V-ingの図解分類〔draw.ioで作図しています〕

  • V-ingには、2種類あります。
    • 《1》[前置詞の目的語になるV-ing]=[名詞用法のV-ing]=[動名詞]
    • 《2》[おもに形容詞用法のV-ing]=[現在分詞]
  • 歴史的には、[動名詞]の語尾と、[現在分詞]の語尾は異なっていました。
  • どこかで、[動名詞]の語尾と、[現在分詞]の語尾とが、同じになってしまったところから、悲劇が生まれました。
  • 例えば、[My hobby is collecting stamps.]が、[私の趣味は切手収集です]なのか、[私の趣味が切手を集めております]なのか、それは語形からは判断できません。
  • [My hobby is collecting stamps.]の意味が、[私の趣味が切手を集めております]でない、という文法的な根拠はありません。
  • こういう部分は、読者・聴取者の常識にゆだねられています。英語は、これほどまでに曖昧な言語なのです。
  • ここで大切なことは、[動名詞]が[前置詞の目的語になるV-ing]だという点です。
  • 英文法では分詞構文とよばれる、[副詞句としてのV-ing句]の表現があります。
    • V-en〔過去分詞〕を使った分詞構文は、[BeingないしはHavingが省略されているだけであり、【分詞構文はV-ingで始まる副詞句】だけである]と割り切っても大丈夫です。
  • 日本の[英文法書]、日本の[総合英語]〔日本の高校課程の学習用英文法書〕では、[分詞構文]について、《1》[主節〔主文〕と主語〔意味上の主語〕が一致していなければ分詞構文ではない]《2》[前置詞で始まる分詞構文みたいなものは、【前置詞+動名詞】であって、分詞構文には含まれない]などのように、[分詞構文]の範囲を厳しく制限しています。しかし、それによって、くだらない迷いが生徒にも、教師にも起こっています。
  • 英語圏では、準動詞句〔動名詞・現在分詞・過去分詞・不定詞が【節に準ずる句】〕をも含めて、せつ〔clause〕に分類する考え方も、かなり有力です。
  • 英語圏では、日本の[英文法書][総合英語]でいう[分詞構文]のことを、[分詞節][現在分詞節][副詞節]といったように、節として取り扱うことがあります。

One of the present participle clause rules is that they follow conjunctions and prepositions, such as when, while, before, on, after, without, and instead of. The clause also often looks like a preposition phrase. Here are some examples.

While writing down my thoughts, I realized how expressive I’d been.
After taking everything into consideration, the board has decided to promote him.

In the example above, the prepositional phrase is after taking everything into consideration.

引用元: Participle Clauses - Usage, List of Examples & Worksheet

In performing a book-to-tax reconciliation, you must identify those items of income and deduction which differ from book to tax.

引用元: Book-to-tax reconciliation definition and meaning | Collins English Dictionary

  • [これは分詞構文ですか?]という生徒からの質問は、何度も繰り返されます。 これは、ハッキリいえば、英文法書やフランス語文法書が間違っているのに、それを放置しているので、学習者が不審に思って質問するのだと考えるのが自然でしょう。
  • 結論を述べます。
    • [前置詞の目的語になるV-ing]は[動名詞〔gerund〕]といい、英文法の[分詞構文]=[V-ing句が副詞節相当になる表現]は、実際には[フランス語文法でいうジェロンディフを英語に輸入したもの]なので、英文法の[分詞構文]は、ほんらいは[動名詞構文]とよぶべきものです。
    • [日本の英文法書][総合英語]〔日本の高校課程の学習用英文法書〕では、この[動名詞構文]を[分詞構文]だという無理な主張を展開するために、[【前置詞+動名詞】がV-ing句が副詞節相当になる表現]の例文を積極的に採り上げることがありません。
    • [従位接続詞+V-ing]も、[前置詞+V-ing]も、両方とも[V-ing句が副詞節相当になる表現]であり、両方とも[分詞構文=動名詞構文]です。両者を分けることは有害無益だと現在の私は考えています。両者を別のものと定義して、試験問題のネタにしても、英語力伸張の障害因子になるだけです。
    • 私は[前置詞の目的語になるV-ing]は[動名詞〔gerund〕]という、という定義を大切にしたいので、[分詞構文]という名称は廃絶し、[動名詞構文]という名称に改めればいいのだと思います。
    • つまり、これまでの[英文法書][総合英語]〔日本の高校課程の学習用英文法書〕は、絶版にして、全面的に書き換えるのが適切でしょう。
    • [分詞構文]=[動名詞構文]には、[過去分詞〔-en〕]で始まるものがありますけれども、[過去分詞〔-en〕]の直前に次の語句が省略されているのです。
      1. [Having+過去分詞〔-en〕|完了相]
      2. [Being+過去分詞〔-en〕|受動態]
    • つまり[分詞構文]=[動名詞構文]は[V-ing句が副詞節相当になる表現]であり、その[V-ingは前置詞の目的語になる]ので[現在分詞〔V-ing〕]ではなく、[動名詞〔V-ing〕]である。
    • そして[分詞構文]=[動名詞構文]が、歴史的に[フランス語文法のジェロンディフ]が英語に輸入されたものが[分詞構文]=[動名詞構文]だという面からも、[分詞構文]=[動名詞構文]の[V-ing]は、[動名詞〔ジェランド:gerund〕]と考えるのが自然であろう。
    • さらに、[分詞構文]=[動名詞構文]で使われる[前置詞]と[従位接続詞]は、同じ性質のものであり、別々の品詞に分類するほうが不自然だといえる。
    • 実際、before・afterなど[前置詞とも解釈できるし、従位接続詞とも解釈できる言葉]が[分詞構文]=[動名詞構文]の先頭で用いられることがある。
    • [前置詞と従位接続詞は、区別できない場合も多い]=[ってか、前置詞と従位接続詞は、基本的には、同じ品詞だべ?]ってこと。
    • ってことは、[英英辞典][英和辞典][英文法書][総合英語]〔日本の高校課程の学習用英文法書〕などは、絶版にして、全面的に書き換える必要があるかも。
    • [格を帯びる]とは、名詞(句)・代名詞・名詞節といった名詞相当〔名詞と等価の語・句・節〕が、形容詞化・または・副詞化される、地球の言語に共通した制度・仕組みをいいます。
    • 英語の場合、格を表示する方法が3つに分かれており、このことをまったく説明しないで英文法書が展開されているので、英文法がわからないわけです。
      • 《1》【前置詞タイプ】[前置詞または従位接続詞を名詞相当の直前に置くことで、その名詞相当の格を表す]
      • 《2》【語順タイプ】[文型〔動詞が要求する、おもに名詞相当の語順〕のどの位置に、その名詞相当を置くか、という語順で、その名詞相当の格を表す]
      • 《3》【語形タイプ】[人称代名詞の格変化〔格に応じた語形変化〕、あるいは、所有格〔=属格〕を表すアポストロフィS〔‘s〕という語形で、その名詞相当の格を表す]
    • 英語の[格を表示する方法]は、以上の3点であり、これら以外にありません。
    • 広義〔大きな意味で〕の前置詞には2種類あります。
      • [1]【前置詞その1|節のための前置詞|従位接続詞】:名詞節に格を与えた結果、名詞節を副詞節に品詞転換するタイプの前置詞を、現在の英文法では、従位接続詞に分類しています。
      • [2]【前置詞その2|語・句のための前置詞|前置詞】:名詞(句)・代名詞に格を与えた結果、名詞(句)・代名詞を形容詞(句)に品詞転換するタイプの前置詞を、現在の英文法では、前置詞に分類しています。
  • 以上が結論でした。

  • 分詞構文というものは、もともとフランス語文法のジェロンディフつまり[前置詞+現在分詞=副詞節相当〔英文法的にいえば副詞句〕]を、英語に導入したものであるようです。 つまり、ノルマン朝のときに英国はノルマンディー公国の植民地になっていたのですけれども、その時代に、英国の公用語がフランス語となり、英文法の中にジェロンディフが取り込まれたのだと思います。
  • フランス語文法では、[前置詞+現在分詞=副詞節相当]といっていますけれども、[前置詞語の目的語になる要素]は、英文法では[動名詞〔gerund〕]ですので、ジェロンディフの英文法バージョンは、分詞構文ではなく、動名詞構文なのです。
  • [前置詞の直後にあるV-ing]は、ほぼほぼ動名詞と断定してかまいません。
  • また[前置詞+動名詞]=[分詞構文]というものは、主節〔主文〕と主語〔意味上の主語〕が一致しなくても、それは[分詞構文]=[副詞節相当〔英文法的にいえば副詞句〕]なので、細けぇこたぁドウデモイイ〔tribialな〕んです。
  • 形容詞的修飾は、《1》[形容詞相当→名詞相当〔ぜん修飾〕]《2》[名詞相当←形容詞相当〔こう修飾〕]のように、名詞相当というブロックの前後に密着して置かれます。
  • したがって、[前置詞+動名詞]=[動名詞構文の可能性があるもの]の直前を見て、名詞相当があれば、その[前置詞+動名詞]は形容詞句〔形容詞節〕と等価の前置詞句です。
  • [前置詞+動名詞]という形式は、[名詞相当]+[前置詞+動名詞]のように、[前置詞+動名詞]が後ろにくる、後置修飾になりますので、[前置詞+動名詞]の直前をチェックするだけでいいのです。
  • [前置詞+動名詞]が形容詞相当でなければ、消去法で、その[前置詞+動名詞]は副詞句〔副詞節〕と等価の前置詞句です。
  • 結局、英文法書における、[分詞構文という文法項目の命名法・文法項目の立て方]が、最初から間違っているわけです。
  • そして、フランス語文法のほうも、[前置詞語の目的語になる要素]はジェランド〔gerund=動名詞〕なので、フランス語文法における[前置詞+現在分詞=副詞節相当]の[現在分詞]というのは[ジェランド〔gerund=動名詞〕]だというふうに定義し直したほうが、スッキリします。
  • ジェランド〔gerund=動名詞〕だからこそ、フランス語文法でジェロンディフとよぶわけでしょ? 
  • [ジェランドは、前置詞の目的語になる点において、現在分詞とは異なる]という原則を貫くことによって、英文法もフランス語文法も、再編したほうがいいでしょう。
  • 結局、[前置詞の目的語になる名詞相当]=[前置詞によって格が与えられる名詞相当]は、現在分詞〔形容詞的分詞〕ではなく、動名詞〔gerund〕なんですよ。 というのも、[格〔case〕を帯びることができる主体]は、名詞相当に限られるからです。 現在分詞〔形容詞的分詞〕が格〔case〕を帯びることはありません。
  • さらに、前置詞と従位接続詞とを分けるのも、ある意味、ナンセンスです。
  • 従位接続詞という品詞分類そのものが誤っているわけです。
  • 従位接続詞は、節〔名詞節〕のための前置詞なんですよ。 前置詞というのは、名詞相当の直前に置かれることで、[その名詞相当に格を与える、いいかえれば、その名詞相当を形容詞化する・または・副詞化する]という職能をもちます。 【前置詞は、名詞相当を形容詞化・または・副詞化する】というのは、英文法というか、西欧諸語の定理のようなものです。
  • そして、節〔名詞節〕のための前置詞を、従位接続詞と定義してしまったので、英文法がややこしくなっているだけなのです。
  • まとめると、前置詞と従位接続詞は、直後の名詞相当に格を与える点において、等価です。
  • ただし、[従位接続詞+名詞節]が形容詞化されることはなく、[従位接続詞+名詞節]=[副詞節相当]になります。 [従位接続詞+名詞節]が形容詞化の作用をすることはありません。 節を形容詞化する作用をもつのは、関係詞〔関係代名詞・関係副詞〕だけです。
  • [英文法書][総合英語]には、分詞構文のV-ingの直前に、before・afterなど[前置詞とも解釈できるし、従位接続詞とも解釈できる言葉]が置かれた用例が出てきます。
  • 分詞構文と前置詞+動名詞について教えてください。 - テキストの分詞構造の… - Yahoo!知恵袋
  • [前置詞とも解釈できるし、従位接続詞とも解釈できる言葉]がある以上、[分詞構文で使われるのは、前置詞ではなく従位接続詞だ]と断定する根拠は失われています。 つまり、分詞構文=動名詞構文では、V-ingの直前に前置詞が使われることもあるので、分詞構文という名称は誤りであり、正しくは動名詞構文〔英語版のジェロンディフ〕である、というのが結論です。
  • そして、[副詞節を導く従位接続詞]とは[節の前置詞]のことである、というのが結論です。
  • ただし[節の前置詞]である[従位接続詞]ではあるけれども、[従位接続詞が形容詞節を導くこと]=[従位接続詞が形容詞節を形成すること]は、ないと断定できる。
  • それから、従位接続詞のうち、[副詞節を導く従位接続詞]でないものは[名詞節を導くwhether・if・that]とされるけれども、[名詞節を導くwhether・if]〔両方とも意味は同じで[~かどうか]〕は従位接続詞ではなく、[間接疑問を形成するときにだけ使用する疑似疑問詞]だと割り切りましょう。
  • そうなってくると、[名詞節を導く〔を形成する〕that]だけが[名詞節を導く従位接続詞]だということになり、[that以外の従位接続詞は、ぜんぶ副詞節を導く、いわば節の前置詞]〔ただし名詞節を副詞化する専用の言葉〕だというふうになる。
  • 英語において、[形容詞節を導く主体]=[形容詞節を形成する主体]は、関係詞〔関係代名詞・関係副詞〕だと断定できる。 そして、従位接続詞が形容詞節を導くことはない。 形容詞節を導くのは、関係詞〔関係代名詞・関係副詞〕だけである。
  • 以上のように、先達が行なった、矛盾のある命名法・分類法を、後生大事にキープしようとしているから、[これは分詞構文ですか?]という生徒から質問が絶えないのである。
  • 英文法書を書いている人は、あんがい、バカですから、英文法書に書いてあることを、あんまり真に受けないことです。
  • 自分で推論して、バカが犯したミスをカバーする気持ちが大切です。
  • 先生はたいていバカです。