🟩 もくじ

本動詞の用法:[動作動詞][状態動詞]との違い

※動作動詞・状態動詞という用語は、誤解を与えやすい。すべての動詞が、動作動詞というカテゴリーと、状態動詞というカテゴリーとに分類できるかのような印象を与えかねないからだ。

  1. 動詞がもつ柔軟性・動詞の用法のあいまい性:
    • 多くの動詞は、潜在的に動作的用法(Dynamic Usage)と状態的用法(Stative Usage)の両方をもつことが多く、文脈によって動作性(Dynamicity)が表出したり、状態性(Stativity)が表出したりする、きわめて文脈依存的な性質をもつ。
  2. 動作的用法と状態的用法との区別は、進行形の可否による:
    • 【1】動作的用法(動きや変化を表し、進行形可能)
    • 【2】状態的用法(恒常的な状態を表し、進行形不可)
  3. 動作的用法(Dynamic Usage)の定義:
    • その動詞が、そこで[動きや変化を表し、進行形にすることができる用法]で用いられていれば、それは動作的用法の動詞であるといえる。
    • 動作的用法で用いられている動詞を[動作動詞]とよぶことがある。
    • 動作動詞(Dynamic Verbs):通常、進行形で使用できる動詞
  4. 状態的用法(Stative Usage)の定義:
    • その動詞が、そこで[恒常的な状態を表し、進行形にならない用法]で用いられていれば、それは状態的用法の動詞であるといえる。
    • 状態的用法で用いられている動詞を[状態動詞]とよぶことがある。
    • 状態動詞(Stative Verbs):通常、進行形で使用しない動詞
  5. 進行形と語義の関係:
    • 進行形の可否は、必ずしも動詞の基本的な意味(語義)と直接連動するものではない。
    • 文脈や話者の意図によって、通常は状態動詞とされる語も進行形で使用されることがある。
  6. 状態動詞を進行形で使用している例:
    • 一時的な状態や変化を強調する場合、通常は進行形にしない状態動詞でも進行形が使用される。
    • 例:I am loving this new phone. (この新しい電話が気に入っている最中だ)
  7. 補足:
    • 動作動詞・状態動詞の区別は絶対的なものではなく、言語使用の実態では柔軟性がある。
    • 英語学習者は基本的な区別を理解しつつ、実際の言語使用における例外にも注意を払う必要がある。

seeの用法例

[会う]動作的用法(進行形可能)

  • I’m seeing my dentist tomorrow at 3PM.
  • (明日3時に歯医者に会う予定です)
  • ※意図的な約束としての[会う]動作

[見える]状態的用法(進行形不可)

  • I see a strange shadow on the wall.
  • (壁に奇妙な影が見えます)
  • ※知覚的な[見える]状態

haveの用法例

[食べる]動作的用法(進行形可能)

  • We’re having dinner right now, can I call you back,
  • (今ちょうど夕食を食べている最中です)
  • ※食事行為としての[食べる]

[所有する]状態的用法(進行形不可)

  • She has three vintage cameras in her collection.
  • (彼女はコレクションとして3台のビンテージカメラを所有している)
  • ※恒常的な所有状態

be動詞にも動作的用法(進行形可能)と状態的用法(進行形不可)がある

  • 動作的用法(進行形可能):例:He is being rude.(一時的なふるまいを強調する進行形)
  • 状態的用法(進行形不可):例:She is tall.

be動詞の用法の全体像

  • be動詞は、古典文法のラ変動詞(あり・をり・はべり・いまそかり)のようなものである。
  • 【1】ラ変動詞は活用が変則的であり、be動詞の活用もまた変則的である。
    • 日本語の形容詞・形容動詞には、ラ変動詞[あり]が内蔵されているので、日本語の形容詞・形容動詞が動詞なしに単独で述語となることができる。
      • 日本語の形容詞の補助活用の中に、日本語の形容詞がラ変動詞[あり]を内蔵していることが表出している。
  • 【2】be動詞にも、補語をとる用法と、存在を表す用法とがあり、古典文法のラ変動詞にも、補語をとる(ことに匹敵する)用法と、存在を表す用法とがある。
    • 古典文法のラ変動詞の、補語をとる(ことに匹敵する)用法:
      • 山高し。空青し。水清し。
  • 国文法・古典文法では、[否定のことを【打ち消し】とよぶ][受動態のことを【受け身】とよぶ][仮定法のことを【反実仮想】とよぶ]。
    • せば~まし(反実仮想)
    • ませば~まし(反実仮想)
    • ましかば~まし(反実仮想)
    • 未然形+ば~まし(反実仮想)
    • 仮定法(subjunctive):英文法
      • 仮定法の別名として、叙想法(Thought-mood)がある。
    • 接続法(subjonctif):フランス語文法
    • 接続法(Konjunktiv):ドイツ語文法
    • 反実仮想と仮定法と叙想法と接続法は、ほぼ同じ概念を指し示している。

本動詞としてのbe動詞

A. 状態を表す

補語をとる(連結動詞)
  • e.g. The sky is blue.
存在を表す(おもに場所の副詞句とともに)
  • e.g. There are many books on the shelf.

B. 動作を表す

一時的に補語の状態になっている
  • e.g. He’s being careful with the fragile items.
一時的にある場所に存在している
  • e.g. We are in the library until 5 PM.(進行形にはできない)
  • e.g. We are staying in the library until 5 PM.(進行形にしたい場合はstayを使う)
  • e.g. We are being quiet in the library until 5 PM.(これは進行形ではあるけれども[存在を表すbe動詞]ではない)
  • There is 構文やWhere is ~?など、おもに場所を表す副詞句とともに用いられる[存在を表すbe動詞]が進行形で使われることはないと考えてよい。
  • [ある場所に居続ける]を進行形で表現したい場合には[be動詞+staying]を使う。

助動詞としてのbe動詞

A. 進行相を形成

  • e.g. They are studying for the exam.
  • 相(aspect)には、進行相(progressive aspect)と完了相(perfect aspect)があり、これらは時制(tense)とは異なる概念である。
    • 進行相のニュアンスを表現するための形式である[be動詞+V-ing]を進行形(progressive form)という。
    • 完了相のニュアンスを表現するための形式である[have+V-en]を完了形(perfect form)という。
  • 英文法書の中には、進行相・完了相を時制の中に含めているものがあるけれども、それは誤りである。
    • 時制とは、述語動詞の先頭にある本動詞または助動詞が、現在形か過去形か、という語形の概念を示すのみであり、その語形が現在時や過去時を直ちに表すとはいえない。
      • 例えば、動作を表す動詞の単純現在形は、[主語がもつ安定な性質]を表すのであり、それは[現在時における動作]を表すわけではない。
        • She plays the piano.は、[彼女はピアノが弾ける]という意味であり、[×彼女が現在ピアノを弾いている]という意味ではない。
        • She plays the piano.にcanは含まれていないけれども、意味は[彼女はピアノが弾ける]という意味である。
        • She plays the piano.にかんしては、「彼女は[ピアノを弾く]という安定な性質をもつ」という原義から、[彼女はピアノが弾ける]という意味が発生したのである。
        • She plays the piano.を[現在の動作]を表す表現に変換したい場合には、She is playing the piano.[彼女はピアノを弾いている]というふうに現在進行形(現在時制の進行相の語形)を使う必要がある。
        • 英語において、動作を表す動詞の現在形では、現在の動作が表現できない。
          • スポーツの実況中継などでは、動作を表す動詞の現在形を使って、現在の動作を表現している。ただし、それは特殊なケースである。
        • 英語の現在時制には、そのような、いわば[欠陥]があるから、どうしても使わざるを得ない表現が、進行形なのだということになる。
        • [動作動詞の単純現在形では現在の動作を表すことができないので、進行形を使って現在の動作を表さざるを得ない]というのがぶっちゃけた裏事情なのである。
        • 英文法書は、このあたりを巧妙に隠蔽しているので、それを見破る必要がある。コイツら、英語を立派に見せかける工作をしてやがるぜ。そういう真実を暴く精神を発揮しながら、英文法をぶっ壊せ! 
      • 例えば、仮定法は、私の定義では、[過去時制を使った反実仮想の表現]といえる。
        • 動詞が[時制]を表すために語形変化できる範囲は、[現在形・無標][現在形・三単現のs付き][過去形]という三値であり、これ以外にない。
        • 昔の英文法書には[×未来時制]という誤った表現が存在した。英文法書を書いている先生も、定義をしっかりせずに、他の英文法書をパクって書いているだけだから、誤りが連鎖していくのである。
        • 動詞には[現在形・無標][現在形・三単現のs付き][過去形]という三値しかなく、[×未来形]などという語形が存在しない以上、[×未来時制]という表現は誤りである。

B. 受動態を形成

  • e.g. The book was written by a famous author.

C. be going to 構文(未来の予定や意図を表す)

  • e.g. We are going to visit Paris next month.

D. be to 構文(義務や予定)

  • e.g. The meeting is to start at 2 PM.
  • ※この be to は、古文の助動詞でいう[べし](すいかとめてよ)に相当する万能助動詞であり、あらゆる法助動詞の意味を一つで表すことができると考えてよい。
    • す=推量:[…だろう][…らしい]
    • い=意志:[…するつもりだ][…しよう]
    • か=可能:[…できる]
    • と=当然:[…にちがいない][…はずだ]
    • め=命令:[…せよ]
    • て=適当:[…のがよい]
    • よ=予定:[…することになっている]

E. 進行形の受動態

be being +過去分詞の形で、進行中の受動の状態を表す
  • e.g. The house is being painted right now.

補足

be動詞は、本動詞にも助動詞にもなる。

be動詞の語形変化にかんしては、本動詞でも助動詞でも、ほぼ同じである。

be動詞は、助動詞として使用される場合は、主に進行相と受動態の形成に用いられる。ただし、それ以外の用法もある。

be動詞と一般動詞

  • 日本の学校英語教育では、be動詞(the verb ’to be’)は助動詞と本動詞の機能を区別せずに教えられることが多く、両方をまとめて単に[be動詞](be-verb(s))とよぶ。
  • 助動詞として、beは受動態や進行相を形成するために使用される。本動詞(助動詞ではない動詞)として、beは存在を表現したり、連結動詞として機能したりする。
  • 日本の英語教育では、be以外の本動詞、つまり助動詞do(does、did)を使用して否定文や疑問文を形成する本動詞は[一般動詞]と呼ばれ、文字通り[一般動詞(general verbs)]と翻訳される。この用語は基本的に[be動詞を除くすべての本動詞の集合]を意味する。
  • [一般動詞]という用語は、主に日本の英語教育で使用され、ローカライズされた表現であると考えられている。[一般動詞]という用語は、英語圏の国や国際的な英語教育の文脈ではあまり使用されない。
  • ★★★
  • In English language education in Japanese schools, the verb ’to be’ is often taught without distinguishing between its functions as an auxiliary verb and as a main verb, collectively referring to both as simply ‘be-verb’.
  • As an auxiliary verb, ‘be’ is used to form passive voice and progressive aspect. As a main verb (a verb that is not auxiliary), ‘be’ can express existence or function as a linking verb.
  • In Japanese English education, main verbs other than ‘be’ - in other words, those that use the auxiliary ‘do’ (does, did) to form negative and interrogative sentences - are referred to as ‘ippan doushi’ (一般動詞), which literally translates to ‘general verbs’. This term essentially means ’the set of all main verbs excluding the verb ’to be’’.
  • The term ‘ippan doushi’ or ‘general verbs’ is primarily used in English language education in Japan and is considered a localized expression. It’s not commonly used in English-speaking countries or in international English language teaching contexts.

本動詞としてのbe動詞は、二つに分類される

  • 本動詞としてのbe動詞は、二つに分類される。
  • 第一は、連結動詞とよばれる、補語をとる本動詞としてのbe動詞である。
  • 第二は、[存在を表すbe動詞]とよばれる、おもに場所を表す副詞句を伴うことが多いbe動詞である。
    • 名詞句と表現した場合、暗に[単語としての名詞]をも含む。
    • 形容詞句と表現した場合、暗に[単語としての形容詞]をも含む。
    • 副詞句と表現した場合、暗に[単語としての副詞]をも含む。
  • ★★★
  • The verb ’to be’ as a main verb can be classified into two categories:
    1. The first is ‘be’ as a linking verb, which takes a complement.
    2. The second is ‘be’ used to express existence or location, often accompanied by an adverbial phrase (especially one indicating place), commonly referred to as the ’existential be’.
      • When expressed as a noun phrase, it implicitly includes single-word nouns.
      • When expressed as an adjective phrase, it implicitly includes single-word adjectives.
      • When expressed as an adverbial phrase, it implicitly includes single-word adverbs.

be動詞が補語をとること

  • be動詞は補語を取ることが多い。
  • be動詞は通常、補語を必要とするか、または副詞句(多くの場合、場所を示すもの)を取るかのどちらかの方法で機能する。
  • be動詞の後には、通常、補語または副詞句が続く。
  • ★★★
  • The verb ’to be’ often takes a complement.
  • The verb ’to be’ typically functions in one of two ways: it either requires a complement, or it takes an adverbial phrase, often one that indicates place.
  • The verb ’to be’ is usually followed by a complement or an adverbial phrase.

他動詞が目的語をとること

  • 他動詞は少なくとも 1 つの目的語を取る。
  • 他動詞は 1 つの目的語、または場合によっては 2 つの目的語を必要とする。
  • 他動詞の後には 1 つの目的語、または場合によっては 2 つの目的語が続く。
  • ★★★
  • Transitive verbs take at least one object.
  • Transitive verbs require one object, or in some cases, two objects.
  • Transitive verbs are followed by one object, or occasionally, two objects.

現代の英語では、人称代名詞が主格補語になるときは、目的格を使う(例外がある:以下の用例)|現代の英語では、There is 構文のThereは、単複同形の代名詞として取り扱う|There is 構文のThereは、虚辞主語(ダミー主語)として機能している

  • There is構文のbe動詞に後続する名詞句は、補語ではなく、There is構文の真主語であり、Thereが形式的な主語である。
  • There is me.(正しい)
  • There is you. (単数) (正しい)
  • There is him.(正しい)
  • There is her.(正しい)
  • There is it.(正しい)
  • There are us.(正しい)
  • There are you. (複数) (正しい)
  • There are them.(正しい)
  • ★★★
  • That’s me.(正しい)
  • That’s you. (単数) (正しい)
  • That’s him.(正しい)
  • That’s her.(正しい)
  • That’s it.(正しい)
  • Those are we.(修正:usではなくweを使用)
  • Those are you. (複数) (正しい)
  • Those are they.(修正:themではなくtheyを使用)
  • ★★★
  • It’s me.(正しい)
  • It’s you. (単数) (正しい)
  • It’s him.(正しい)
  • It’s her.(正しい)
  • It’s it.(正しい)
  • They are we.(修正:usではなくweを使用)
  • They are you. (複数) (正しい)
  • They are they.(修正:themではなくtheyを使用)
  • ★★★
  • This is me.(正しい)
  • This is you. (単数) (正しい)
  • This is him.(正しい)
  • This is her.(正しい)
  • This is it.(正しい)
  • These are we.(修正:usではなくweを使用)
  • These are you. (複数) (正しい)
  • These are they.(修正:themではなくtheyを使用)
  • ★★★
  • 注:「This is」「That is」「It is」の後には主格を使うのが文法的に正しいとされますが、口語では目的格も広く使用されています。ただし、フォーマルな文書では主格を使用することが推奨されます。