ゆきねこ先生

四段動詞[書く]について|接続と活用の仕組み|古典文法

接続と活用のマクロ的理解|通常の古典文法書では[接続]があるから[活用]があるという事実を隠蔽している

  • 四段動詞[書く]を例に取る。
  • 直後語として、例えば、[なになに形接続の助動詞・助詞]があるから、直前語である四段動詞[書く]が活用するわけである。
  • 活用する原因は、直前語である四段動詞[書く]に対して、直後語=下接語=後置語が、どの活用形になるよう要請するか、という[接続要件]である。
  • つまり、直後語=下接語=後置語にこそ主導権があるわけであり、活用語は、単に受動的に、直後語=下接語=後置語からの[未然形になれ][連用形になれ][終止形になれ][連体形になれ][已然形になれ][命令形になれ]といった[接続要件]をうけたまわって、語形変化するわけである。
  • いいか? 活用語は自発的に活用しているのではないぞ。
  • 活用語は直後語の要求に基づいて受動的に活用しているだけであり、大事なのは直後語が何形接続なのか? 
  • 体言〔名詞類〕であれば、連体形接続である。
  • 古典文法書を作った人たちは、意地悪なことに、体言〔名詞類〕が連体形接続であることを明確に書かない。
  • つまり体言〔名詞類〕というものは、[直前語よ、連体形たれ]という接続要件を有する品詞グループなんだね。こういうのを連体形接続という。
  • 未然形接続の品詞は[直前語よ、未然形たれ]という接続要件を有する。だから直前語である[書く]は、接続要件を満たすために[書か]〔ア段音〕になる。
  • 連用形接続の品詞は[直前語よ、連用形たれ]という接続要件を有する。だから直前語である[書く]は、接続要件を満たすために[書き]〔イ段音〕になる。
  • 終止形接続の品詞は[直前語よ、終止形たれ]という接続要件を有する。だから直前語である[書く]は、接続要件を満たすために[書く]〔ウ段音〕になる。
  • 連体形接続の品詞は[直前語よ、連体形たれ]という接続要件を有する。だから直前語である[書く]は、接続要件を満たすために[書く]〔ウ段音〕になる。
  • 已然形接続の品詞は[直前語よ、已然形たれ]という接続要件を有する。だから直前語である[書く]は、接続要件を満たすために[書け]〔エ段音〕になる。
  • 命令形接続の品詞は[直前語よ、命令形たれ]という接続要件を有する。だから直前語である[書く]は、接続要件を満たすために[書け]〔エ段音〕になる。
  • [書く]は、[ア・イ・ウ・ウ・エ・エ]の範囲で活用するがゆえに、いいかえれば、[ア・イ・ウ・エ]の四段にわたり、活用するがゆえに、四段動詞というのである。
    • 四段活用など、活用の種類は、語形変化の範囲〔どの範囲で活用するか=活用の領域〕を意味している。
  • 大半の古典文法書は、活用の原因が直後語=下接語=後置語が要求する[◯◯形接続]という[接続要件]にあることを明確には説明していない。
  • 私が見つけた例外は、[下に付く語が上の語を変化させる]と明記している[古典文法マスタードリル|文英堂]だな。このドリルの著者である、ゆきねこ〔西村雪野〕先生は、信頼できる。
  • [古典文法マスタードリル|文英堂]は、やや詳細なので、先に[基礎からのジャンプアップノート 古典文法|旺文社]を、答えを見ながら読み込むことを通じて、先に[全体観〔overview〕]を把握してから[古典文法マスタードリル]で詳細な本格仕上げをするのがよいと思う。
  • [書き込み式ノート教材]といえども、自分で書かなくてよい。目で処理できる部分は目でやること。
  • [古典文法マスタードリル|文英堂]は、別冊解答編において、赤シートで答えが隠れるので、徹底して赤シートを使う。
  • それから、[古典文法マスタードリル|文英堂]も、[基礎からのジャンプアップノート 古典文法|旺文社]も、出現した用例は、通釈から古文が作文できるまで、ちゃんと用例を覚えること。
    • [共通テスト]で時間が足りないのは、古文・漢文に時間をかけているからであろう。
    • 古文の速読力は、暗記した用例の本数に比例する。これは絶対の真理。読解は記憶の想起にすぎない。脳内に例文がたくさん入っているヤツが速く正確に読める。
    • 英文の速読力は、暗記した用例の本数に比例する。これは絶対の真理。読解は記憶の想起にすぎない。脳内に例文がたくさん入っているヤツが速く正確に読める。
    • 訳せるようにしようと練習して、余計な時間を使うヤツは三流。
    • 用例ごと丸暗記して、古作文・英作文できるまで徹底して習得するヤツが、[共通テスト]で時間が余る珍しいヤツになれる。
  • 人間的な説明をぜんぶカットした無味乾燥な内容なので、まったくオススメしないのが、[ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル-四訂版-|河合出版]である。[ステップアップノート30]は、すでに古典文法を習得済みの人が復習するための[書き込み式ノート教材]である。
    • 河合出版の印刷教材は、フォントが小さいので見づらい。

基礎からのジャンプアップノート 古典文法 演習ドリル 新装改訂版 | 旺文社
古典文法 マスタードリル | シグマベストの文英堂
ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル-四訂版- | 河合出版