【宮台真司が"トランプ支持"を貫く理由】なぜ世界の貧困化は止まらないのか?資本主義、自由貿易が抱える闇を暴く【神回】
【宮台真司が"トランプ支持"を貫く理由】なぜ世界の貧困化は止まらないのか?資本主義、自由貿易が抱える闇を暴く【神回】
■【宮台真司が"トランプ支持"を貫く理由】なぜ世界の貧困化は止まらないのか?資本主義、自由貿易が抱える闇を暴く【神回】
統治コストと社会構造への疑問
- 統治コストが上昇することで最終的に利益を得るのは誰か、という疑問が示される。
- ルールや法律といった決め事が壊され、力で強制し税金を徴収する単純な論理が語られる。
- その結果、移転先も貧困化するという流れが述べられる。
- [以下は私による補足]
- グローバル企業は自らの利益追求のために、工場の移転先の国民の労働力と国家財政の両方を収奪し、移転の結果生じる社会的コストやリスクを移転先の国民・国家に押し付けている。
- この構造は、格差や貧困の拡大、社会不安の増大、国家財政の圧迫など、さまざまな社会問題を引き起こしている。
- したがって、グローバル企業の行動が社会を変容させ、その統治コスト等を社会全体が負担するという構造自体が、現代社会の大きな問題である。
- 結局、代議制に基づく民主主義は、政治家が買収され、立法・行政・司法がグローバル企業によって乗っ取られた結果、事実上の独裁制になることを意味している。
- 権力が強大になることによる独裁制を許す仕組みそのものが誤りである。
- ドミニオンやムサシによって選挙結果すらゆがめられている現状では、民主主義は死んでいる。
宮台慎司氏の出演経緯と世代間交流
- 宮台慎司氏がYouTubeチャンネルに出演するに至った経緯として、動画やSNSでのやり取りやイベント参加などが語られる。
- 宮台氏と直接対面し、話を聞く機会を得て、大阪への訪問を依頼したことで今回の出演に至る。
- 下の世代とつながりたいという思いがあり、特定の人とだけ深く関わりたいと考えている。
トランプ支持とその背景
- 2016年からトランプ支持の理由について一貫して語っており、その理屈を語る機会が少ないと感じている。
- トランプ支持の背景にはコミュニタリアンが集まっているという見方がある。
- テックエリートやテクノリバタリアンと呼ばれる人々が現状を変えたいと考えている。
リバタリアニズムとアメリカの歴史
- リバタリアニズム〔自由市場主義〕は元々市場原理主義とは異なり、アナキズムやコミュニタリアニズムとも共通する側面があった。
- アメリカの開拓時代の生活形式は、自由と家族や仲間を守ることに重きを置いていた。
- 産業革命後、労働者の生活は地域との結びつきが薄れ、ベッドタウン化が進んだ。
- 南北戦争後、北部は産業を育成するため奴隷解放を行い、南部の体制を弱体化させようとした。
リベラリズムの限界と前提
- リベラリズム的な主張や行動の背景には、真に良さげなことをしたいのかどうかを考えるリテラシーが必要だと指摘される。
- 奴隷解放はリベラリズムの象徴のように思われるが、その背景には注意が必要である。
アメリカ社会の変容と理想の変遷
- 南北戦争後のアメリカでは、工業化や都市化が進み、タウンシップや家族中心の生活は希薄になる。
- 産業革命以降、労働者は都市で働き郊外で家族と暮らす生活パターンが定着し、地元や家族との結びつきが弱まる。
- リバタリアン、無政府主義、コミュニタリアンが同一視されていた図式が崩れ、リベラリズムが主流となる。
- リベラリズムは法律による強制的な再分配を通じて弱者を守るが、本来の理想とは異なる状況に陥る。
社会秩序と統治の本質
- アリストテレスは[処罰によって秩序を保つ社会]と[善き心によって秩序が保たれる社会]を比較し、後者を理想とするが、現代社会では前者が必要となる。
- サンデルも同様に、本来は善き心による秩序が理想だが、現実には権力による統治が必要となったと語る。
アメリカ政治史と現代の潮流
- アメリカの歴史では、ジェファソン主義とハミルトン主義の対立があったが、開拓農民の増加によりジェファソン主義〔民主的統治〕が主流となる。
- 20世紀以降、民主党が集権的エリート統治を、共和党が民主的統治を主張する構図が定着する。
- トランプは民主的統治に回帰しようとする動きであり、リベラルの強制や再分配に疑問を持つ人々に支持される。
- 中絶問題なども、連邦最高裁の判断によって州ごとに異なる解決策が認められるべきだという考え方が広がる。
- トランプの登場は、アメリカの伝統的な民主的な統治に戻ろうとする流れであり、リベラルとは異なる価値観を持つ。
価値観の多様性と行動原理
- イエス・キリストの[目の前に困っている人がいれば助ける]という姿勢は、ルールや法律を超えた行動を重視する点で現代にも通じる。
- トランプも、既存の秩序を壊す象徴として登場し、政策の成否よりも既存の枠組みを壊す意義が大きいと受け止められる。
グローバル化とその帰結
- 国際自由貿易やグローバル化は理論上は世界を豊かにするとされるが、現実には戦争や経済制裁、生産拠点の移転によって格差が拡大する。
- 生産拠点の移転や移民の流入は賃金の低下や貧困化を招き、統治コストの増加や社会的な分断を引き起こす。
- 統治コストが増加すると政府予算が膨張し、行政国家化が進む。
- 政府が国債を発行し、それをグローバル金融資本が購入することで、最終的に儲かるのは限られた者たちとなる。
- 戦争や紛争が続く背景には、軍産業や金融資本が利益を得ている構造がある。
グローバルな課題とダークサイド
- グローバルな集金システムやSDGs、地球温暖化対策なども、最終的に誰が得をするのかという視点が必要である。
- 物事には必ずダークサイドが存在し、表面的な主張の裏側にある構造を見極めることが重要である。
1.政治思想・社会思想系統
リバタリアニズム〔Libertarianism〕
- 定義:個人の自由、特に経済的自由を最大限重視し、政府の介入を最小限に抑えるべきとする思想。自由市場主義とも。
- 派生語:リバタリアン〔Libertarian〕…リバタリアニズムを信奉する人。
アナキズム〔Anarchism〕
- 定義:国家や権力、階級制度などすべての強制的な支配構造を否定し、個人や集団の自発的協力による社会を目指す思想。
- 派生語:アナーキスト〔Anarchist〕…アナキズムを信奉する人。
原始共産主義〔Primitive Communism〕の定義
- 定義:国家や階級、私的所有が存在せず、集団全体で生産物を共有し、平等に分配する社会形態。狩猟採集社会など人類の原始的な共同体に多く見られたとされる。
- 派生語:原始共産主義者〔Primitive Communist〕…原始共産主義的な社会を理想とする人。ただし一般的には特定の個人を指す用語はあまり使われず、主に社会形態を指す。
アナキズムと原始共産主義の違い
- アナキズム
- 目指す社会:強制的な支配構造〔国家・権力・階級〕のない、個人や集団の自発的協力による社会。
- 思想の特徴:近代以降の社会批判から生まれた思想。権力や階級の否定を強調し、自由と平等を重視。
- 実現方法:既存の国家や権力を廃絶し、自発的な協力関係を構築することを目指す。
- 原始共産主義
- 目指す社会:国家や階級、私的所有のない、集団全体で生産物を共有・分配する社会。
- 思想の特徴:人類の歴史的・原始的な共同体に由来する社会形態。近代の思想ではなく、歴史的事実や人類学的な概念。
- 実現方法:思想としての実現方法はなく、人類の歴史的な社会形態を指す。
まとめ
- アナキズム:近代的な思想で、強制的な支配構造を否定し自発的協力を目指す。
- 原始共産主義:人類の原始的な社会形態で、私的所有や階級がなく共有・分配が行われていた。
用語集
コミュニタリアニズム〔Communitarianism〕
- 定義:個人よりも共同体〔コミュニティ〕の価値を重視し、共同体の伝統や規範、連帯を社会の基盤と考える思想。
- 派生語:コミュニタリアン〔Communitarian〕…コミュニタリアニズムを信奉する人。
リベラリズム〔Liberalism〕
- 定義:個人の自由と権利を重視し、政府は社会的弱者を守るために介入すべきとする思想。現代では社会的公正や再分配も重視。
- 派生語:リベラル〔Liberal〕…リベラリズムを信奉する人。
ジェファソン主義〔Jeffersonianism〕
- 定義:トーマス・ジェファソンが主張した、州の権限を重視し、連邦政府の権限を制限する民主的な統治思想。
ハミルトン主義〔Hamiltonianism〕
- 定義:アレクサンダー・ハミルトンが主張した、強い連邦政府と集権的エリートによる統治を目指す思想。
民主的統治〔Democratic Governance〕
- 定義:市民の意思が直接または間接的に政治に反映される統治形態。
集権的エリート統治〔Centralized Elite Governance〕
- 定義:少数のエリートが中央集権的に政治を支配する統治形態。
2.経済思想系統
自由市場主義〔Free Market Capitalism〕
- 定義:政府の介入を最小限にし、市場の自由な競争と取引によって経済が調整されるべきとする経済思想。リバタリアニズムと重なる。
- 派生語:市場原理主義〔Market Fundamentalism〕…市場の自律性を絶対視する考え方。
グローバル化〔Globalization〕
- 定義:経済、文化、情報などが国境を越えて一体化・相互依存する現象。
国際自由貿易〔International Free Trade〕
- 定義:国境を越えて自由に商品やサービスが取引される経済体制。
グローバル金融資本〔Global Financial Capital〕
- 定義:国境を越えて活動し、金融市場や投資を通じて経済に影響を与える資本。
3.社会・地域・生活関連
タウンシップ〔Township〕
- 定義:アメリカの地方自治体の一種で、小さな町や村を指す。地域共同体の単位。
ベッドタウン〔Bedtown〕
- 定義:都市の郊外に位置し、住民が都市に通勤・通学する居住地域。
産業革命〔Industrial Revolution〕
- 定義:手工業から機械工業への転換により、社会や経済が大きく変化した歴史的過程。
奴隷解放〔Emancipation of Slaves〕
- 定義:奴隷制を廃止し、奴隷を解放する政策や運動。
4.その他の重要語句
テックエリート〔Tech Elite〕
- 定義:ITやハイテク産業で成功し、社会的影響力を持つエリート層。
テクノリバタリアン〔Techno-libertarian〕
- 定義:技術革新と自由主義を結びつけ、政府の規制を最小限にすべきと考える人々。
統治コスト〔Governance Cost〕
- 定義:社会を統治・運営するために必要な費用やコスト。
行政国家化〔Administrative State〕
- 定義:政府や行政機関が社会のあらゆる分野に介入し、管理・統制を強める傾向。
ダークサイド〔Dark Side〕
- 定義:表向きの主張や政策の背後に隠れた、否定的・負の側面。
SDGs〔Sustainable Development Goals〕
- 定義:国連が定めた持続可能な開発目標。貧困や環境問題など17の目標からなる。
5.人物・象徴
トランプ〔Trump〕
- 定義:ドナルド・トランプ。アメリカ合衆国第45代大統領。既存秩序を壊す象徴として語られる。
イエス・キリスト〔Jesus Christ〕
- 定義:キリスト教の創始者。困っている人を助ける姿勢が象徴的。
アリストテレス〔Aristotle〕
- 定義:古代ギリシャの哲学者。社会秩序や倫理についての思想で知られる。
サンデル〔Sandel〕
- 定義:マイケル・サンデル。現代アメリカの政治哲学者。コミュニタリアニズムや正義論で有名。
まとめ表
系統 | 語句・派生語 | 定義・説明 |
---|---|---|
政治思想・社会思想 | リバタリアニズム/リバタリアン | 個人の自由・経済的自由を重視し政府介入を最小限に |
アナキズム | 国家や権力を否定し自発的協力を重視 | |
コミュニタリアニズム/コミュニタリアン | 共同体の価値を重視し連帯を基盤とする思想 | |
リベラリズム/リベラル | 個人の自由・権利を重視し政府は弱者保護のために介入 | |
ジェファソン主義 | 州の権限を重視し連邦政府の権限を制限する民主的統治思想 | |
ハミルトン主義 | 強い連邦政府と集権的エリートによる統治を目指す思想 | |
民主的統治 | 市民の意思が政治に反映される統治形態 | |
集権的エリート統治 | 少数エリートが中央集権的に政治を支配する統治形態 | |
経済思想 | 自由市場主義/市場原理主義 | 政府介入を最小限にし市場の自由競争で経済が調整されるべきとする思想 |
グローバル化 | 経済・文化・情報が国境を越えて一体化する現象 | |
国際自由貿易 | 国境を越えて自由に商品・サービスが取引される経済体制 | |
グローバル金融資本 | 国境を越えて活動し金融市場や投資で経済に影響を与える資本 | |
社会・地域・生活 | タウンシップ | 小さな町や村を指す地方自治体の単位 |
ベッドタウン | 都市郊外に位置し都市に通勤・通学する居住地域 | |
産業革命 | 手工業から機械工業への転換による社会・経済の大変革 | |
奴隷解放 | 奴隷制を廃止し奴隷を解放する政策・運動 | |
その他 | テックエリート | IT・ハイテク産業で成功し社会的影響力を持つエリート層 |
テクノリバタリアン | 技術革新と自由主義を結びつけ政府規制を最小限にすべきと考える人々 | |
統治コスト | 社会を統治・運営するための費用・コスト | |
行政国家化 | 政府・行政機関が社会のあらゆる分野に介入し管理・統制を強める傾向 | |
ダークサイド | 表向きの主張や政策の背後に隠れた否定的・負の側面 | |
SDGs | 国連が定めた持続可能な開発目標 | |
人物・象徴 | トランプ | 既存秩序を壊す象徴として語られるアメリカ元大統領 |
イエス・キリスト | 困っている人を助ける姿勢が象徴的なキリスト教創始者 | |
アリストテレス | 社会秩序や倫理についての思想で知られる古代ギリシャの哲学者 | |
サンデル | コミュニタリアニズムや正義論で有名な現代アメリカの政治哲学者 |