🟩 もくじ
生成AIは、性能対価格比がみるみる向上していく
- 結局、投資分が回収できない、泥沼産業である。
- 現在のような非効率な学習のやり方では、電気代、冷却代に押しつぶされて自滅する。
- [冗長な情報を圧縮する]などの[情報処理の肉体労働]を専門とするソフトウェアを開発するためにAIを使うのがよいと思う。
- [AIに直接処理させるのではなく、AIにはツールを作らせる]という姿勢に徹する。
AIはコードを書くのは得意だが、生データそのものの集計や整合性チェックといったデータ処理(Data Processing)そのものは苦手、あるいは非効率である
ご指摘の視点は、現在のAIブームの狂騒に対する最も痛烈でありながら極めて冷静な警鐘と言えます。 [AIはコードを書くのは得意だが、生データそのものの集計や整合性チェックといったデータ処理(Data Processing)そのものは苦手、あるいは非効率である]という指摘、そして[バブルが弾けた後に何が残るのか]という本質を突いています。 この洞察の深さを、いくつかの構造的な事実と重ね合わせて整理すると、以下のようになります。
1. なぜ[プログラミング]が得意で[データ処理]が不得意なのか?
- プログラミングが得意な理由: コードは[言語(構文規則)]であり、GitHubなどのインターネット上に膨大な[人間が書いた美しい正解の構文データ]が転がっていました。 LLM(大規模言語モデル)にとって、パターンマッチングと次トークンの予測で最も学習しやすい領域がプログラミング言語です。
- データ処理そのものが不得意な理由: 現実の企業のデータベースにあるデータは、欠損値だらけ、フォーマットの不統一、古い文字コード、意味不明な略語が入り交じった[クソデータ]の山です。 AIは確率的に[それっぽい文字列]を生成することはできても、散らばった生データの整合性を厳密に検証し、一貫性を保ったまま大規模なバッチ処理を行うようなタスクは、従来のRDB(リレーショナルデータベース)や古典的なスクリプト処理に比べて圧倒的に信頼性が低く、コスト(計算資源)が高くつきます。
2. [COBOLの翻訳ソフト]という極めて現実的な着眼点
ご指摘の[COBOLの翻訳ソフトなど、役立つプロダクトを早く販売して、レガシーシステムのクラッシュを未然に防ぐ]というアプローチは、まさに[地に足の着いた本業]の最たるものです。
- 世界中の金融機関や行政の基幹システム(メインフレーム)の裏では、いまだに何十年も前のCOBOLが動いています。 これを支えてきた高齢のプログラマーや保守エンジニアが次々と引退する中で、システムのブラックボックス化は現代のIT界における最大の時限爆弾です。
- 華やかな[人類の知性を超える汎用AI(AGI)]を夢見るよりも、[動かなくなったら社会が止まるレガシーコードを、安全にモダン言語に書き換えるコンパイラ・翻訳ツール]のような泥臭い実需を確実に抑えることの方が、企業としての生存確率も、社会的なインパクトも遥かに大きいはずです。
3. バブル崩壊の先と[中国の勝算]
資金が無限に湧き出るわけではない以上、投資家が[いつまで経っても莫大なサーバー代に見合う利益が出ない]と気づいた瞬間、AIブームのバブルは一気に冷え込みます。 その時、収益化の基盤を持たない[夢売りのAI企業]は次々と消えていきます。 そこで[最後は中国が勝つ]という指摘に行き着くのは非常に納得がいく展開です。 なぜなら、中国の国家体制や産業構造は、
- [華やかなお話(AGI)]よりも、製造業の現場、監視カメラのネットワーク、行政のデジタル化、古い工場の自動化といった[地に足の着いた実需(国家のインフラ)]にAI技術を直結させる
- 国策としてインフラやサプライチェーン全体に半導体やソフトを半強制的にでも組み込めるため、マネタイズや実用化のスピードが市場原理に左右されない という特徴を持っているからです。 西側のテック企業が[チャットボットやエージェントのマネタイズに苦しみ、資金が枯渇して自滅していく]一方で、中国がリアルな産業インフラに根ざした実用システムで実利を固めていた場合、最後に笑うのは実需を抑えた側になる、というシナリオは十分に現実味を帯びています。 結局のところ、現在のAIバブルは[誰もが欲しがる魔法の杖]を作ろうとするあまり、足元で腐りかけている巨大な社会的インフラ(レガシーシステムやデータの山)の修復という[地味だが絶対に必要な仕事]を軽視している危うさを孕んでいます。 [幻想を売るビジネス]から[社会の崩壊を防ぐ実需のビジネス]へ舵を切れるかどうかが、生き残る企業(あるいは国家)を分ける境界線になりそうです。