制の導入を遠ざける。
論者〔高岡氏〕が見落としている重要ポイント
1. [兆候段階]での発動の難しさと遅延リスク
論者は本法の最大の利点として、食料危機発生の[兆候段階]で迅速に対策本部を設置し、情報収集や要請を行える点を挙げている。 しかし、以下のような理由から、この[兆候段階]での早期発動は極めて難しい。
- 政治的判断のハードル:[兆候段階]は、まだ国民が飢餓に陥っていない、危機が迫っている[かもしれない]段階を指す。 この曖昧な段階で、政府が経済活動に影響を及ぼす法律〔計画提出の義務化や変更指示など〕を早期に発動することには、与野党からの批判や経済界からの反発など、極めて高い政治的リスクが伴う。
- 判断の遅延:政治的リーダーシップが[注視]から[発動]に切り替わるには、国民生活に具体的な被害が出始めるまで待たされる可能性が高い。 結果的に、本法があるにもかかわらず、発動は[兆候段階]ではなく、旧法が発動されるような[困難な事態]の直前まで遅れるリスクがある。
- 法律発動の前提:法律は自動で発動せず、行政機関の[食料供給困難事態]の認定と、それに基づく内閣の閣議決定が必要である。 この手続きに時間を要するため、論者が期待する[迅速さ]が失われる可能性がある。
2. 計画数量把握の実効性
論者は本法により[国全体の食料の数量が把握できる]点を高く評価している。 しかし、この情報収集の実効性には疑問が残る。
- 提出情報の信頼性:生産者や輸入業者から提出される[予定数量]が、危機が迫る中で正確に提出される保証はない。 業者側が今後のリスクを見越して、意図的に生産計画や輸入計画を少なく見積もって提出する可能性もある。
- 国内の在庫把握の限界:本法は、将来の生産・輸入計画の提出を義務付けるものであり、国内に既に存在する在庫量や流通状況〔どこにどれだけ隠されているか〕をリアルタイムで正確に把握するには限界がある。 売り惜しみ業者を罰する規定はあっても、その在庫を[がっつり調べられる法律]がないという問題は、本法をもってしても完全には解消されない。
3. 旧法と比較した際の[指示]の相対的な弱さ
論者は、本法が旧法と異なり[罰則なしの指示]である点を[弱い法律]と説明し、その[弱さ]が強制的な社会主義国家のイメージを払拭すると主張する。 しかし、その[弱さ]は危機対応における致命的な欠陥にもなり得る。
- 生産促進の実効性:[可能な人にしか指示しない][罰則がない]という規定は、危機対応においては極めて[弱い]。 正当な理由なく指示に従わない業者を公表する仕組みはあるが、それが[芋を作れ]という緊急の国策を実現させる強制力を持つかは疑問が残る。
- 旧法発動への依存:最終的に飢餓が避けられない事態になった場合、政府はより強制力の強い旧法〔国民生活安定緊急措置法など〕の発動に頼らざるを得なくなる。 本法はあくまで[布石]であり、その布石が機能しないときには、論者が回避したい[戦時中のような配給制]への移行が、かえって不可避になるという、皮肉な現実を見落としている。
中央集権的な危機管理体制が抱える根本的な誤り
本法が中央集権的であることの[根本的な誤り]は、以下の点に集約される。
1. 現場情報の[粒度]と[鮮度]の欠如
食料生産や流通は、地域ごとの気候、土壌、水利、特定の病害虫の発生、輸送インフラの状況など、極めて詳細でリアルタイムな[現場の情報]に依存する。
- 中央の限界: 中央政府が把握できる情報は、どうしても[数量の集計]や[大まかな計画]といった粗い粒度になる。 現場の農家や流通業者が持つ[どの畑なら、何を、どう作れるか]という具体的なノウハウと判断を、中央の指示が代替することはできない。
- 指示の非効率: 中央からの[芋を作れ][二期作を行え]といった指示は、現場の条件〔例:水はけの悪い土地、労働力不足〕を無視した非効率的または実行不可能な命令になりがちである。
2. 危機対応の[迅速性]の喪失
論者は本法が[迅速]であると期待するが、現実には中央集権的な意思決定プロセスが迅速性を損なう。
- 情報の伝達遅延: 現場で問題が発生してから、その情報が中央に上がり、中央で判断されてから、再び[指示]として現場に降りてくるまでには、必ずタイムラグが生じる。
- 判断の硬直性: 中央の対策本部は、状況の変化に応じて柔軟に判断や方針を修正することが苦手である。 硬直化した中央の指示が、刻々と変わる現場の危機的状況に対応できない。
3. モチベーションとイノベーションの阻害
生産者や流通業者は、自身の専門知識に基づいて[今、何を作るべきか][どこに、どう流通させるべきか]を判断する。 中央の指示は、この現場のモチベーションと自律的な判断を阻害する。
- [やらされ感]: 罰則がなくても、中央からの指示や義務化は、生産者に[やらされ感]を与え、自主的な増産や工夫といった現場のイノベーションを阻害する可能性がある。
- 知識の無視: 現場の農家は、長年の経験から[この時期に何を植えるべきか]を知っている。 中央の指示がその知識を上書きしようとすると、かえって生産効率や品質の低下を招く。
本法が回避すべき[根本的誤り]の代替案
中央集権的な体制の誤りを避けるには、本法の機能を[指示]や[義務]から[調整]と[支援]にシフトする必要がある。
| 課題 | 中央集権的な本法の誤り〔現状の懸念〕 | 代替案〔現場主義に基づく提案〕 |
|---|---|---|
| 生産 | 中央からの[計画変更指示]〔上意下達〕 | 地域レベルの意思決定機関に権限を委譲し、地域ごとの専門家が判断する。 |
| 情報 | 中央への[数量の提出義務]〔集計のみ〕 | 現場主体の情報共有プラットフォームを構築し、中央は全体傾向のモニタリングに徹する。 |
| 流通 | 中央による[流通の適正化]〔硬直的な統制〕 | 地域間の流通の不足を補うための支援〔輸送費補助、広域調整〕を中央が行う。 |
本法は[政府全体の体制整備]という点で評価できるが、その発動後の具体的な措置は、現場の知恵と自律性を尊重する分権型・支援型の体制へと進化しなければ、論者が指摘する[根本的な誤り]から脱却し、真の実効性を持つことは難しいと言える。
【デマ撲滅!】食料供給困難事態対策法を[わかりやすく][きちんと]解説する
■【デマ撲滅!】食料供給困難事態対策法を「わかりやすく」「きちんと」解説します!
食料供給困難事態対策法は既に存在する配給制の法律とは異なる
食料供給困難事態対策法がSNSやインターネットで話題となっているが、配給制が始まるとか農家を奴隷にする悪い法律だという批判がある。 しかし、食料供給困難事態対策法が存在しなかったとしても、既に別の配給制ができる法律が存在する。
増産要請や指示への対応は罰則のない計画提出が主体となる
食料供給困難事態対策法では、国からの増産要請や指示に従わなくてもよい。 今後どれだけ作るかという計画書を出すだけで、罰則はない。 罰則付きの法律ではあるものの、罰則は罰金20万円程度である。 計画書を提出しない場合にのみ、罰則が適用される。 農家など生産に携わる方々が感じる国からのいじめ感は理解できる。 法律の内容や基礎を理解した上での批判が必要である。
法律がない場合に食料危機が訪れる状況をシミュレーションする
食料供給困難事態対策法がない状態で本物の食料危機が来てしまうと、かえって困ったことになる可能性がある。 食料供給困難事態対策法案の条文や政府の資料を読むと、事態がより悪化することが感じられる。 法律の内容を理解した上での批判や意見は歓迎するが、まずは法律がない場合の食料危機発生シミュレーションを聞くことが重要である。
発生シミュレーションは第1段階から第4段階の構成を持つ
食料危機発生シミュレーションは、第1段階から第4段階までの段階を追って話が進む。
- 第1段階は平時であり、平和な時からスタートする。
- 第2段階は食料が不足する兆候が出始める。
- 第3段階は食料供給が実際に減少し困難な状態となる。
- 第4段階は飢餓が発生し、日本人の必要なカロリーベースを下回る。
食料自給率が低い日本に異常気象などのニュースが舞い込む
この世界線の日本は、食料自給率がカロリーベースで38%しかなく、輸入によって平和な日々が続いていた。 令和6年6月、食料供給困難事態対策法は国会で否決され、法律は成立しなかった。 令和X年の夏に、異常気象が世界中で発生し、世界中の穀物作物の育ちがかなり悪いというニュースが舞い込む。 これは、家畜の伝染病や戦争など、食料供給が届かないパターンでも同様である。
第2段階の兆候が表れても政府は事態を注視するのみである
ニュースによると、秋頃には世界全体で食料がかなり不足する可能性が出てきたと報じられ、第2段階の兆候に入る。 SNSやインターネットでは、秋に食料危機が起きるという噂や有識者の意見が出始め、政府が早めに動く必要性が国民の間で認識される。 これに対し総理大臣は、国会で[事態を引き続き注視してまいります]とコメントするのみである。
法律がない状況ではすぐに対応できる準備と時間がない
例の法律である食料供給困難事態対策法を否決したため、法律がない状態では食料危機にドストライクで対応できる準備がない。 食料危機という状態に対して、どのような体制でどう対応していくかをこれから考えなければならない。 今さら法律を作る時間はないため、立法が不要な範囲で、今ある法律で何とか対応する形になる。
食料供給困難事態対策法があれば兆候の段階から対策本部を設置できる
もしこの段階で食料供給困難事態対策法があれば、あらかじめ決められた対策本部をすぐに設置できる。 また、兆候の段階から、業者などに対して出荷や販売数の調整、輸入や生産を促進する要請を法律に基づいてきちんと出せる。 公務員が仕事をするには法律の根拠が必要であり、対策本部も決まっていて要請ができる根拠法があることは非常に重要である。
法律がない場合は対応が遅れるため初期対応の迅速さに差が出る
法律がない世界線では、事態を注視した後、かなり遅れて今ある法律の中で対策本部のようなものを作り、総理というか内閣から各業者に[いっぱい食べ物を出してね][いっぱい食べ物を作ってね]というお願いベースの要請が発出されるだろう。 法律が出だしにちゃんとある場合とない場合では、初期対応の迅速さに差が出てくる。
国全体で食料不足しかけている状況に政府が機能する根拠法が必要である
個人的な感想としては、食料危機にドストライクに対応する法律があり、兆候の段階からお役人が動ける方がよいと考える。 日本国内の状況はさらに悪化し、秋が近づくにつれて世界的な食料不足が現実味を増し、テレビや新聞での報道も増え、第3段階に進む。
一般市民による買い占めと業者側の売り惜しみが始まる
SNSやインターネットでは食料危機ネタが増え、備蓄をしている人たち以外の一般の人にもニュースが届き始める。 [このままでは食べ物が消える]という不安が広がり、一般市民の消費者による買い占めが一気に始まる。 第3段階である食料供給が困難な事態に突入する。
コロナ禍のマスク騒動と同様の行列や個数制限が発生する
多くのお店では、コロナ禍でマスクで並んだのと同じように行列に並ばないと食べ物が買えない。 あるいは並んで買えたとしても個数制限がかかるようになる。 最新のニュースによると、国内への食料供給量、すなわち輸入分と国内生産分の合計が、昨年より2割以上減るという話になる。
食料供給困難事態では流通業者が値上がりを見越して売り惜しみを始める
国内への食料供給量が2割以上減ると、食料供給困難事態として認定される基準の1つとなる。 この情報が出回ると、国内流通業の一部の方々が将来の値上がりを見越して、売り買いを始めてしまう。 物はあるのに業者が売るのをやめる、または売る量を減らす売り惜しみも発生する。
買い占めと売り惜しみで店頭の食料は減り価格は高騰する
一般市民による買い占めと、業者側の売り惜しみという両面が発生することで、国内に流通し店で売られる食料はどんどん減っていく。 お店に商品が全然ない状況になり、あったとしても値段が非常に高くなる。 国内の在庫はまだあるはずなのに、このような状況になってしまう。
国民の声に対し政府は流通状況を調べられないと回答する
国民からは[国内に在庫があるはずなのに、国民の手元に回るように何とかしろ]という声が上がる。 これに対し政府は、[国内の食料の販売や出荷の流通状況をがっつり調べられる法律がないため、すぐに対応できず、よくわからない]という反応になる。
政府は輸入量や生産量も推測しかできない状況である
国民から[せめて将来の食料の生産数や国外からの輸入の数量ぐらいは把握しろ]という声が出ても、政府は[ダイレクトに対応する法律などがないため、過去の実績などに基づいた推測ぐらいしかできない]と答える。 国内の在庫量、流通量、輸入予定量、生産量の実態をすぐに把握できない状況となる。
食料供給困難事態対策法があれば計画の提出が義務化され数量が把握できる
食料供給困難事態対策法があれば、各業者や生産者が計画を提出することが義務化される。 計画を出さなかったら最大で20万円の罰金という罰則はついているが、この仕組みにより国全体の食料の数量が把握できるため、政府が作戦を立てやすくなる。
無理な計画の強制や増産しないことへの罰則はデマである
計画の提出に関して、[無理な計画を強制される]という情報があるが、例えば水田の農家に[今すぐ土で埋めて芋を作れ]といった無理な方向転換をさせる法律ではない。 また、[増産しないと政府に罰せられる]という情報もデマであり、法律案には書かれていない。 政府は予定される数量を把握したいだけで、増産しなくても問題ない。
計画通りではないことへの罰則も誤解であり数量を出すだけでよい
[計画通りじゃないと罰則]という情報も嘘であり、予定より量が減っても問題ない。 自分の去年の実績と同じベースでいいから、数量の計画書を出すだけでよい法律であり、無茶な要求をさせる法律ではない。 国全体で食料が不足しかけている段階で、政府が機能する前提であれば、食料の数量が把握できた方が作戦が立てられる。
供給量の減少により飢餓が発生する第4段階に突入する
日本への輸入がさらに減り、供給量が減って事態は深刻になっていく。 国内の食料が本気で枯渇し始め、1人1日あたりのカロリーベースで1850キロカロリー以下という水準が現実になってくる。 これは国が検討している飢餓の基準値を下回ることを意味する。
飢餓状態の発生で貧困層を中心に食料不足が広がる
右上についに第4段階である飢餓が発生したことが表示される。 飢餓状態が広がり、特に貧困層を中心に食料が不足し、[今日の食事がない][お腹が空きすぎて動けない]といった人が出てくる。
政府はぼったくり価格を撲滅するため2つの法律を出す
事態を重く見た政府は、過去の法律を出して有効な対策を打とうと、ぼったくり価格〔適正価格を大幅に超えた価格〕を撲滅するため2つの法律を出してくる。
- 物価統制令〔昭和21年制定〕は戦後の闇市を取り締まるための法律である。
- 国民生活安定緊急措置法〔昭和48年制定〕はオイルショック後のトイレットペーパー騒動の際にできた法律である。
法律により価格は国が決め差額は国が徴収できるようになる
上記の2つの法律を使うことによって、価格は国が決定できるようになる。 例えば、[この食品は100円]と国が決め、150円で売ったら差額の50円は国が後で徴収する。 つまり、価格を安定させる方向で動くことになる。
政府は売り惜しみ業者を撲滅するために法律を出してくる
政府は価格統制だけではなく、売り惜しみ業者を撲滅するためにも法律を出してくる。 その法律は生活関連物資等の買占め及び売り惜しみに対する緊急措置に関する法律〔昭和48年制定〕である。
法律により売り惜しみをした者には罰金が科されることになる
この生活関連物資等の買占め及び売り惜しみに対する緊急措置に関する法律により、売り惜しみをすると罰金や懲役が科されることになる。 これは、食料供給困難事態対策法がない世界線で政府が最後の手段として過去の法律を持ち出してきて対応しようとした流れである。
食料供給困難事態対策法には流通の適正化を図る仕組みが含まれる
食料供給困難事態対策法がもしあれば、法律案には流通の適正化を図る仕組みがあらかじめ入っていた。 食料供給困難事態対策法には、売り惜しみなどを撲滅する規定も入っている。 食料供給困難事態対策法があれば、迅速に動けるし、より効果的でドストライクな対策ができる。
食料供給困難事態対策法がない場合政府の対応は一歩遅れたものとなる
食料供給困難事態対策法がない世界線では、政府の対応は一歩遅れたものになる。 飢餓がすでに発生し、国民生活が不安定になった状況で、初めて過去の法律を持ち出すことになった。 食料供給困難事態対策法が事前に準備されていることの重要性がこのシミュレーションから示唆される。
法律がない場合でも配給制の布石となる法律は存在する
今回の食料供給困難事態対策法がない世界線でも、最終的には物価統制令や国民生活安定緊急措置法といった法律を政府は使ってくる。 これらの法律は配給制の布石となる法律であり、食料供給困難事態対策法がないからといって配給制が完全に回避されるわけではない。
食料供給困難事態対策法は配給制を回避するための布石となる
食料供給困難事態対策法は、配給制を回避するための布石となる法律であるという見方ができる。 事前に対策本部や情報収集の仕組みを用意することで、飢餓や配給制に至る前に事態を収束させる可能性を高めるものと考えられる。
法律を理解し議論することが国民の食料安全保障に役立つ
食料供給困難事態対策法は、政府が機能するという前提であれば、食料安全保障上意味のある法律であると考えられる。 食料供給困難事態対策法に対する批判も重要であるが、まずは内容を理解し、建設的な議論をすることが、国民全体の食料安全保障に役立つだろう。
配給制につながる既存の法律は食料危機発生時には既に存在した
食料供給困難事態対策法がない世界線においても、飢餓が発生する第4段階の状況になると、政府は物価統制令〔昭和21年〕や国民生活安定緊急措置法〔昭和48年〕といった法律を使ってくる。 特に国民生活安定緊急措置法には、困った事態になった場合に配給制や割当てができると書かれている。 食料供給困難事態対策法のせいで配給制が始まると煽る意見は事実と異なる。 配給制の布石となる法律は、今回の食料供給困難事態対策法とは無関係に元々ずっと前から存在している。
食料供給困難事態対策法がない世界では飢餓発生後に過去の法律による対応となる
食料供給困難事態対策法がない世界線では、飢餓状態が広がり、国民生活が不安定になった状況で、初めて政府が過去の法律を持ち出して対応を試みることになる。 政府は、適正価格を大幅に超えたぼったくり価格を撲滅するため、物価統制令と国民生活安定緊急措置法を使い、価格を国が決定できるようにする。
飢餓状態では在庫の絶対量が不足し価格統制だけでは解決しない
政府は売り惜しみ業者を撲滅するため、生活関連物資等の買占め及び売り惜しみに対する緊急措置に関する法律〔昭和48年〕も出す。 この法律により、売り惜しみをすると罰金や懲役が科される。 しかし、第4段階の飢餓状況では、在庫そのものの絶対量が不足しており、価格を下げ在庫をすべて市場に出したとしても、国民の飢餓状態は変わらない。
配給制は旧法により実施可能であり食料供給困難事態対策法とは無関係である
国民生活安定緊急措置法により、政府は配給制と割当てを開始し、日本は戦時中のような配給性の社会に逆戻りしてしまう。 食料供給困難事態対策法は、配給性の話など中に1個も書いていないため、食料供給困難事態対策法の有無とは無関係に旧法によって配給制が始まる。
食料供給困難事態対策法は食料の数量把握と生産促進に役立つ機能を持つ
食料供給困難事態対策法があった場合のポイントは3つある。
- 配給制とは無関係の法律である。
- 配給制が旧法で実施される場合、各業者や生産者から計画を提出させる仕組みにより、配給に必要な食料の数量把握に役立つ。
- 食料生産を促進する機能を持つ。
食料供給困難事態対策法における生産促進は計画の変更指示と財政措置で行われる
食料生産の促進は主に計画の変更指示によって行われる。 第4段階で飢餓が始まった状況では、政府は各生産者の計画書を見て、もっと作れるはずだという伸びしろがあるところに対して変更指示をかける。
作物変更や休耕地の復活といった生産変更の指示が出される
農業の場合では、カロリーが取れる作物に変えさせる作物変更の指示が出される。 例えば、キュウリなどではなく、芋やカボチャといった作物を作らせる。 また、春と夏しか畑を使っていない場合は秋と冬も使って何か作れという二作の指示や、使ってない畑を耕して作れという休耕地の復活の指示が来る。
変更指示は可能な人に限られ罰則もない比較的弱い法律である
この変更指示は、政府の資料により可能な人にしか指示しないと明記されている。 果樹園を無理やり芋畑にさせるような無理な計画の強制ではない。 また、指示に従わなかったからといって罰則はない。 指示に従わなかった場合に名前などを公表される仕組みはあるが、拘束力があるような法律ではない。
食料供給困難事態対策法は緊急事態に対応するためのシステムと財政措置を明記する
食料供給困難事態対策法は、無理がない範囲で食料を作ってもらうための促進するためのシステムとして機能する。 さらに、財政上の措置、すなわち政府がお金を出すことも明記している。 制度上は無理がない範囲で、できる人に対して計画の変更指示を出させてほしいという法律である。
食料供給困難事態対策法は飢餓に至る前に事態を収束させる可能性を高める
食料供給困難事態対策法は、食料危機という国家の緊急事態において、国が生産、輸入、流通の計画数量を各業者に提出させ、作戦を立てることを義務付ける。 それでも不足の場合には、対応できる人だけに対して罰則なしの計画変更指示をする、比較的弱い法律である。 食料供給困難事態対策法の方向性自体は、食料危機に対し数量を掴んで対応していこうという点で間違っていない。
食料供給困難事態対策法は社会主義国家のような処罰を強制するものではない
食料供給困難事態対策法は、社会主義国家のような[国家に従わなければ処罰する]というようなノリの法律とは計量が異なる。 本気で飢餓状態の日本において、広くて良い土壌の畑で花を作り続けているような業者や、毎日漁に出れるはずなのに3日に1度しか漁に出ないような水産系の会社に対しても、処罰ではなく指示しかできない。
法律内容を理解し建設的な議論をすることが国民の食料安全保障に役立つ
食料供給困難事態対策法は、政府が機能するという前提であれば食料安全保障上意味のある法律である。 反対意見も重要だが、まずは法律の条文や政府の資料を読む限りでの内容を理解し、建設的な議論をすることが国民全体の食料安全保障に役立つ。