貿易赤字を解消しようとしてメチャクチャなことをして自滅するのがアングロサクソン国家のパターン

  • 清国からの茶の輸入をイギリスが清国に対する貿易赤字を解消するためにアヘン戦争・アロー戦争を起こした。
  • トランプの高関税政策も、結局、過剰な輸入依存体制、アメリカ製品、とくに自動車が魅力的ではないから売れないことによる貿易赤字を短期的に解消しようという、無理筋な政策なんだと思う。
  • こういうのはアングロサクソンの精神的な病だから仕方ないよね。
  • アングロサクソン国家は、近現代史で積み上げてきたカルマを清算するフェーズに入っていると私は思っている。

トランプの関税政策の失敗は以下の原因にまとめられる

  1. 性急に結果を求めた点:トランプ政権は貿易赤字解消や自国産業保護を短期間で達成しようとして、深い検討や段階的な対応を欠いた。 そのため、効果的な経済対策として機能しなかった。
  2. 多くの国々からの反発と報復関税:トランプ政権の高関税政策は複数国の反発を招き、報復関税を受けたことで米国企業や消費者の負担を増大させた。 これが米国経済に悪影響を及ぼし、国内での反感や恨みを蓄積させた。
  3. 保護主義の根本的な失敗:成熟した産業に高関税をかけても産業復活にはつながらず、むしろ経済を硬直化させた。 1930年代のスムート・ホーリー法に似た失敗例であり、ブロック経済化や貿易摩擦を深刻化させた。
  4. 法的・政権内の権限問題:関税引き上げの権限を大統領が拡大し過ぎたことから議会や州政府の反発を受け、制度としての持続性にも問題が生じた。
  5. 経済政策のジレンマ:貿易赤字解消と景気悪化・インフレ圧力の抑制の両立が難しく、高関税は消費者物価上昇を促して消費減少や景気後退のリスクを高めた。

天に唾を吐けば、我が身に返ってくる

  • スムート・ホーリー法〔1930年〕は、米国が世界恐慌のただ中で導入した高関税政策であり、主に国内産業と農業を保護する目的で2万品目以上の輸入品に平均40%の高関税を課した。
  • 結果として多くの貿易相手国が報復関税を課し、世界貿易量が急激に萎縮した。
  • 米国の輸出が3年で約65%落ち込み、農家や工業者が大きな打撃を受けた。
  • これに伴い失業率は25%超に達し、金融機関の連鎖破綻も重なって世界大恐慌を深刻化・長期化させた。
  • しかしこの政策は政治的圧力や農業部門支援、国内雇用防衛のために性急に成立し、経済全体を考慮しないまま多くの業種に高関税を広げたことが失敗の根本とされる。

スムート・ホーリー法〔1930年〕とトランプ政権の関税政策との類似点

この点でトランプ政権の関税政策とは以下のような類似がある。

  1. 性急に結果を求めた点:どちらも短期的に国内産業保護や雇用確保を狙い、十分な検討や段階的な対策を欠いた。
  2. 多国の反発を招いて報復関税の連鎖を生み、貿易収縮を促進したこと。
  3. 高関税が国内の特定部門を守ると同時に、グローバルな貿易依存の構造悪化や経済の硬直化を招いたこと。
  4. 保護主義が消費者物価や企業コストを押し上げ、経済成長の足を引っ張ったこと。
  5. 政権の政策運営において議会との対立や制度的問題を生じさせた点。

さらに、両政策は世界的な経済減速を加速させ、市場の不安定化や雇用悪化をもたらした側面を共有する。 トランプ政権の関税政策はスムート・ホーリー法の[教訓]を十分に踏まえず、同じ失敗を繰り返す懸念が指摘されている。

要するに、1930年代のスムート・ホーリー法とトランプ関税は共に保護主義を強化することで、初期目的は国内の雇用保護や産業復興であったが、外的な報復や貿易縮小を誘発し経済全体の悪化につながった点が主要な類似点といえる。

【引用】

なぜトランプ関税はアメリカの“1人負け”の結末を迎えるのか――「スムート・ホーリー関税法」の教訓|夏樹真生
スムート=ホーリー法-世界史の窓 - Google 検索
大恐慌下のダウ・ジョーンズ工業株価平均とスムート・ホーリー法- independa.net - Google 検索