習近平国家主席による軍部のトップや側近の粛清|政府批判をした馬雲〔ジャック・マー〕は粛正された|浙江財閥と習近平は、かつては協調していたけれども、現在は対立している
習近平国家主席による軍部のトップや側近の粛清は、軍部の実質的な支配者である張又侠との権力闘争による静かなクーデターであり、軍が台湾侵攻に反対して習近平の命令に従わない結果、台湾侵攻リスクは低下したが、中国国内での内戦リスクが高まり、この背景には世界の半導体産業を支配する浙江財閥の存在がある。 台湾の半導体企業TSMCの背後には浙江財閥が存在する可能性があり、この財閥は習近平の権力基盤であったが、馬雲〔ジャック・マー〕が習近平の国家統制路線を批判した直後に、激怒した習近平が馬雲〔ジャック・マー〕を粛清し、支配層間の争いによる中国の内戦リスクの高まりに対して、民衆は縦の支配構造を理解し、冷静な準備と小さな選択による静かな革命を起こす機会を得る。
習近平国家主席が軍部のトップを次々と粛清し始めている事実
中国では習近平国家主席が軍部のトップを次々と粛清し始めている状況であり、正確には崩れ始めていると言える。 李尚福国防相や東部戦区の司令官を含む彼らは、全員が党籍を剥奪され権力の中枢から排除された。 表面的には腐敗撲滅と報じられているが、今回は状況が異なり何かが根本的に変わり始めている。
粛清の対象が側近である福建閥の幹部にまで及ぶ状況
軍のトップが次々と消えていく状況であり、粛清されているのは敵対勢力だけではなく、習近平自身が育てた側近である福建閥と呼ばれる習近平派の幹部までもが失脚している。 これは、何を意味するのかを考える必要がある。
李尚福国防相が突如として公の場から姿を消した事象
李尚福国防相は2023年10月に突然、公の場から姿を消した。 彼は習近平が信頼していた軍人で、ロシアから武器を調達する役割を担っていた人物である。 李尚福は党籍を剥奪され、すべての役職から追放されたが、理由は巨額の汚職に関与した疑いであるとされている。
連続する二人の国防相が失脚した異常な事態
李尚福の前任者である魏鳳和も同じ運命を辿り、彼もまた党籍を剥奪され軍から追放された。 つまり、連続する2人の国防相がどちらも失脚したことは、日本で例えるなら防衛大臣が2人続けて突然逮捕されたような非常事態である。
合計9名の幹部が失脚し核ミサイル管理部隊の幹部も含まれる事態
今回の粛清で失脚した幹部は合計で9名にのぼり、軍の中枢にいる幹部が一度に9人も排除された。 その中には、中国の核ミサイルを管理するロケット軍の幹部も含まれていた。
台湾侵攻を指揮する立場にある東部戦区の司令官も粛清された状況
粛清されたのは国防相だけではなく、東部戦区の司令官という役職の人物も失脚した。 東部戦区は台湾海峡を管轄しており、台湾侵攻を指揮する立場にある軍人が粛清されたことを意味する。 習近平にとって台湾統一は悲願であり、台湾担当の司令官を排除することは、台湾侵攻を諦めたのか別の理由があるのかという疑問が発生する。
中国の軍事指揮系統は習近平が最高指導者で中央軍事委員会が重要である
中国の軍事指揮系統は、習近平が最高指導者であり、その下に中央軍事委員会の副主席がいる構造である。 この副主席が張又侠である。 その下に、各戦区の司令官がいる。 東部戦区は台湾を担当しているため、その中でも最も重要な戦区である。
習近平の敵ではない福建閥の側近までもが失脚する不可解な事象
粛清されているのは習近平の敵だけではなく、福建閥と呼ばれる習近平自身が育てた側近たちまでもが次々と失脚している。 彼らは習近平が福建省のトップを務めていた時代からの仲であり、信頼できる味方であったはずだが、なぜ彼らまで粛清されるのかが、この大粛清の不自然さである。
誰も信じられなくなる状況が今の中国軍で発生している
組織のトップが敵対勢力を排除するのは理解できるが、自分が育てた味方まで排除し始めると組織が混乱し、誰も信じられなくなる。 今の中国軍は、まさにその状態である。
劉源は軍部で大きな影響力を持つ劉少奇の息子である
劉源は軍部の中で非常に大きな影響力を持っている人物である。 彼は劉少奇の息子であり、劉少奇は毛沢東時代の実質的なナンバー2であったが、文化大革命で失脚した。
劉源は習近平を現代版の毛沢東として支持するはずがない
劉源は幼少期に学校で吊るし上げにあい、父が迫害されるのを見てきたことから反毛沢東派である。 習近平の政策は毛沢東への憧れが強く、絶対的な権力を求め個人崇拝を推進しているため、劉源の視点で見れば習近平は現代版の毛沢東であり、劉源は習近平を支持するはずがない。
軍の実質的なナンバー2は張又侠で習近平の幼馴染であった
軍の実質的なナンバー2は中央軍事委員会の副主席である張又侠である。 彼は習近平の幼馴染であり、2人の父親同士も親友であったことから、最も信頼できる人物だったはずである。
張又侠が推薦した人物と習近平派が双方ともに粛清された
張又侠が推薦した李尚福と魏鳳和がどちらも粛清され、習近平派の福建閥も粛清された。 これは、どちら側の人間も排除されていることを意味する。
習近平は軍をコントロールできなくなり静かなクーデターが起きている
表面上は習近平が粛清を命じているように見えるが、実際には習近平が軍をコントロールできなくなっている。 張又侠が実質的に軍を掌握し、習近平を排除しつつあるため、これは静かなクーデターと呼べるものである。
大粛清は重要な四中全会のタイミングで行われた
この大粛清は、10月20日から23日にかけて行われる四中全会という重要な会議のタイミングで発表された。 四中全会は、中国共産党の中央委員会全体会議であり、5年の任期中2、3回しか行われない非常に重要な会議である。
権力維持を求める習近平と軍部の利権が衝突している
習近平は毛沢東のような絶対的な権力を求め、軍部も完全に自分の支配下に置きたい。 しかし、中国の軍は長い間独自の利権を持っており、軍が経営する企業や土地、資金を習近平がすべて国家の管理下に置こうとしたため、軍部は自分たちの財産を奪われることを意味すると抵抗している。
台湾侵攻計画に軍部が経済的・国際的リスクから反対している
習近平にとって台湾統一は歴史的な使命であり、悲願である。 しかし、軍部はこの計画に反対している。 その理由は、中国経済の疲弊と国際社会からの制裁リスクであり、台湾侵攻が成功する見込みがほとんどないためである。 中国経済は世界経済と深く結びついているため、制裁を受ければ中国は100年後退すると言われている。
習近平の命令が実行されないため粛清を始めたが軍は混乱した
軍の内部に劉源を中心とする反習近平派と張又侠派が主要なポストを握っており、習近平の命令が実行されない。 だから、習近平は粛清を始めたが、粛清すればするほど軍は混乱し、士気が下がり、組織は崩壊していく。 権力を維持しようとすればするほど、権力が失われていくパターンが独裁者の恐怖政治で繰り返されている。
台湾侵攻の予測は2027年説から2035年に延期された
アメリカの情報機関が分析していた台湾侵攻の2027年説が、最近になって2035年に延期されたと言われている。 表向きの理由は中国軍の準備不足だが、本当の理由は習近平が軍をコントロールできなくなったことである。
台湾侵攻のリスクは低下したが中国国内での内戦リスクが高まった
習近平が軍の抵抗によって台湾侵攻の悲願を阻まれたことは屈辱であり、粛清を加速させている。 これにより台湾侵攻のリスクは以前よりも低くなっているが、中国国内での内戦のリスクが高まった。 経済が崩壊し、民衆の不満が限界に達し、軍が分裂している状況で内戦が勃発すれば、その影響は日本にも及ぶ。
習近平が戦っている真の相手は表面に現れない浙江財閥である
習近平が戦っている相手は軍部だけではなく、もっと深い層にいる浙江財閥である。 彼らは表に現れないが、中国のそして世界の半導体産業を支配していると言われている。
浙江財閥は蒋介石を資金面で支援した4大家族の子孫である
浙江財閥は19世紀末に外国の銀行の手先として巨万の富を築いた宋子文、孔祥熙、陳立夫、陳果夫の4大家族の子孫である。 彼らは上海を拠点に銀行、鉄道、紡績業を支配し、蒋介石の国民党政権を資金面で支援した。 共産革命後、彼らは蒋介石と共に台湾に逃げ、台湾で影響力を持ち続けた。
台湾のTSMCの背後に浙江財閥がいる可能性を考察する
台湾の半導体企業であるTSMCは世界最大の半導体製造企業である。 このTSMCの背後に浙江財閥がいるという説があり、可能性として考える価値がある。 半導体を支配するものが世界を支配する状況にあり、半導体がなければ現代の兵器は動かないためである。
TSMCは世界の最先端半導体の大部分を製造する
TSMCは世界の最先端半導体の大部分を製造しており、TSMCが供給を止めるとアメリカも中国も兵器を完成させることができない。 TSMCはそれほどの力を持っている。
浙江財閥の影響力は中国本土の浙江省にも及んでいる
浙江財閥の影響力は台湾だけでなく、中国本土の浙江省にも及んでいる。 浙江省の省都である杭州には巨大なIT企業が集まっており、アリババの創業者である馬雲〔ジャック・マー〕は浙江省の経済界を代表する人物であった。
習近平は浙江省で党委員会書記を権力基盤を築いた
習近平は2002年から2007年まで浙江省の党委員会書記を務めていた。 この時期に習近平は之江新軍という権力基盤を築いた。 アリババが急成長したのも、この時期である。
習近平と浙江財閥は元々協力関係にあったと推測する
習近平が浙江省のトップだった時代にアリババは巨大企業に成長したことから、習近平と浙江財閥は元々は協力関係にあったと推測される。 習近平は浙江財閥に育てられ、彼らの支援があったからこそ権力の階段を上ることができた。
2020年に馬雲〔ジャック・マー〕が突然姿を消し上場が中止された事態が発生した
2020年に状況が変わり、馬雲〔ジャック・マー〕が突然公の場から姿を消した。 彼が計画していた3.6兆円の新規公開株の上場は突然中止された。 表向きの理由は金融規制違反とされた。
馬雲〔ジャック・マー〕が政府を批判した直後に激怒した習近平が彼を粛清した
馬雲〔ジャック・マー〕は金融フォーラムで[中国にシステミックリスクが無いのは、システムが存在しないからだ]と政府を批判した。 習近平はこれに激怒し、その直後に馬雲〔ジャック・マー〕は粛清された。
習近平と浙江財閥の仲間割れと路線対立が敵対を生んだ
習近平と浙江財閥の敵対は、元々は協力関係であったが利害の対立による仲間割れが発生したことによる。 習近平が絶対的な権力を求め、浙江財閥の持つ巨大な経済力をもう一つの権力中心と見なしたため、馬雲〔ジャック・マー〕を潰したという見方ができる。
習近平の国家統制路線と財閥の国際協調路線の違いが対立を生んだ
習近平が国家統制を強化し、西側諸国と対決する路線をとる一方、浙江財閥は西側の資本と深くつながり市場経済を重視し国際協調を望んでいる。 この路線対立が敵対を生んだ可能性がある。
権力構造は多層的でありすべてが演出である可能性も存在する
権力構造は単純な二元論ではなく多層的であり、習近平と浙江財閥の対立はすべて演出である可能性も存在する。 どちらが勝っても最終的な構造は変わらないシナリオが既に決まっている可能性もある。
習近平と浙江財閥のどちらに転んでも中国は崩れていく
どの可能性であっても中国は不安定な状況にある。 習近平が浙江財閥を攻撃すれば経済はさらに疲弊し、軍部の分裂と内戦のリスクが高まる。 逆に浙江財閥が習近平を排除しようとすれば政治的混乱が起こり、どちらに転んでも中国は崩れていく。
中国の内戦リスクが高まり日本に難民問題や経済的打撃が及ぶ
今回の粛清によって、習近平派と反習近平派が本格的に衝突する内戦のリスクが見えてきた。 中国で内戦が起こると、何百万人もの人々が国外に逃げ、その一部が必ず日本に向かい難民問題が発生する。 中国経済の崩壊は、日本にとって最大の貿易相手国であるため、日本企業も大きな打撃を受ける。
中国の混乱は東アジア全体の安全保障を不安定にする
中国が混乱すれば、その隙をついて北朝鮮やロシアが動く可能性がある。 東アジア全体が不安定になる。
本当の構図は支配するものと支配されるものの縦の対立である
世界で報道される横の対立、例えば習近平対軍部、習近平対浙江財閥などはすべて横の対立という演出である。 本当の構図は、習近平やプーチンなどの国のトップとその上にいる国際金融資本や黒い貴族と呼ばれる古い血統の層が支配するものとして存在し、その下に民衆という支配されるものがいるという縦の対立である。
支配層が争う今こそ民衆が変化を起こす機会である
中国の普通の人々にとって、誰が勝っても支配者の顔が変わるだけであり、構造は変わらない。 しかし、支配層が互いに争っている今、民衆を完全にコントロールする余裕がないため、隙間が生まれている。 この隙に、支配層に依存しない生き方を作るための小さな選択を積み重ねることが、静かな革命である。
知識と予測による冷静な対応が家族を守るための準備となる
構造を理解することは未来を予測することであり、予測できれば準備できる。 冷静に対応し、家族を守り、必要な行動をとることができる。 食料の備蓄、地域との繋がり、現金の確保などの実践的な準備が家族を守る。
2027年と2030年が権力構造が大きく変わる節目である
プレアデスからの視点では、2027年と2030年が権力構造が大きく変わる転換点である。 その結果は民衆が目覚めるか、新しい支配者に従うかという選択にかかっている。