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近頃の[総合英語]では、修飾のことを[説明]と言い換えているけれども、それは誤りであり、どこかで論理が破綻する

うん。そうだ。

説明と修飾の違いを明確に区別する表現が、日本語には存在しない

うん。そうだ。

説明と修飾の違い

  • [修飾]とは、まだ選別されていない〔未選別〕、[不特定の対象]の中から、話者が[属性]を[特定]することによって、[不特定の対象]の範囲を、限定あるいは制限する言語作用である。
    • [修飾]を行なっても、[不特定の対象]であることに変化はない。ただし[修飾]を行なうことによって、[不特定の対象]の範囲が絞り込まれたのは事実である。そういう感じのことが[修飾]という概念の中には内蔵されている。
    • いくつかの要素を含んでいる、ある集合の中から、[特定の条件]を満たす要素[だけを抽出]する作用が、[修飾]である。
    • [対象にかんして、未選別である]という前提の中、話者が[属性]を[特定]することによって、そこで選別が発生する、という言語作用が[修飾]である。
  • [説明]とは、すでに選別済みである〔既選別〕[特定の対象]の[属性]を話者が[叙述〔リポート〕]する言語作用である。
    • すでに特定されている対象が[満たしている条件]、いいかえれば、その対象が具備する[属性]を[叙述]する言語作用が[説明]である。
    • [説明=叙述]という概念の中には、[多くの対象の中から、特定の条件を満足する対象だけを選別/抽出する]といった作用は、まったく含まれていない。
    • すでに対象にフォーカスされた状態で、そのフォーカスされた対象の[属性]を[叙述]する言語作用が[説明=叙述]である。
    • SVC文型のCである[主格補語]は、主語を[説明=叙述]している補語である。補語とは[説明=叙述]する言葉、という意味である。
    • SVOC文型のCである[目的格補語]は、目的語を[説明=叙述]している補語である。補語とは[説明=叙述]する言葉、という意味である。
    • 補語になるときの形容詞は、[叙述用法]で用いられている。
    • 関係節とは、《1》[関係代名詞が導く節]と《2》[関係副詞が導く節]の総称である。
    • 関係節は、基本的に[形容詞相当]と考えてよい。
    • いいかえれば、関係節は、基本的に[形容詞節]と考えてよい。
    • 関係節を[名詞節相当]と考えるケースでは、[関係詞の先行詞]+[関係節=形容詞節]を一体物として捉えている。
    • 以上から、[関係節=形容詞相当]つまり[関係節=形容詞節]と考えてよい、と割り切れ! 
    • [英語で書かれた英文法書]でも、[日本語で書かれた英文法書]でも、[×関係詞の制限用法と非制限用法][×関係詞の限定用法と継続用法]という言い回しを使っているけれども、明確に誤りである。
      • つまり英文法書の業界では、従来の言説を否定して、大きな改革を行なう自浄作用が機能していない。
      • そこにあるのは、[王様が裸だ]と言えない勇気のなさ。
    • [制限用法と非制限用法]または[限定用法と継続用法]として区別される概念は、[形容詞類が名詞類との間に、どのような関係を結ぶか]を言い表す概念である。
      • 《1》関係節の場合は、[関係詞の先行詞である名詞類]と[関係節という形容詞節]との間にある、被修飾と修飾という関係。この場合は後置修飾が成立する。
      • 《2》[形容詞類→名詞類]の場合は、[修飾と被修飾]という関係。この場合は前置修飾〔ぜんちしゅうしょく〕が成立する。
      • 《3》[名詞類←形容詞類]の場合は、[被修飾と修飾]という関係。この場合は後置修飾〔こうちしゅうしょく〕が成立する。
      • 《1》《2》《3》のいずれにしても、[名詞類〔体言〕]と[形容詞類]との[被修飾・修飾]という形容詞的修飾の関係が、そこには生まれている。
      • この形容詞的修飾の関係が成立していないときには、[制限用法と非制限用法]または[限定用法と継続用法]というものは成立しない。
      • いいかえれば、形容詞類なきところに、[制限用法と非制限用法]または[限定用法と継続用法]というものは成立しない。
      • ということは、<関係詞の>[制限用法と非制限用法]または[限定用法と継続用法]という説明は、不自然なのである。
      • 結局、形容詞類というものは、[名詞類]つまり[被修飾語になり得る品詞/関係詞の場合には先行詞]に対して、[修飾]するのか、[説明〔叙述〕]するのか、という2種類の関係をもち、その2種類以外に、名詞類〔体言〕と形容詞類との関係は存在しない、というわけである。
    • 関係詞〔関係代名詞・関係副詞〕そのものは、形容詞類ではないのだから、関係詞そのものが、[制限用法と非制限用法]または[限定用法と継続用法]として区別されるわけがない。
      • したがって、英文法書・総合英語などで、<関係詞のところに>[制限用法と非制限用法]または[限定用法と継続用法]が登場することに違和感を感じない人は、英文法を理解していないのだと私は個人的に思っている。
      • 英文法書を読むと、[論旨が一貫しない曖昧な説明に思えて、やる気がなくなる]という人のほうが正常な精神を有していると思うよ。
    • [制限用法と非制限用法]または[限定用法と継続用法]として区別されるからには、形容詞類じゃなきゃダメなんだよ。
    • 関係詞が導く従属節である、関係節こそが、[制限用法と非制限用法の別]または[限定用法と継続用法の別]という区別が当てはまる対象である。
    • 形容詞も、関係節も、同じ形容詞類だと考えてよい。
    • いいかえれば、関係詞というものは、形容詞節形成詞だと考えてよい。
    • 同じ形容詞類において、[修飾する言い方]と[説明〔叙述〕する言い方]の両方をもつのが、形容詞・関係節、さらに形容詞用法の準動詞(句)などといった、形容詞類全般がもつ属性である。
    • そこからわかるように、[修飾]と[説明〔叙述〕]とは、互いに別々の概念であることがわかるであろう。
      • そういう理由で、英文法で行なわれている[修飾=説明]という説明は誤りだと、現在の私は思っている。
      • もちろん、絶対的な正誤はないとは思う。
    • 英文法書・総合英語などの著者が、[形容詞と関係節を、それぞれが別物だとして説明する]ということについて前例踏襲を行なったせいで、英文法書・総合英語では、誤った説明がなされていると思う。
    • そのせいで、単純であるはずの英文法が、学習者だけでなく、先生たちによって、複雑なものだと誤解されている。
    • 基本5文型の[補語]と、[非制限用法つまり継続用法の関係節]は、同じ性質をもつ。
    • [補語]と、[非制限用法つまり継続用法の関係節]は、同じものだと割り切れ!