人間の可聴域の分類〔人間に聞こえる音波の周波数の範囲〕|低域・中域・高域
- 人間の可聴域〔20Hz~20kHz:聞き取れる周波数の範囲〕は、おおよそ次のように分類される。
- ●低域:20Hz~600Hz〔うち重低音:20Hz~100Hz〕
- ●中低域:600Hz~800Hz
- ●中域:800Hz~2kHz
- ●中高域:2kHz~4kHz
- ●高域:4kHz~20kHz
空洞の多いプラスチック筐体〔きょうたい〕に取り付けられた本体付属マイクで録音すると安っぽい音になる
- ■ZOOM MicTrak | ZOOM
- [ZOOM M2 MicTrak][ZOOM M3 MicTrak][ZOOM M4 MicTrak]のように、空洞の多いプラスチック筐体〔きょうたい〕に取り付けられた本体付属マイクで録音すると、空洞の多いプラスチック筐体の[鳴き]が録音された音声に加わり、チャチで安っぽい音質になる。
- このプラスチック筐体の[鳴き]とは、アコースティックギターやバイオリンのボディが醸し出す[共鳴]と同じものだけれども、マイクにおいて筐体の[鳴き]はマイナスにしかならない。
- [鳴く]ようなマイクは推奨できない。例えば[ZOOM M3 MicTrak]は音質的に残念なので、[SENNHEISER MKE600]+[ZOOM F2 / F2-BT Field Recorder]などを使うのが適切である。
音質がいいマイクは、金属製で重たいものである
- マイクというものは、マイクユニットだけでなく、ボディやグリル/ウインドスクリーンまで含めて、一つの楽器である。
- しかもマイクは、変わった楽器である。
- それは、音波という疎密波〔縦波〕の衝撃に負けないだけの質量をもつことによって〔重たいことが重要〕マイクユニットをしっかりとホールドすることで、マイクボディは振動せずに、マイクユニットのダイアフラム〔振動板〕だけが振動するようにする必要があるからだ。
- また[マイクボディの質量が高い]とは、マイクボディが金属であるということを意味するけれども、金属であるマイクボディそのものが鳴かないよう〔振動しないよう〕に、鳴き止めをする必要がある。
- 金属そのものも[仏壇の鈴〔りん〕=棒で叩いてチーンと鳴らす仏具]と同じく、物体の形状や材質に応じて、特定の周波数で[鳴く]ので、この[鳴き]を止めるために、金属の裏にブチルゴムなどのシートを貼り付ける、あるいは、コーキング剤を充填するなどの[鳴き止め]を行なうことが多い。
- それは、音波という疎密波〔縦波〕の衝撃に負けないだけの質量をもつことによって〔重たいことが重要〕マイクユニットをしっかりとホールドすることで、マイクボディは振動せずに、マイクユニットのダイアフラム〔振動板〕だけが振動するようにする必要があるからだ。
- このことは、[重たく、しかも鳴き止めが徹底された金属製のマイクボディでなければ、いい音が収録できるわけがない]という法則ともいうべき、一つの傾向になっている。
- ちなみに、スピーカーシステムも、音波という疎密波〔縦波〕を発するときの衝撃に負けないだけの質量をもつ〔重たいこと〕が、高音質にとっては重要である。
語りを収録するときの[いい音]とは?
(1)生音的ローノイズ〔Acoustic low noise〕《1》[残響/エコー][背景雑音]などの生音的〔なまおとてき〕ノイズが少ない
残響〔reverberation:リヴぁーバれイション〕=連続的反射音
■Reverberation Time and 3D Audio Demos
■1: 室内音響の概要
- 残響とエコーは、ともに、音源が発した音声が、空間内で反射することによって生じる現象ではあるけれども、その聞こえ方には特徴的な違いがある。
- 残響は、原音との境目が曖昧で、音が連続的に反射して徐々に減衰する現象である。
- エコーは、原音との境目が明瞭で、反射音の繰り返しを、数え上げることができる現象である。
エコー〔echo:えコー〕=離散的反射音
- エコーは、原音と明確に分離された状態で、原音に対して遅れて聞こえる、離散的な反射音である。
- オーディオ界隈では、人間の聴覚は、直接音と反射音との間隔が約30ミリ秒以上であるとき、それらを二つの音として聞き分けることができる、とされる。
- 原音が耳に到達してから約30ミリ秒以上遅れて反射音が聞こえる現象をエコー〔long path echo〕という。
- フラッターエコー〔flutter echo〕は、音声を反射する板の間を、音声が何度も反射して生じる現象を意味する。
- 日本では、フラッターエコーのことを[鳴竜〔なきりゅう〕:roaring dragon]とよぶことがある。
- ■NIKKO・Toshogu 鳴き龍 The dragon barks.
- ■明日に架ける橋 (第5回多々羅大橋)
二系統以上で録音すると、音波の到達時刻がズレる|生音的〔アコースティック〕なレイテンシー〔遅延時間〕
- 例えば、【1】[ワイヤレスのラベリアマイク]と【2】[ショットガンマイク]の二系統で収音した場合、【2】[ショットガンマイク]の位置が離れていると、【1】と【2】とを動画編集ソフトなどでミックスした場合、エコーになって聞こえる。
- つまり、二系統以上で録音すると、音波の到達時刻がズレる関係から、生音的〔アコースティック〕なレイテンシー〔遅延時間〕が発生し、それが録音内容に投影されることになる。
- マルチトラックレコーダーを使い、【1】[ワイヤレスのラベリアマイクの音声]と【2】[ショットガンマイクの音声]は、別トラックに録音しておくのが通常である。
- マルチトラックレコーダーで別トラックとして録音しておけば、動画編集ソフト、あるいは、波形編集ソフトで、音波の微細なズレを一致させることができる〔音声をミキシングしても不自然でない状態になる〕からだ。
■3号館スタジオ使用2-5 ブームポールの扱い方
■【ガンマイク講座】一から学ぶ撮影現場での基本的な使い方と考え方!録音の基礎知識!
■撮影現場での適切な収音テクニック
■【音比べ】ピンマイクの付け方による音質や服の擦れ音と風切音の差を検証・ピンマイクの使い方
残響/エコーの多い部屋/少ない部屋
- 残響/エコーの多い部屋を[ライブ/ウェットな音響特性の部屋〔a room with live or wet acoustics〕]という。
- [残響/エコー]の面で[生音的S/N比を改善する]ためには、[床・壁・天井に吸音材を貼る]などして[響きの少ない部屋]にする、という対策が考えられる。
- 残響/エコーの少ない部屋を[デッド/ドライな音響特性の部屋〔a room with dead or dry acoustics〕]という。
- エフェクターや補正をかけない加工なしの音源の状態をdryという。
- エフェクターや補正をかけた加工ありの音源の状態をwetという。
- ●dark〔ダーク〕な音色:低域・中低域・中域に強調があり、温かみがあり、やわらかで、まろやかな印象を与える:ダイナミックマイクでいえば、SHURE/Electro-Voiceがこの傾向をもつ。高域が抑制されている、明瞭度の低い、こもった音質だけれども、聞き疲れしにくい。
- ●bright〔ブライト〕な音色:高域・中高域に強調があり、明るく、きらびやかで、ヴィヴィッドな印象を与える:ダイナミックマイクでいえば、SENNHEISER/audio-technicaがこの傾向をもつ。高域が強調されている、明瞭度の高い、シャキッとした音質だけれども、聞き疲れしやすい。
- [収録された、語りの音声の聞き取りやすさ〔音声の明瞭度〕]という観点からすると、[残響/エコーの少ない部屋]=[デッド/ドライな音響特性の部屋]で音声収録を行なうことが望ましい。
- ただし、残響の多い音楽堂で合唱をすると荘厳な雰囲気になるので、残響には効用がある、という場合もある。
- そもそも、ボーカルトラックには、たいていリバーブというエフェクトをかけるものである。
- ■Roland RE-201 Space Echo
- また、エフェクターの一種に、エコーを意図的に作るものがある。
- つまり残響/エコーが、絶対悪であるという考え方は、捨て去ったほうがよい。
- なお、スピーカーを使ってオーディオを楽しむ目的であれば、[適度な残響のある部屋]であったほうが好ましいことが多い。
- しかし、モニタースピーカーで録音内容をチェックしながら音作りを行なうためのスタジオであれば、[デッド/ドライな音響特性の部屋]のほうが好ましい。
背景雑音〔background noise:ばクグらウンド・のイズ〕
- 背景雑音〔バックグラウンドノイズ〕という用語は、アコースティックな〔生音的:なまおとてき〕文脈でも、エレクトリックな〔電気的〕文脈でも使われる。
- アコースティックな〔生音的〕文脈では、[主たる《音声》]以外の[不要な《音声》]を背景雑音という。
- エレクトリックな〔電気的〕文脈では、[主たる〈信号〉]以外の[不要な〈信号〉]を背景雑音という。
- 背景雑音が多いと、主たる音声〔信号〕が背景雑音によってマスキングされてしまい、主たる音声〔信号〕の明瞭度が下がる。
- 背景雑音は少ないことが求められる。
iZotope RXは音質低下の元凶
- 例えば、収録済みの音声データに対して、iZotope RXのDe-reverbなどのデジタル処理によって残響抑制処理をすると、高域減衰やノイズの増大が感じられる。
- デジタル処理によってノイズリダクション〔雑音低減〕や残響抑制処理などをすると、とくに高域の減衰、高域の音質劣化がいちじるしくなり、[音声言語としてハッキリと聞き取れる度合い]が大幅に低下する傾向がみられる。
- 音声明瞭度〔STI:Speech Transmission Index〕は[ハッキリと聞き取れる度合い]であり、0の[明瞭度が低い]から、1の[明瞭度が高い]まで、0から1までの数値として表現され、0.6以上が理想とされる。
生音的S/N比|acoustic source-noise ratio
- アコースティックな〔生音的〕環境に、電気は直接的には関係していない。
- したがって、[アコースティックな文脈におけるS/N比]に、[signal-noise ratio〔スぃグナル・ノイズ・れイショウ:信号対雑音比〕]という電気的な用語を当てはめることは、現実にそぐわない。
- そこで、[アコースティックな文脈において使用できるS/N比]として、[acoustic source-noise ratio〔アコウスティク・ソース・ノイズ・れイショウ:生音的音源対雑音比〕]という用語を、ここで定義することにした。
- [acoustic source-noise ratio〔生音的音源対雑音比〕]という表現は、意図して同語反復とも受け取れるような表現にしてある。
- それは、わかりやすさのために[生音的S/N比]と[電気的S/N比]という対比的なS/N比の表現を作るためである。
- 「[生音的S/N比]が高い」とは、[主たる音声]が優位で、[残響/エコー][背景雑音]などが邪魔にならない状態であることを意味する。
- 逆に[残響/エコー][背景雑音]などが多いと、[主たる音声]が[残響/エコー][背景雑音]などによってマスキングされてしまい、[主たる音声]がぼやけて聞き取りづらくなる。
- [残響/エコー][背景雑音]などは少ないことが求められる。
- [生音的S/N比]であれ、[電気的S/N比]であれ、S/N比が高いことが求められる。
- [生音的S/N比]であれ、[電気的S/N比]であれ、[ノイズリダクション〔雑音低減〕]という表現は[S/N比の改善]といいかえることができる。
- [システムや環境に存在する最低レベルの背景雑音〔バックグラウンドノイズ〕]をノイズフロアといい、ノイズフロアという用語は、エレクトリックな〔電気的〕文脈でも、アコースティックな〔生音的〕文脈でも使われる。
(2)電気的ローノイズ〔Electrical low noise〕《2》[ヒスノイズ][ホワイトノイズ]などの電気的ノイズが少ない
※ヒスノイズ〔高域のサーッ/シーッというノイズ〕
※ホワイトノイズ〔可聴域全体にわたるザーッ/ゴーッというノイズ〕
電気的S/N比〔狭義〕|electric signal-noise ratio
- [生音的S/N比]との対称性を考え、[電気的S/N比]という用語を定義した。
- そこから逆算的に、[electric signal-noise ratio〔エれクトゥリク・スぃグナル・ノイズ・れイショウ:電気的信号対雑音比〕]という同語反復を含む定義を、意図的に作った。
- [信号〔signal〕は電気的〔electric〕にきまっている]のだけれども、[電気的S/N比]という表現を作るために、意図して同語反復にしてある。
- 「[電気的S/N比]が高い」とは、[主たる信号]が優位で、電気的なノイズが邪魔にならない状態であることを意味する。
- 電気的なノイズとは、ヒスノイズ・ホワイトノイズ・ハムノイズ・バズノイズ・スイッチングノイズなどを指し示す。
- [生音的S/N比]であれ、[電気的S/N比]であれ、S/N比が高いことが求められる。
- [生音的S/N比]であれ、[電気的S/N比]であれ、[ノイズリダクション〔雑音低減〕]という表現は[S/N比の改善]といいかえることができる。
- [システムや環境に存在する最低レベルの背景雑音〔バックグラウンドノイズ〕]をノイズフロアといい、ノイズフロアという用語は、エレクトリックな〔電気的〕文脈でも、アコースティックな〔生音的〕文脈でも使われる。
(3)聞き取りやすい|[中高域がブーストされた音質]〔mid-high frequencies boosted sound quality〕
[聞き取りやすい音声]は[中高域がブーストされた音質]をもつけれども、耳に刺さる刺激的な音質は嫌われる。それゆえ、クセのない中立的なヘッドホン/スピーカーで確かめないと、調整を誤るので要注意である。
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マイクの音質の傾向【1】|bright〔ブライト〕な音色シャッキリ音色
- ●bright〔ブライト〕な音色:高域・中高域に強調があり、明るく、きらびやかで、ヴィヴィッドな印象を与える:ダイナミックマイクでいえば、SENNHEISER/audio-technicaがこの傾向をもつ。高域が強調されている、明瞭度の高い、シャキッとした音質だけれども、聞き疲れしやすい。
マイクの音質の傾向【2】|dark〔ダーク〕な音色もっさり音色
- ●dark〔ダーク〕な音色:低域・中低域・中域に強調があり、温かみがあり、やわらかで、まろやかな印象を与える:ダイナミックマイクでいえば、SHURE/Electro-Voiceがこの傾向をもつ。高域が抑制されている、明瞭度の低い、こもった音質だけれども、聞き疲れしにくい。
マイクにおける高域成分の功罪|歯擦音をはじめとする、耳に刺さる不快な高域成分/高域のビリつき・ひずみ
- アメリカのラジオ局では、SHURE/Electro-Voiceが多用されている。
- アメリカ人はdarkな音色のマイクが好きで、ドイツ人や日本人はbrightな音色のマイクが好きなのかもしれない。
- [高域までよく伸びた、きらびやかな音質]と[歯擦音をはじめとする、耳に刺さる不快な高域成分/高域のビリつき・ひずみ]は、コインの表裏の関係にある。
- ■VB-Audio Spectralissime
- YouTubeなどの音声をスペクトルアナライザーで見ていると、音声のレベルは周波数ごとに大きく異なり、とくに肉声の高域成分の強まりは、突発的であることがわかる。
- SHURE/Electro-Voiceは、[歯擦音をはじめとする、耳に刺さる不快な高域成分/高域のビリつき・ひずみ]を、マイクの段階で抑制する思想で、マイクの音色をチューニングしている感じがする。
- マイクの選定にあたっては、[話者の発音〔子音とくに歯擦音が強いかどうか〕][話者の声質〔ハスキーボイス/甲高い声など高域成分が多いかどうか〕]などを考慮に入れつつ、[高域を過剰に拾うマイク]を避ける必要も出てくる。
- それは、いったん発生した[歯擦音をはじめとする、耳に刺さる不快な高域成分/高域のビリつき・ひずみ]を後処理で修正することは、きわめて難しいからだ。
- ハスキーボイス/甲高い声は、ノコギリ波・矩形波のような、耳に痛い波形をもっているので、darkな音色のマイクを使って、その[耳にヒリヒリくる波形の鋭さ・波形の角張り]を丸めるのが適切であろう。
- 私自身がYouTubeで動画を止めるのは、[シンセサイザーで波形を直接作ったような、耳に刺さる音質の効果音が、突発的に大音量で使われた場合]である。
- 効果音の多くはコンプレッサーで波形がつぶしてあり、この高密度な波形は、唐突な大音量として耳に届く。
- とにかく、[不意の大音量〔コンプレッサーの使いすぎ〕][耳にヒリヒリ痛い音色〔とくに高域〕]というものは、そのコンテンツが一発で嫌われるので、注意が必要である。
- しかも「音色が嫌いだからその動画コンテンツを見ない、その音声コンテンツを聞かない」というふうに言語化することなく、暗黙裏に顧客が離れていくので、コンテンツの提供者が自分で気づくしかない。
- PodcastでSHURE SM7B / SHURE SM7dBが多用されているのは、[歯擦音をはじめとする、耳に刺さる不快な高域成分/高域のビリつき・ひずみ]が発生しないように、どちらかというと[こもり気味の音色]にチューニングされているからであろう。
- [不快な高域成分が耳に刺さる感覚]は、日焼けによって炎症を起こした皮膚にお湯をかけるときのヒリヒリ感に似ている。
- [高域のビリつき・ひずみを聞く感覚]は、化学繊維の毛糸のマフラーが、首をチカチカ刺すような感じに似ている。
- SM7B / SM7dBは、リスナーにおいて[好き嫌い]が強く発生しづらい[無難な音色]をもつ、空気のようなマイクなのである。
Neumann ( ノイマン ) / M149 Tube〔真空管プリアンプ付きコンデンサーマイク〕
Neumann ( ノイマン ) / M149 Tubeの電源をSUGARSPECTORさんが改造したBEFORE/AFTER
- BEFORE:ブライト/ダークでいえば、ブライトである。耳に刺さる高域成分がある。
- BEFOREでは[高域のきらびやかでヴィヴィッドな印象]がある。いいかえれば[高域のビリつき・高域のひずみ]がやや目立つ。
- AFTER:ブライト/ダークでいえば、ダークである。耳に刺さる高域成分が目立たなくなった。
- AFTERでは[高域のトゲがなくなり、温かみがあり、やわらかで、まろやかな印象]がある。いいかえれば[高域のビリつき・高域のひずみ]が目立たなくなった。
- [高域のビリつき・高域のひずみ]を[高域のきらびやかでヴィヴィッドな印象]と解釈するリスナーがいるらしいことを、以下のYouTubeのコメント欄から知った。
男声
■Neumann (ノイマン) の真空管マイク、M149 TUBE をSUGARSPECTORさんに魔改造していただいたので、ボーカルの比較音源を使ってレビューいたします!|男声〔アカペラ〕|前
■Neumann (ノイマン) の真空管マイク、M149 TUBE をSUGARSPECTORさんに魔改造していただいたので、ボーカルの比較音源を使ってレビューいたします!|男声〔アカペラ〕|後
■Neumann (ノイマン) の真空管マイク、M149 TUBE をSUGARSPECTORさんに魔改造していただいたので、ボーカルの比較音源を使ってレビューいたします!|男声〔オケあり〕|前
■Neumann (ノイマン) の真空管マイク、M149 TUBE をSUGARSPECTORさんに魔改造していただいたので、ボーカルの比較音源を使ってレビューいたします!|男声〔オケあり〕|後
女声
■Neumann (ノイマン) の真空管マイク、M149 TUBE をSUGARSPECTORさんに魔改造していただいたので、ボーカルの比較音源を使ってレビューいたします!|女声〔アカペラ〕|前
■Neumann (ノイマン) の真空管マイク、M149 TUBE をSUGARSPECTORさんに魔改造していただいたので、ボーカルの比較音源を使ってレビューいたします!|女声〔アカペラ〕|後
■Neumann (ノイマン) の真空管マイク、M149 TUBE をSUGARSPECTORさんに魔改造していただいたので、ボーカルの比較音源を使ってレビューいたします!|女声〔オケあり〕|前
■Neumann (ノイマン) の真空管マイク、M149 TUBE をSUGARSPECTORさんに魔改造していただいたので、ボーカルの比較音源を使ってレビューいたします!|女声〔オケあり〕|後
[Neumann|U 87 Ai][audio-technica|AT5040][audio-technica|AT5047]の比較
■ノイマン・キラーを探せ!U87を休養させるのは誰だ?(予定外の)その⑤ 国産ブランドのフラッグシップが完全に盲点だった件!
- エフェクターや補正をかけない加工なしの音源の状態をdryという。
- エフェクターや補正をかけた加工ありの音源の状態をwetという。
- 残響/エコーの多い部屋を[ライブ/ウェットな音響特性の部屋〔a room with live or wet acoustics〕]という。
- 残響/エコーの少ない部屋を[デッド/ドライな音響特性の部屋〔a room with dead or dry acoustics〕]という。
- ●dark〔ダーク〕な音色:低域・中低域・中域に強調があり、温かみがあり、やわらかで、まろやかな印象を与える:ダイナミックマイクでいえば、SHURE/Electro-Voiceがこの傾向をもつ。高域が抑制されている、明瞭度の低い、こもった音質だけれども、聞き疲れしにくい。
- ●bright〔ブライト〕な音色:高域・中高域に強調があり、明るく、きらびやかで、ヴィヴィッドな印象を与える:ダイナミックマイクでいえば、SENNHEISER/audio-technicaがこの傾向をもつ。高域が強調されている、明瞭度の高い、シャキッとした音質だけれども、聞き疲れしやすい。
■ノイマン・キラーを探せ!U87を休養させるのは誰だ?(予定外の)その⑤ 国産ブランドのフラッグシップが完全に盲点だった件!|Neumann|U 87 Ai|dry
■ノイマン・キラーを探せ!U87を休養させるのは誰だ?(予定外の)その⑤ 国産ブランドのフラッグシップが完全に盲点だった件!|audio-technica|AT5040|dry
■ノイマン・キラーを探せ!U87を休養させるのは誰だ?(予定外の)その⑤ 国産ブランドのフラッグシップが完全に盲点だった件!|audio-technica|AT5047|dry
■ノイマン・キラーを探せ!U87を休養させるのは誰だ?(予定外の)その⑤ 国産ブランドのフラッグシップが完全に盲点だった件!|Neumann|U 87 Ai|wet
■ノイマン・キラーを探せ!U87を休養させるのは誰だ?(予定外の)その⑤ 国産ブランドのフラッグシップが完全に盲点だった件!|audio-technica|AT5040|wet
■ノイマン・キラーを探せ!U87を休養させるのは誰だ?(予定外の)その⑤ 国産ブランドのフラッグシップが完全に盲点だった件!|audio-technica|AT5047|wet
■C-800G/9X | プロオーディオ | ソニー
■Brauner ブラウナー:ドイツ製の最高級マイク
- Neumann|U 87 Ai:ヴォーカル用コンデンサーマイクのスタンダード。
- audio-technica|AT5040:U 87 Aiよりも高域にきらめき〔高域にトゲ〕がある。声がこもりがちの人には合っている。U 87 Aiよりも押し出しが強い。
- audio-technica|AT5047:U 87 Aiと同じぐらい高域のトゲが抑制されている。U 87 Aiよりも押し出しが強い。
- U 87 Aiと競争できるのはAT5047であろう。
音声明瞭度〔STI〕
- 音声明瞭度〔STI:Speech Transmission Index〕は、0の[明瞭度が低い]から、1の[明瞭度が高い]まで、0から1までの数値として表現され、0.6以上が理想とされる。
- 音声明瞭度を高める諸要素を、少しだけ深掘りする。
【1】適切な音量
- 【音声は大きすぎず、小さすぎず】。音声が大きすぎるとひずみが発生し、音声が小さすぎるとノイズにまぎれて音声が聞き取りづらくなる。
【2】できるだけS/N比が高いこと
- 【S/N比はなるべく高く】。高S/N比によってこそ、主たる音声〔信号〕が明瞭に伝わるのだ。
- [生音的S/N比]であれ、[電気的S/N比]であれ、S/N比が高いことが求められる。
- [生音的S/N比]であれ、[電気的S/N比]であれ、[ノイズリダクション〔雑音低減〕]という表現は[S/N比の改善]といいかえることができる。
■音の「明瞭性」とは-STI | サウンドシステム設計 | TOA株式会社
【3】適切な周波数特性
- 【低域を適度にカットして、中高域を上げ気味にすると聞き取りやすい】。
- [低域を適度にカットして、中高域を上げ気味にすると聞き取りやすい]けれども、強い子音、とくに歯擦音〔しさつおん:サシスセソタチツテト・カキクケコなどの子音部分:スぃビランス:sibilance〕は[歯擦音をはじめとする、耳に刺さる不快な高域成分]の代表格なので、必要があれば、ディエッサー〔de-esser:歯擦音低減効果〕やイコライザー〔EQ〕などでカットする。
音声明瞭度〔STI〕を端的に上げるには低感度のダイナミックマイクを使う
- [低感度のダイナミックマイク]は[鈍感な音波センサー]として、一定未満の音量しかもたない音波を、生音的に受け付けない。
- この原理によって、低感度のダイナミックマイクを使うと、残響/エコーや背景雑音を、生音的にカットすることができる、ということになる。
- ラージダイアフラム〔振動板が大きな〕コンデンサーマイクは、残響/エコーや背景雑音まで敏感に拾う。
- したがって、しっかり遮音されたスタジオブース以外では、ラージダイアフラムのコンデンサーマイクはおすすめできない。
- 残響/エコーや背景雑音の多い一般家庭〔非スタジオ環境〕では、低感度のダイナミックマイクを使ったほうが音声明瞭度が高まることが多い。
- 低感度のダイナミックマイクを厳選せよ。
- 音声明瞭度を向上させる最大のポイントが、この部分だといえる。
動画における音質の重要性
[聞いているだけでも内容がしっかり伝わる動画]が理想
- 人間の脳は、視覚情報よりも聴覚情報を、より効率的に処理するので、[語りを通じて、何事かを伝える動画]において、より重要なのは、動画の画質よりも、動画音声の明瞭度〔高音質=Hi-Fiである必要は必ずしもない〕である。
- [音声明瞭度が高い]とともに、[1|話の構成の適切さ][2|言葉の的確さ]がそろっているからこそ、聞き手に[語った内容]が[伝わる]のだと思う。
- [話の構成が、相手に伝わるメッセージの大筋を決める]のだと私は思っている。
- 型枠がないところへ、生コンを注ぎ込むかのような、ダラダラした長い話には、[1|話の構成の適切さ]も[結論]もない。
- [話の構成という型枠]さえあれば、[2|言葉の的確さ]が不十分だとしても、[きっと、こういう意味なのだろう]という推測も可能になる。
- 情報伝達を行なうためには、細部〔ディテールズ〕を分類・整理したうえで、細部を収容する[話の構成という型枠]=[様式]を整える必要がある。
- [話の構成という型枠]=[様式]ができあがった段階で、段取りが決まったことになる。
- あとは型枠に細部を収容していく作業をすることになる。
- ただし、これは話を単純化しているだけなのであって、細部を新たに思いつくたびに[話の構成という型枠]=[様式]を改変することになる。
- このように、練らなければ原稿は作れないので、ぶっつけ本番で語ったときに、[話の構成が、聞き手の脳裏に、箇条書き/図解として視覚的に思い浮かぶ]ような、そんな奇跡は絶対に起こらない。
- チェックリストを持たずに買い物に出かけて、帰宅してから買い忘れに気づく。こういうアホなことを何千回繰り返したことか。
- 構成台本・原稿なしの語りには、必ず[言い忘れ]がともなうものである。
- 文字言語ならば、[言い忘れ]は加筆すれば済むけれども、[語りを通じて、何事かを伝える動画]における[言い忘れ]は、動画の再編集・再書出が必要になる。
- 構成台本・原稿を作った場合ですら、必ず[書き忘れ/言い忘れ]が出てくるものである。
- ぶっつけ本番で語って、うまくいくとは思えない。
[音声/動画コンテンツ]は文字で検索できないため、それ自体、タイパが悪いメディアである
- [音声/動画コンテンツ]は、そのタイトルやタグ以外に文字情報をもたないため、[音声/動画コンテンツ]がどんな内容なのかを事前に知ることができない。
- [音声/動画コンテンツ]は、実際に聴取・視聴してみなければ、[自分にとって]ほんとうに価値あるコンテンツであるかどうかを確かめることができない。
- 聴取者・視聴者にとって、[音声/動画コンテンツ]を試しに聴取・視聴することはガチャ〔ギャンブル〕だ。
- 自分にとって役立つ動画が、どこにあるのかを調べるために[音声/動画コンテンツ]を大量に聴取・視聴するということであっては、それこそ、時間を溶かすことになってしまう。
- これでは聴取者・視聴者にとって、完全にタイパが悪い。
- そもそも[音声/動画コンテンツ]というものは、砂浜にダイヤモンドを投げたうえで砂を耕して、[この砂の中からダイヤモンド見つけなさい]と命令しているかのような、意地悪なコンテンツだという見方もできる。
- [音声/動画コンテンツ]というものは、ぜんぶ聞か〔見〕なければ中身がわからないコンテンツであり、ダイヤ〔要点〕が入っているかどうかの保証もない。
- こういう状況は、聴取者・視聴者にとって完全に不利である。
- [音声/動画コンテンツ]は、そのトランスクリプト〔文字起こしされた文字データ〕がなければ、自分が求める情報がそこに含まれているかどうかが、事前にはわからない。
- [音声/動画コンテンツ]は、そのトランスクリプトがなければ、文字検索の対象にならない。検索エンジンに引っかからなければ、その情報は、埋もれたままで終わる。
- どんなコンテンツでも、そのコンテンツが含んでいる情報・経験を、それを必要とする人・それを求める人に、迅速かつ的確に届けることが前提条件であろう。
- そうだとしたら、[音声/動画コンテンツ]には、そのトランスクリプトは[必須の付帯情報]だといえるであろう。
- [音声/動画コンテンツ]のトランスクリプトを用意しておけば、音声・動画として聴取・視聴することもできるし、文字言語として高速に読むこともできる。
- そのような、複数の情報媒体からのアプローチができるようにしておけば、それを必要とする人・求める人に、迅速かつ的確に届けることができるようになるであろう。
- そして、[音声/動画コンテンツ]の音声品質が高ければ、[ながら聞き]をすることもできる。
音声の悪い動画は離脱率が高まる
■「上田家」の撮影スタジオ訪問#パナソニックLUMIX#ニコンZ
- よいレンズ・よいカメラ・よい照明を使えば、高画質な動画を撮ることは、比較的容易である。
- 高画質の動画が増えた。しかし、人間の語りの収音がずさんな動画は多い。
- 画質がよくても、音声が水準未満の動画は、視聴者が中途離脱しがちだ。
- [音声の悪い動画]とは、おもに[残響/エコー][背景雑音]が目立つ動画である。
- また機材があまりにも安いがゆえの[音声の悪い動画]とは、音声信号の中のヒスノイズ〔高域のサーッ/シーッというノイズ〕やホワイトノイズ〔可聴域全体にわたるザーッ/ゴーッというノイズ〕が目立つ動画を意味する。
音声以前|[動画内の文字情報を読み取らなければ成立しない動画]は迷惑である
- 音質が悪い動画は、視聴する価値を感じさせない。
- 動画の音質が悪く、その補足・補填として、字幕を付けることがある。字幕をつけるぐらいだったら、アフレコなどで音声を入れ直したほうがよい。
- 字幕付き動画は、目を疲労させる分だけ、視聴者に負担をかけるので、中途離脱が増えるであろう。
- [動画内の文字情報を読み取らなければ成立しない動画]は、視聴者の視覚が[占領]されるので、[ながら〔並行処理〕]と[スキマ時間の活用]との相性が悪く、結果としてタイパが悪い、ということになる。
- [より短時間で、より多くの効用を得る]という時間経済性の概念は、現代社会において[time performance ratio〔TPR〕:時間対効用比]=[タイムパフォーマンス〔タイパ〕]として広く認識されている。
- タイパの良し悪しを重視する価値観は、Z世代が発信源であるらしいけれども、タイパの改善が好ましいことは、少しずつ[社会常識]になりつつある。
- 逆にいえば、タイパを悪くする行為が、うとんぜられる傾向が強まっているともいえる。
- 音質が悪い動画は、その音質の悪さから、[作業をしながら聞く]ということが許されないため、視聴者の時間を奪い取るタイム・ウェイスター〔time-waster:時間を無駄にさせるもの〕になってしまう。
- そもそも、[日本語で語っている動画に、日本語の字幕を入れる]というのであれば、[動画を通じてではなく、ブログ等を通じて、文字言語として情報を提供してほしい]ということがいえる。
- それは文字言語のほうが、タイパが圧倒的に高いからだ。文字言語を黙読すれば、音声言語の20倍速で内容を知ることができる。
- [日本語で語っている動画に、日本語の字幕を入れる必要]があるのは、[説明の重要な部分が、専門用語や同音異義語を含んでおり、音声言語だけでは、意味がわからない人が出てくる/誤解がしょうじる危険性がある]ということなのであろう。
- 日本語は、同音異義語が多いため、そもそもスピーチには向かない言語だといえる。
- 日本語には、西欧語の訳語として漢字で創作された、新しい熟語が数多く含まれている。
- その新しい熟語の多くは、音読みをする二字熟語であり、二字熟語の中に同音異義語が多数存在する。
- だからこそ、日本語変換システムでは[かな漢字変換]という文字変換方式が採用されているのである。
- 例えば、金〔きん〕なのか、菌〔きん〕なのかは、聞いただけではわからない。
- だったらなおさら、[その内容は、動画で伝えるべきなのか?][文字言語として伝えたほうがいいのではないか?]ということになる。
- そもそも、この情報は、動画として共有することが、最良の伝達方法なのか? が問われている。
- [テレビ視聴][ゲームプレイ][動画視聴〔とくに字幕を見ないと内容がわからない動画〕]は、[目で画面を見ること]を強要される。
- これらは[ながら〔並行処理〕]や[スキマ時間の活用]を許さない面があるため、明らかにタイパが悪い。
- 逆に、勉強になるラジオ放送やポッドキャストは、作業をしながら勉強にもなるので、タイパがよい、といえるだろう。
- このとき、よく聞き取れる音声でありながら、聞き疲れしない音質であることが求められる。
- そこで、マイクの重要性が、より際立つことになるわけである。
内容のない前置き/オープニング動画〔動画の本編の前にある、前置きの動画〕はいらない
- 音質がよくても、語りの構成が悪い〔前置きの長い話/ダラダラした話〕動画は、視聴する価値を感じさせない。
- 前置きの長い動画は、前置きだとわかった瞬間に離脱が起こる。
- オープニング動画〔動画の本編の前にある、前置きの動画〕のある動画は、そこで離脱が起こる。
音声以前|動画で[これ][こちらのほうが]など[画面を見ることを強要するような動画]は迷惑である
- 動画を[見る]人にとっては、[これ][こちらのほうが]などが通用する。
- しかし、動画を[聞く]人にとっては、[これ][こちらのほうが]などは通用しない。
accentedness〔なまり度〕
- 日本語における[聞き手にとっての理解しやすさ]を妨げる要素に、[同音異義語]と[イントネーションやリズムなどの韻律的要素〔プロソディー〕が標準的でない〔なまっている〕件]がある。
- [語りがなまっていると、聞き手に大きな負担がかかる]というのが実際のところである。
- とくに東北弁のイントネーションや発音が独特で、聞き取れないことがある。
- 日本語の同音異義語は、高低アクセントの違いで使い分けることが多い。
- 言葉がなまっていると、高低アクセントの違いから、意味が伝わらないことがある。
- [同音異義語への配慮がないこと]と[なまりがひどいこと]によって、音声言語によるコミュニケーションが成立しづらいこともある。
[語りを通じて、何事かを伝える動画]の場合、[動画の音声は映像よりも重要だ]といえる
- 人間の脳は、視覚情報よりも聴覚情報を、より効率的に処理するので、[語りを通じて、何事かを伝える動画]において、より重要なのは、動画の画質よりも、動画音声の明瞭度〔高音質=Hi-Fiである必要は必ずしもない〕である。
- [語りを通じて、何事かを伝える動画]の[動画の出来]を決める要素は、音声が90%、映像が10%だと私は考えている。
- [音声に問題がある]とは、具体的に、どういうことなのか?
- 音量不足で、話者の語りが聞き取りづらい動画は[音声に問題がある]といえる。
- [口とマイクとの距離が長すぎるため、そもそも音量不足]だと[音声に問題がある]といえる。
- 主たる音声〔語り〕が音量不足であり、かつ、[残響/エコー][背景雑音]が大きいと[音声に問題がある]といえる。
- 主たる音声〔語り〕が音量不足であり、かつ、[ヒスノイズ/ホワイトノイズ]が多いと[音声に問題がある]といえる。
- ヒスノイズ:高域のサーッ/シーッというノイズを指す。
- ホワイトノイズ:可聴域全体にわたるザーッ/ゴーッというノイズを指す。
- [ヒスノイズ/ホワイトノイズ]を打ち消すためにBGMを大きめに入れている動画は、主たる音声〔語り〕までもがBGMにかき消され、最悪の音声になってしまう。
- BGM〔バックグラウンドミュージック〕。
- 音量過大で、耳がびっくりするような動画は[音声に問題がある]といえる。
- 音圧が高すぎる動画〔コンプレッサーで音声波形をつぶしすぎた動画〕は[音声に問題がある]といえる。
- オープニングタイトルの音楽の音圧が高すぎる場合、最初の大音量で即時ブラウザバックされる。
- 効果音〔SE〕が耳に刺さる動画は、好まれない。
- その効果音は、シンセサイザーを使って波形編集の結果として生み出された、耳に刺さる音質・音量の効果音である。
- 効果音が随所に挿入された動画は、好まれない。
- BGMの音量が大きすぎる動画は、好まれない。
- 音圧が高すぎる動画〔コンプレッサーで音声波形をつぶしすぎた動画〕は[音声に問題がある]といえる。
- 音量不足で、話者の語りが聞き取りづらい動画は[音声に問題がある]といえる。
自撮りにおいてすら[一台のカメラだけで、録画と録音を同時に済ませよう]とすることそのものが、そもそも誤りである
- ※要点:[語りを通じて、何事かを伝える動画]では[マイクは口元、カメラは約1.5mから2m前方]が理想なので、このような撮影では、[一台のカメラだけで、録画と録音を同時に済ませよう]というのは無理である。
- ※換言:[語りを通じて、何事かを伝える動画]では[マイクの地点が口元]かつ[カメラの地点が約1.5mから2m前方]なので、有線接続であれば、[マイク]+[約1.5mから2mを埋め合わせるための長いマイクコード]+[カメラ]という接続をする必要があるから、このような撮影では、[一台のカメラだけで、録画と録音を同時に済ませよう]というのは無理である。
- ●●●
- [語りを通じて、何事かを伝える動画]は、音声コンテンツに映像が付随したものである。
- [語りを通じて、何事かを伝える動画]は、聞いているだけでわかる、ラジオ講座的な音声コンテンツであることが理想だと私は考えている。
- いいかえれば、[語りを通じて、何事かを伝える動画]の音声は、ラジオ並みの[高音質で聞き取りやすい音声]であることが理想である。
- [口とマイクとの距離が長すぎるため、そもそも音量不足]だと[音声に問題がある]といえる。
- 自撮りにおいてすら[一台のカメラだけで、録画と録音を同時に済ませよう]とすることが、なぜ誤りなのか?
- それは[話者を撮影するカメラの適切な位置]と[話者の語りを収音するマイクの適切な位置]との間には、約1.5mから2mほどの距離の差があるからだ。
- [話者の語りを収音するマイクの適切な位置]は、ダイナミックマイクなら話者の口から10cm程度の位置であろう。
- 同様に、ヘッドウォーンマイクなら話者の口元、ラベリアマイクなら話者の胸元である。
- 一言でいえば、[話者の語りを収音するマイクの適切な位置]は、被写体人物の位置そのものとみなしてよい。
- [顔が魚眼レンズ的にゆがむ〔ユーモラス〕][顔が実物よりも大きいように写る][実際よりも太っているように写る]といった、撮像のゆがみが目立たなくなるのは、フルフレームで85mm以上の焦点距離である。
- [シュッとした顔][小顔][痩せ型]に見えるように撮影するためには、85mm・100mm・135mmといった焦点距離の長いレンズで、比較的遠くから人物を撮影したほうがよいのである。
- ポートレート写真向きの焦点距離として、85mm・100mm・135mmが推奨されるのは、そういう理由からだ。
- フルフレームで85mmは、APS-Cで約56-57mm〔クロップファクター1.5倍|SONY・Nikon等〕または約53mm〔クロップファクター1.6倍|Canon〕である。
- マイクロフォーサーズのレンズでも、50mmと書いてあったら、[フルフレーム換算]の50mmである。50mmは、マイクロフォーサーズでは、100mm相当の画角になる。
- APS-C専用レンズでも、50mmと書いてあったら、[フルフレーム換算]の50mmである。50mmは、APS-Cでは、75mm〔×1.5〕または80mm〔×1.6〕相当の画角になる。
- フルフレーム用レンズで、50mmと書いてあったら、[フルフレーム換算]の50mmである。50mmは、フルフレームでは、50mm相当の画角になる。
- つまり、レンズの焦点距離表示は、すべて[フルフレーム換算]である。
- フルフレームで85mmのレンズ、および、APS-Cで約56-57mm〔約53mm〕のレンズで、適切な大きさで人物が写っているバストショットを撮影するときの適切な撮影距離〔イメージセンサーと被写体との距離〕は、約1.5mから2mである。
- マイクは被写体人物の位置であり、そこから約1.5mから2mを電線〔マイクのコード〕または電波〔ワイヤレス〕を使って、マイクの音声をカメラに届ける必要があるのだ。
- このことは、自撮りであろうが、自撮りでなかろうが、一般的に妥当することである。
- したがって、自撮りにおいてすら[一台のカメラだけで、録画と録音を同時に済ませよう]とすることそのものが、そもそも誤りである、といえるのだ。
- Osmo Pocket 3には、DJI Mic 2〔ワイヤレスマイク:32bitフロート内部録音あり〕が二系統使えるけれども、Osmo Pocket 3が華奢である点と、DJI Mic 2の音声伝送が2.4GHz帯を使っているので、混信による音声の不具合が発生しやすい点が残念である。
- 2.4GHz帯は、電子レンジ、Wi-Fiルーター、デジタルコードレス電話機、Bluetooth機器、無線マウス・キーボード、無線防犯カメラなど、あらゆる場面で使われている。
- したがって、2.4GHz帯は、電波障害で不具合を起こしやすい。
- 2.4GHz帯よりもB帯のほうが、電波障害が少なくて安定している。
- ワイヤレスマイクなら、B帯アナログワイヤレスマイクである、SONY UWPシリーズが無難である。B帯のワイヤレスマイクは、免許・申請が不要。
- SONY UWPシリーズのトランスミッター〔送信機〕のφ3.5mmマイク端子は平衡接続である。
- つまり、SONY UWPシリーズを購入したら、ほぼ確実に、SONY UWPシリーズの純正ラベリアマイク〔高額である〕を使うしかない。
- ラベリアマイクは、けっこう断線しやすいので、定期的に買い換える〔ことが多い〕ものだと考えて、ワイヤレスマイクの機種選定をするのがよい。
- ランニングコストを考える。
- SENNHEISERのトランスミッター〔送信機〕は、不平衡接続φ3.5mmマイク端子をもち、かつ、これはスクリューロック〔抜け防止ネジ〕付きである。
- 海外製で並行輸入品のワイヤレスシステムは、これに技適マークが付いているか否かをチェックする必要がある。技適マークが付いていない状態で、日本で使うと違法になる。
- ラベリアマイクとして、この[SENNHEISER型のスクリューロック〔抜け防止ネジ〕付き不平衡接続φ3.5mmマイク端子]を採用する機種が、RODE、ZOOM、TASCAMなどから出ている〔以下に列挙〕。
- 音声レコーダーとして、この[SENNHEISER型のスクリューロック〔抜け防止ネジ〕付き不平衡接続φ3.5mmマイク端子]を採用する機種が、ZOOM、TASCAMから出ている〔以下に列挙〕。
- ■ゼンハイザージャパン株式会社 | SENNHEISER 製品 | EW 112P/122P G4-JB
- ●●●
- ■Lavalier Microphones | Wearable Microphones | RØDE Microphones
- ■Lavalier II | Premium Lavalier Microphone | RØDE
- ■RØDELink LAV | Professional Lavalier Microphone | RØDE
- ■HS2 | Lightweight Headset Microphone | RØDE
- ●●●
- ■F1-LP | ZOOM
- ■LMF-2 | ZOOM
- ■MCL-1 | ZOOM
- ■WSL-1 | ZOOM
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- ■DR-10L | ピンマイク付き小型オーディオレコーダー | TASCAM (日本)
- ■DR-10L Pro | 32ビットフロート対応ピンマイク付き小型オーディオレコーダー | TASCAM (日本)
- ■TM-10L | ラベリアマイクロホン | TASCAM (日本)
- ■ゼンハイザージャパン株式会社 | SENNHEISER 製品 | EW 112P/122P G4-JB
- ただしB帯は30チャンネル〔30波〕しかなく、B帯のワイヤレスシステムは、貸し会議室・セミナーハウスなどでよく用いられているがゆえに、とくに都会では混信しやすいので、電波障害に強い、タイムコードシンクロという仕組み〔音声別録りでタイムコードで同期させる〕を使ったほうが安定するのかもしれない。
- タイムコードシンクロが本格的に使えるのは、LUMIXの上位グレードのミラーレス機と、SONY・Nikonのミラーレス機の一部である。
- [動画トラック][音声トラック]どうしの音声波形による同期は、動画クリップ・音声クリップが長尺だとズレが出てくるので、タイムコードシンクロで処理したほうが、精度的にも、手間を省く意味でも、健全であろうと思う。
- SONYの[神マイク]とよばれる[ECM-B1M][ECM-B10][ECM-M1]という三つのマイクは、[SONY αシリーズ][SONY FX3/FX30]といったカメラのホットシューに取り付けるマイクであり、これらのマイクが音声をよく拾う範囲は、マイクから50cm以内程度であろう。
- ■ECM-B1M | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
- ■ECM-B10 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
- ■ECM-M1 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
- また[ECM-B1M][ECM-B10][ECM-M1]という三つのマイクは、バックエレクトレットコンデンサー型という、高感度のマイクなので、[残響/エコー][背景雑音]もよく拾う。
- [ECM-B1M][ECM-B10][ECM-M1]という三つのマイクは、[残響/エコー][背景雑音]が比較的少ない環境でこそ、その本領を発揮することができるのである。
- [残響/エコー][背景雑音]の多い部屋で[語りを通じて、何事かを伝える動画]の音声を収録するのに向くのは、低感度のダイナミックマイクだと私は思う。
[コンデンサーマイクは高音質][ダイナミックマイクは低音質]の意味
コンデンサーマイクは高音質
- [コンデンサーマイクは高音質]とは、おもに[高域が減衰していない][高域がよく出ている]という意味である。
- ただし、コンデンサーマイクで収録した音声素材は、歯擦音〔しさつおん:サシスセソタチツテト・カキクケコなどの子音部分:スぃビランス:sibilance〕が強いため、ディエッサー〔de-esser:歯擦音低減効果〕をかける必要がある。
- またコンデンサーマイクは[衣擦れのノイズ][吹かれ〔風や呼気によるノイズ〕][息継ぎのノイズ][リップノイズ〔口腔内のヌチャ音〕]などをよく拾う。
- このためコンデンサーマイクで収録した音声素材では、そうしたノイズを手動で除去する〔Pro Tools(Avid Technology)を使用〕など、職人の丹念な手仕事が必要不可欠な、手間のかかる面倒くさい音声素材でもある。
- それでも[コンデンサーマイクは高音質]なので、多くのボーカル音声が[Neumann〔ノイマン〕U 87 Ai]で録音されている。
コンデンサーマイク|電気が必要な、高感度・高音質のマイク
- コンデンサーマイクは、薄くて軽量なダイアフラムを採用しており、かつ、プリアンプを内蔵していることから、〔ダイナミックマイクと比較して〕高感度であるため、微細な音波まで拾いやすいので、遮音された静寂なスタジオブースでの使用に向く。
- コンデンサーマイクは、高感度であるため、背景雑音の一種である[生活雑音][バイクのエンジン音などの交通雑音][救急車等緊急車両のサイレン]などをよく拾う。
- そのため、動画用・ポッドキャスト用として、最初はコンデンサーマイクを採用していた人が、ダイナミックマイクに切り替えることが多い。
- コンデンサーマイクは、とくにダイアフラムが大きいと[吹かれ]の影響を受けやすい。
- コンデンサーマイクは高感度なので、口〔などの音源〕との距離を長くした状態〔オフマイクの状態〕で使うことが多い。
- ダイナミックマイクよりもコンデンサーマイクのほうが高音質とされるおもな理由は、コンデンサーマイクの高域特性がすぐれているからである。
- ただしコンデンサーマイクのすぐれた高域特性は、[歯擦音〔しさつおん〕をはじめとする、耳に刺さる不快な高域成分/高域のビリつき・ひずみ]と表裏一体である。
- コンデンサーマイクは、口に対してオンマイクの状態ではとくに、リップノイズやブレスノイズを拾いやすい。
- ブレスノイズには、【1】[呼気・吸気にともない、鼻・口・気管・気管支などが鳴るブレスノイズ]と、【2】[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]という、二種類がある。
- ポップガードやウインドスクリーンによって軽減することができるのは、[吹かれ]の一種としての【2】[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]だけである。
- 【1】[呼気・吸気にともない、鼻・口・気管・気管支などが鳴るブレスノイズ]は、歌手・話者の工夫やトレーニングによって低減させる、あるいは、ポストプロダクション〔収録後工程〕における波形編集ソフトでの手作業によって除去することになる。
- コンデンサーマイク〔多くはラージダイアフラム〕を使ったボーカル収録を終えた後においては、エンジニアがPro Tools〔Avid Technology〕などを使って、何百カ所というリップノイズやブレスノイズを、ぜんぶ手作業で消しているようだ。
- コンデンサーマイクは、衝撃と高湿度に弱い、華奢で脆弱な物理的性質をもつ。
- 高価なコンデンサーマイクは、防湿庫で保存されることが多い。
ダイナミックマイクは低音質
- [ダイナミックマイクは低音質]とは、おもに[高域が減衰している][高域があまり出ていない]という意味である。
- ダイナミックマイクの多くは、MC〔Moving Coil〕型のダイアフラムを採用している。
- MC型のダイアフラムでは、ダイアフラムとコイルとが一体型になっている。
- そこから、ダイナミックマイクのダイアフラムは、コンデンサーマイクとの比較において、やや重たくなることから、とりわけ高域の感度が減じられる傾向がある。
- ダイナミックマイクがもつ[高域減衰]という弱点を克服しようとしているマイクが、[SENNHEISER e945〔-54 dB re 1 V/Pa〕]や[audio-technica AE6100〔-55 dB re 1 V/Pa〕]である。
- ただし高域を強調すると、コンデンサーマイクも、ダイナミックマイクも、[歯擦音をはじめとする、耳に刺さる不快な高域成分/高域のビリつき・ひずみ]につながりやすい。
- [SENNHEISER e945][audio-technica AE6100]などのような、高域強調型の周波数特性をもつマイクは、好みが分かれやすい。
- [高級なコンデンサーマイク]は[歯擦音をはじめとする、耳に刺さる不快な高域成分/高域のビリつき・ひずみ]が出ないように工夫した結果、数十万円以上の高額になってしまうのである。
- [高域強調]は、味覚でいえば[強い酸味〔サワー〕]や[強い辛味〔ホット/スパイシー〕]であり、[唐揚げにレモン汁をかけると食べられない人][梅じそが食べられない人][辛口カレー/キムチが食べられない人]がいるように、[高域強調]の音色をもつマイクの音声を、とても苦手とする人もいる。
- したがって、[ダイナミックマイクだから高域が弱い]という思い込みで、[SENNHEISER e945][audio-technica AE6100]などのような、高域強調型の周波数特性をもつマイクを使うと、嫌われたりする。
ダイナミックマイク|電気が必要ない、丈夫で低ノイズのマイク
- ダイナミックマイクのダイアフラム〔振動板〕は、比較的重たく、その動きが制限されていることから、〔コンデンサーマイクと比較して〕低感度であるため、[閾値未満の音圧しかもたない音声を拾いにくい]ので、背景雑音が騒がしい環境での使用に向く。
- ダイナミックマイクは、[閾値未満の音圧しかもたない音声]を無差別に低減させる。
- [〔とくに低感度の〕ダイナミックマイクは、生音的〔アコースティック〕なノイズゲートである]という見方・考え方もできる。
- この[閾値未満の音圧しかもたない音声を拾いにくい]という無差別な性質によって、ダイナミックマイクは、背景雑音も、リップノイズなども、低減させるわけである。
- ただし、それと同時に、コンデンサーマイクでは拾うことができる[細かな息づかい][空気感]などのディテール〔細部〕にかんしては、ダイナミックマイクでは拾いにくい。
- ラジオやポッドキャストでは、低感度のダイナミックマイクである[SHURE SM7B〔-59 dB re 1 V/Pa〕][Electro-Voice RE20〔-56.478175 dB re 1 V/Pa〕]などが広く利用されている。
- それはラジオ局やポッドキャストが、[楽曲/サウンドステッカー/効果音などのポン出し][ミキサーフェーダーの上げ下げ][PC操作]などをワンオペで行なう形態が多いため、スタジオブースが比較的背景雑音の多い環境だからである。
- ■Ron Sedaille on 102.9 WDRC FM - VIDEO AIRCHECK January 26, 2013
- ワンオペのラジオ放送やポッドキャティングでは、ミキサー卓のボタンを操作するノイズ、フェーダーを下げきったさいのカチッというノイズ、書類のペーパーノイズなど、雑音もある副調整室〔Sub Control Room〕のような場所だといえる。
- こうした[周囲が完全に無音とはいえない環境]でも、まるで無音の無響室の中でしゃべっているかのような[音声の風合い]が出せるマイクとして、Electro-Voice RE20、あるいは、SHURE SM5 / SM7 / SM7Bといった放送用ダイナミックマイクが使われてきた歴史がある。
- ■Shotgun Tom Kelly - Amazing Radio DJ
- 以上の動画では、屋外で話しているのに、まるで無音の無響室の中で話しているかのような[音声の風合い]が出ている。
- 無音の無響室の中で話しているかのような[音声の風合い]は、[低感度]な[ダイナミックマイク]に共通した[音声の風合い]だ。
- ただし、Electro-Voice RE20は高価であり、SHURE SM7Bは、Electro-Voice RE20よりも、やや安価である。
- そのSM7Bという[低感度]な[ダイナミックマイク]に[プリアンプ]を内蔵させた特殊なマイクとして、最近出たのがSM7dBである。
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- ■SHURE ( シュア ) SM7dB ダイナミックボーカルマイクロホン 送料無料 | サウンドハウス
- ダイナミックマイクは、[閾値未満の音圧しかもたない音声]を無差別に低減させる。
- ダイナミックマイクは、比較的重たい、動きが制限されたダイアフラムをもつ低感度のマイクなので、一般的にコンデンサーマイクよりは[吹かれ]〔風や呼気によるノイズ〕は少ないけれども、ダイナミックマイクといえども[吹かれ]への対策は必要である。
- [呼気]や[風]など[勢いのある空気]がマイクユニットのダイアフラム〔振動板〕に触れて起こるノイズ〔雑音〕を[吹かれ]と総称する。
- ダイナミックマイクは低感度なので、口〔などの音源〕との距離を短くした状態〔オンマイクの状態〕で使うことが多い。
- ダイナミックマイクは、口に対してオンマイクの状態で使用してもリップノイズを拾いづらい。
- 口腔内が唾液で濡れている状態で[舌〔ぜつ/した〕]と[軟口蓋〔なんこうがい:口腔内の上部の柔らかい部分〕][歯茎][歯]などが触れ合うことにともなう、[ピチャ][ヌチャ][クチャ]といったノイズをリップノイズという。
- [軟口蓋がたるんで、舌と触れやすい]場合、リップノイズが出やすい。
- [軟口蓋がたるんで、舌と触れやすい]という特徴をもつ人がいる。
- 加齢とともに[軟口蓋がたるんで、舌と触れやすい]という特徴が強まることも多い。
- [軟口蓋がたるんで、舌と触れやすい]場合、あらゆる発音に[ク][グ][クン][グン]などの[鼻鳴り]が入ることもある。
- リップノイズを防止するには、歌手・話者が歌い方・話し方を工夫する〔トレーニングを通じてクセを直す〕ことが必要である。
- 歌手/アナウンサー/ラジオパーソナリティ/ナレーター/声優などは、リップノイズを防止するトレーニングはもちろんのこと、さまざまなトレーニングを済ませている熟練者である。
- ラージダイアフラムのコンデンサーマイクは、とくにリップノイズをよく拾うので、熟練者でなければ、おぞましい録音結果になる。
- 熟練者でない人が、語りを中心とする番組に出演するのであれば、ダイナミックマイクを使ったほうが、いろいろな面で無難だといえる。
- ダイナミックマイクは、衝撃にも高湿度にも強く、頑丈で耐久性にすぐれているため、過酷な環境下での使用にも向く。
- ダイナミックマイクは、防湿庫で保存されることは、ほとんどない。
- [Electro-Voice RE20]の特徴は、[SHURE SM7B]などに比べて、近接効果が抑制されている点にある。
- 口をマイクに近づけることは重要だけれども、適度に近づけるにとどめる必要がある。
- 口をマイクに近づけすぎると、近接効果という[低音が異常に増強される効果]が発生する。
- 近接効果は、ダイナミックマイクでもコンデンサーマイクでも発生する。
- ダイナミックマイクでの近接効果は顕著である。
- コンデンサーマイクでの近接効果はダイナミックマイクほどまでには顕著ではない。
- 映画の宣伝動画のナレーションなどで、近接効果が発生した音声が意図的に使われる場合がある。
- しかし多くの場合、近接効果が発生した音声は[不自然な音声]とみなされる。
- ダイナミックマイクでは、口をマイクに近づける必要がある。しかし近接効果に注意する。
- ダイナミックマイクにおいて、口をマイクから遠ざけすぎると、音量が足りない。
- ダイナミックマイクにおいて、口をマイクから遠ざけすぎると、低域が過剰に減衰して、中高域・高域が目立つ、スカスカの音声になる。
- つまりダイナミックマイクでは、音量と周波数特性を、口とマイクとの距離で自在に操ることができるのだ。
- 逆にいえば、口とマイクとの距離を一定に保ち続けなければ、音量と周波数特性が大きく変化するのが、ダイナミックマイクの怖さだともいえる。
- いいかえれば、[Electro-Voice RE20]は、口を近づけても、ボワボワという低音の強調が起こりにくい。
- FM放送で男性のイケボの人が話しているのを、自動車の車内スピーカーから[ボンボンと響く音声で聞く]ような、そんな音質になりやすいのが[SHURE SM7B]であり、[Electro-Voice RE20]は、その[ボンボンと響く音声]から、無駄な低音を割り引いた音声になる設計にしてある。
- [Electro-Voice RE20]の側面には、たくさんのスリットがあるけれども、これらのスリットが近接効果を抑制するらしい。
- [Electro-Voice RE20]は米国のラジオ局の典型的なマイクとして知られている。
SHURE|SM7B|SM7dB|MV7+
Electro-Voice RE20
■re20.pdf
■RE20_Engineering_Data_Sheet.PDF
■Electro-Voice ( エレクトロボイス ) RE20 送料無料 | サウンドハウス
■Electro-Voice ( エレクトロボイス ) RE20 Black 送料無料 | サウンドハウス
■Charlie Tuna tribute
■WNEW-FM New York Pat St. John 1997 California Aircheck Video
■KIIS-AM Los Angeles Benny Martinez 1985 California Aircheck Video
■Trey Morgan- Z100 NYC - Video Aircheck (July 2015)
■Alo Baker - Hit Network Radio Video Aircheck (2015)
■Craig Allen New Jersey 101.5 Video Aircheck
Electro-Voice RE320
Electro-Voice RE27N/D
■Ron Sedaille All Request Saturday Night on Fun Tower Radio - September 28, 2019
■Ron Sedaille - 102.9 WDRC FM - VIDEO AIRCHECK May 17, 2014
音声・動画・写真のデータ等にかんする大原則
原信号〔source signal〕をいじればいじるほど音質・画質は劣化していく|この[信号劣化原則]は、アナログ系にも、デジタル系にも当てはまる。
- ●アナログテープによるレコーディングでは、ダビングを繰り返すほど音質・画質は劣化していく。
- ●デジタルデータでは、再エンコード〔書き出し〕を繰り返すほど音質・画質は劣化していく。
- ●LOGで撮影をしてLUTを当てた動画は、色彩的にはきれいだけれども、鮮明度が低下してディテール〔細部〕がつぶれ、ノイズが乗って、明らかに劣化したように見える。多くのLUTは、カメラデータとの相性によって、高い確率でノイズを発生させる。安易にLUTに頼るのは危険だ。
- ●現在の技術水準では、デジタル処理で[雑音低減〔ノイズリダクション〕][残響抑制]などを行なうと、少しのメリットよりも、【音質が著しく劣化するという多大なデメリット】に結びつくことが多いため、デジタル処理はおすすめしない。
- ●例えば、Web会議システムであるZoomの[バックグラウンドノイズ抑制]は音質低下の元凶となる場合があるので、そのときは[オーディオプロファイル]で[ミュージシャン用のオリジナルサウンド〔スタジオ環境に推奨〕]を選ぶのがよい。
iZotope RXは音質低下の元凶〔再掲〕
- 例えば、収録済みの音声データに対して、iZotope RXのDe-reverbなどのデジタル処理によって残響抑制処理をすると、高域減衰やノイズの増大が感じられる。
- デジタル処理によってノイズリダクション〔雑音低減〕や残響抑制処理などをすると、とくに高域の減衰、高域の音質劣化がいちじるしくなり、[音声言語としてハッキリと聞き取れる度合い]が大幅に低下する傾向がみられる。
- 音声明瞭度〔STI:Speech Transmission Index〕は[ハッキリと聞き取れる度合い]であり、0の[明瞭度が低い]から、1の[明瞭度が高い]まで、0から1までの数値として表現され、0.6以上が理想とされる。
音声収録の原則|機材編
- なお、収録は必ず[多重バックアップ体制]で行なう。
1|信号発生以前の改善する|なるべく生音的に〔〈副〉acoustically〕改善する
- 例えば、語りを収音するさいに、語り手が守るべき原則として、[1|背景雑音の少ない場所へ移動せよ][2|残響/エコーの少ない場所へ移動せよ][3|口をマイクに近づけよ]などがある。
- 音声収録機材を、信号の流れに沿って川上から列挙すると、マイク、ケーブル、プリアンプなどがある。
- マイク、ケーブル、プリアンプなどの川下に、オーディオインターフェイス〔PCへUSB接続〕、オーディオミキサー、録音機、カメラなどの中から選んで接続する。
- 高音質のためには、これらの機材を改善することを優先するのが理想である。
- 信号の流れに沿って考えると、マイクが最も川上にあたり、マイクが低スペックなら、それより川下を改善しても、総合的な音質は改善できないと考えてよい。
- つまりマイクの選定が音質の最大値を決定づける。
- ダイナミックマイクのコスト・パフォーマンス・レシオ〔cost-performance ratio:費用対性能比〕は、サウンドハウス価格で[税込:15000円~25000]がピークで、それ以上お金をかけても、音質はそこまで改善されない。
- なお、これはダイナミックマイクの話であり、コンデンサーマイクは、数十万円以上のものもあり、高額なものは実際に高音質である。
- 有名メーカーのダイナミックマイクの中から[背景雑音・残響/エコーが少なくない、一般家庭の部屋で語りを収音する]という意味で推奨できる機種を列挙する。
- 列挙されたマイクは、背景雑音・残響/エコーを拾いづらい低感度のダイナミックマイクばかりである。
- こうして生音的に雑音低減〔ノイズリダクション〕を行なうことができる。
- 低感度のダイナミックマイクを採用することは、明るすぎる環境で、レンズにNDフィルターを取り付けて減光することに似ている。
2|信号発生以降はなるべくシステムの川上で改善する
- SONYの[カセット・ウォークマン]は、[プレスマン]という[会議録音用のカセットテープレコーダー]をその原型としている。
- レコードからカセットデッキを使って録音されたカセットテープの音声は、レコードの音質が高い割合で転写されている。
- この高音質なカセットテープを[プレスマン]で、しかもヘッドホンを使って聞くと、かなりのHi-Fi〔ハイファイ〕サウンドが聞けることがわかったのだった。
- そこで、モノラルであった[プレスマン]をステレオ化し、スピーカーと録音機能を削除したカセット再生機をSONYは発売した〔井深大名誉会長の発案:カセット・ウォークマンの誕生〕。
- 何が言いたいのか? [川上が高音質であるからこそ、川下がその高音質を受け継ぐことができるのだ]ということである。
- レコードからカセットデッキを使ってカセットテープに音声をダビングする。
- ここでダビングに使われる機材が[コンポーネント・ステレオ]という高級機材だったからこそ、[プレスマン]や[カセット・ウォークマン]でも、高音質で音楽を聞くことができたのだった。
- [音声では、川上が高音質であること〔とくにマイクの選定に気を遣う〕][写真・動画では、川上が高画質であること〔とくにレンズの選定に気を遣う〕]を大切にする必要がある。
- 音声収録では、マイクの選択とマイキング〔マイクの位置取り〕など、収録現場で最大限の処置をするのが安全策である。
- [ポストプロダクション〔後処理〕でごまかそう]などという安易な考え方を捨て去る必要がある。
- そのうえで、音波がいったん音声信号になったら、[そのシステム全体のうち、なるべく川上で、周波数特性/音量とダイナミックレンジ/S/N比〔ゲイン〕を稼ぐ]という方針に沿って意思決定・行動するのがよい。
- [川上での失敗を、川下で取り戻そうとすることが、原信号をいじることにつながる]かつ[原信号をいじればいじるほど音質・画質は劣化していく]ので、川上の作業ほど慎重に行なう必要がある。
- この考え方からすると、ダイナミックマイクにプリアンプは必須であり、例えば[Triton Audio FetHead〔プリアンプ〕]を[SHURE 545SD〔マイク〕]等に直差し〔じかざし〕するのが、一つの正解であろう。
- [SHURE 545SD]という低感度のダイナミックマイクで背景雑音・残響/エコーをカットした後の音声信号を増幅することによって、できうるかぎりの川上で[音量とダイナミックレンジ/S/N比〔ゲイン〕を稼ぐ]ことが実現できるからだ。
- 例えば、オーディオインターフェイスがあるとして、オーディオインターフェイスの入力端子から入ってくる[ゲインの高い音声信号]を、このオーディオインターフェイスの入力ゲインつまみ〔ヘッドアンプのボリューム〕で減衰させる。
- [このように音量の大きい〔ゲインの高い〕音声信号を、川下で減衰させる]ことの繰り返しにすると、川下で音声信号を増幅する幅が小さいため、増幅する幅が小さい分だけ、ノイズを増大させる割合が小さくなる。
- いいかえれば、音量の小さい〔ゲインの低い〕音声信号を、川下で増幅すると、増幅したそのアンプのノイズが、音声信号に大量に混入してしまうのである。
- そこから[S/N比〔ゲイン〕を稼ぐなら、最も川上がよい]ということになる。
- 具体的には、[Triton Audio FetHead〔プリアンプ〕]を、低感度のダイナミックマイクに直差し〔じかざし〕するのがよい、ということになる。
3|やむなく原信号に処理を加える場合、アナログ処理とデジタル処理とを結果において比べてから、処理方法を決定する
- アナログ処理よりもデジタル処理のほうが好結果になるとはかぎらない。
音軸〔おんじく:sound axis〕
- ここから[人間の語りをクリアに収音する方法]を説明する。
- この説明において、[音軸を合わせ続ける][音軸がズレている]などという言い回しを使う。それは次のようなことだ。
- [人間の口を円とみなす]および[マイクのダイアフラム〔振動板〕を円とみなす]という単純化を行なう。
- そして[人間の口という円の中心を通る、その円に対する垂線]と[マイクのダイアフラムという円の中心を通る、その円に対する垂線]とが、[一致した一つの直線]になるように、口とマイクとの位置・角度〔方位角・仰角〕を合わせ続ける〔照準を合わせ続ける〕と、最も効率的な[音波の伝達]が可能になる。
- [垂線]および[円錐形・円筒形の軸]は、線分ではなく、直線である。
- このときに登場する二つの垂線を音軸〔おんじく:sound axis〕と定義した。
- つまり[口の音軸]と[マイクの音軸]とが[一致した一つの直線]になるように、口とマイクとの位置・角度〔方位角・仰角〕を合わせ続けることが、[音軸を合わせ続ける]ことなのである。
- そして[音軸を合わせ続ける]ということが達成できていない状態を、[音軸がズレている]と称する。
- つまり[口の音軸]と[マイクの音軸]という[二つの音軸を合わせ続ける]ことが、人間の語りをクリアに収音するときの重要なコツの一つになる、というわけである。
- これはイメージとしては、太陽光がソーラーパネルに垂直に当たるように角度〔方位角・仰角〕を調整するのに似ている。
- [口の音軸]と[マイクの音軸]という[二つの音軸を合わせ続ける]ことは、[口とマイクとをしっかりと正対させ続ける]ということである。
なぜ[音軸を一致させ続ける〔音軸を合わせ続ける〕]必要があるのか?|[音源の周波数が高くなるほど、音波の指向性が鋭くなる]という波動の性質
- 話者の語りにかんして[芯を食った収音]をするためには、《1》[口とマイクとの距離を適度に縮め〔距離を縮めすぎると不具合が出る〕、かつ、その距離をなるべく変化させない]および《2》[音軸を一致させ続ける〔音軸を合わせ続ける〕]という主要な二つの要素を意識する必要がある。
- この項では、《2》について述べている。以下が本題である。
- 音源の周波数が高くなるほど、音波の指向性が鋭くなる。
- つまり、音波が伝わる経路を円錐状と考えると、音源の周波数は、この円錐の頂角の大きさに反比例する。
- [音波の指向性が鋭い]とは[円錐の頂角の大きさが、小さい]ということである。
- いいかえれば、音源の周波数が高くなるほど、音波はより頂角の小さい円錐の中を伝わると考えることができる。
- 高音ほど、円錐形のとんがりが鋭い、細い経路を通って伝わるのだということである。
- そのため、聴取点〔リスニング・ポイント〕が音源の正面にない場合、中高音は中低音よりも、減衰幅が大きいといえる。
- 聴取点が音源の正面にない場合、中高音の音量が小さくて、中高域不足の、こもった音質になりがちである、という意味である。
- さらに[音波が伝わる経路である円錐]のうち、円錐の軸に近い領域ほど、周波数の高い成分〔高域〕が高い音圧で伝わってくる。
- それは[スピーカーの高域を担当するツイーター〔tweeter〕の真正面ほど、高音が耳にキンキンと響きやすい]といったようなイメージである。
- 人間の語りをクリアに収音するぐらいのことは誰でもできる。そのために[音軸を合わせる]ような厳密なことまで求めるのは意味がない。そう考えている人が多い。
- しかし[音波が伝わる経路である円錐]のうち、円錐の軸に近い領域ほど、周波数の高い成分〔高域〕が高い音圧で伝わってくるのだとしたら、[音軸を合わせる]という考え方を採用したほうが、人間の語りをクリアに収音するのに有利だということは明らかだろう。
- 中高音は指向性が鋭いので、話者の語りをハッキリと収音できる[スイートスポット]は、あんがい狭い、というイメージで捉えてよい。
- 結局、マイクの狙い〔エイム〕が悪いと、中高音の減衰した、モコモコしたハッキリしない音声〔明瞭度の低い音声〕になってしまうわけである。
- 話者が何と言っているのかをハッキリと聞き取るのに最も重要な音波の周波数帯は、中高域であり、中でもとくに子音の高域成分〔高音〕は、音声言語の聞き取りにとって重要である。
- 近くにいる人間でも、その人間が[そっぽを向いて話したこと]は聞き取りづらい。
- そっぽを向いて話していても、何かをモゴモゴと言っているのだけは伝わる。
- しかし中高域成分の音圧が不十分だと、何と言っているのかを正確に聞き取ることまではできない。
- 中高音の音圧こそ、話者の発言をハッキリと聞き取るポイントになるわけである。
- 中高音の音圧を高めるためには、[ちゃんと、こっちを向いて話せ]ということになる。
- それは音源の周波数が高くなるほど、音波の指向性が鋭くなるからだ。
- 音源の周波数が高くなるほど、位置・角度〔方位角・仰角〕のちょっとしたズレで、音圧がみるみる下がる。[音波の指向性が鋭い]とは、そういうことだ。
- [聞き取りやすいように、ちゃんとこっちを向いて話せ]というのは、中高音の音圧を高めるために、[話者の口の音軸]と[聞き手の耳の音軸]という[二つの音軸を合わせ続ける]かたちで話せ、という意味である。
- ということは、話者の発言がハッキリと聞き取れるかたちでマイクでの収音をしたい場合には、聴取点〔マイクの位置〕を音源の正面に位置させ続ける必要がある、といえるのである。
- 以下のことは、すべて同じ意味の言い換え表現である。
- 聴取点〔マイクの位置〕を音源の正面に位置させ続ける。
- マイクのダイアフラムを、話者の口に正対させ続ける。
- [口の音軸]と[マイクの音軸]という[二つの音軸を合わせ続ける]。
人間というホーン型スピーカー
- [人間の声帯から口にかけて]を、円錐形のホーン型スピーカーに見立てる。
- 人間の声帯〔振動板〕を、ホーンである円錐形の頂点とみなす。
- 人間の口〔ホーンの開口部〕の中心を、円錐形の底面である円の中心とみなす。
- このとき、円錐形の頂点と、円錐形の底面である円の中心とを通る直線〔円錐形の軸〕を、音源の音軸〔おんげんのおんじく:sound source axis〕とよぶことにする。
- [垂線]および[円錐形・円筒形の軸]は、線分ではなく、直線である。
- つまり人間の口を円錐状のホーン型スピーカーに見立てた場合、この円錐形の軸を、音源の音軸とよぶことにする。
[マイクが音声をよく拾う範囲]=[Microphone Coverage Angleを頂角とする円錐形の範囲]
- Microphone Coverage Angle〔まイクロフぉン・かバレジ・ぇあンゴル〕は、マイクが音声をよく拾う範囲を角度で表した概念である。
- 全指向性〔無指向性〕のマイクのMicrophone Coverage Angleは360度であるから、ここでは話題から除外する。
- 全指向性〔無指向性〕とは、[マイクが音声をよく拾う範囲]としての円錐形が成立せず、円形のダイアフラムの中心から広がる球形の範囲が[マイクが音声をよく拾う範囲]となる状態を意味する。
- 有名な全指向性〔無指向性〕のダイナミックマイクとして、SHURE SM63/SM63L/SM63LB〔インタビュー用マイク〕がある。
- 有名な全指向性〔無指向性〕のダイナミックマイクとして、ほかにbeyerdynamic M58、Electro-Voice RE50B、audio-technica AT8004があり、これらもまたインタビュー用マイクである。
- 以上のような例外を除くと、多くのダイナミックマイクは、たいてい、単一指向性か超指向性のいずれかである。まれに超々指向性のダイナミックマイクもある。
- そこで[ダイナミックマイクは単一指向性か超指向性のいずれかである]と仮定して話を進めていく。
- マイクの指向性についてまとめておく。
- 単一指向性〔たんいつしこうせい:カーディオイド〕では、頂角が大きい円錐形が、[マイクが音声をよく拾う範囲]となる。
- 超指向性〔スーパーカーディオイド〕では、頂角がやや小さい円錐形が、[マイクが音声をよく拾う範囲]となる。
- 超々指向性〔ハイパーカーディオイド〕では、頂角が小さい円錐形が、[マイクが音声をよく拾う範囲]となる。ショットガンマイクは、これに該当する。
- マイクの指向性の鋭さと、近接効果〔マイクに口を近づけると低音が強調される効果〕の度合いは比例する。
- したがって、単一指向性〔カーディオイド〕<超指向性〔スーパーカーディオイド〕<超々指向性〔ハイパーカーディオイド〕の順番で、指向性が鋭いとともに、近接効果も大きくなる。
- [マイクが音声をよく拾う範囲]=[Microphone Coverage Angleを頂角とする円錐形の範囲]を仮定する。この仮定に基づいて話を展開していく。
- ここでは、[ざっくりとした直感的なイメージ]を読者に対して端的に伝える意図で、[マイクの指向性とは、Microphone Coverage Angleを頂角とするこの円錐形の頂角の大きさをいう]という、[厳密性を犠牲にしたモデル]で考えていく。
- [マイクが音声を少しでも拾う範囲〔ポーラパターン〕]:ポーラパターンは球形のゴムボールをつぶしたような形状であり、マイクの指向性によって、そこまで大きく変化するわけではない。
- Microphone Coverage Angleとは、ポーラパターンの中から[マイクが音声をよく拾う範囲]だけを切り取った概念だといえる。
- そして[マイクが音声をよく拾う範囲]は、極端に単純化すると、Microphone Coverage Angleを頂角とする円錐形とみなすことができる。
- ただし、そこでは厳密性は犠牲にされているので、その点には留意する必要がある。
- マイクには円形のダイアフラム〔振動板〕がある。このダイアフラムを円とみなし、[ダイアフラムという円の中心を通る、その円に対する垂線]をマイクの音軸〔microphone axis〕とよぶことにする。
- [マイクが音声をよく拾う範囲]=[Microphone Coverage Angleを頂角とする円錐形の範囲]は、[ダイアフラムという円の中心]を頂点としながら、[ダイアフラムのうち、音波を受け取る側]に向かって広がる円錐形とみなすことができる。
- このとき、この円錐形の軸は、マイクの音軸に一致している。
- 高音質で語りを収音するための[マイクの狙い〔エイム〕]として最良なのは、[音源の音軸]と[マイクの音軸]とを一致させた状態、つまり、二つの音軸が一つの直線として一致した状態であり、しかもその状態を保持することが大切である。 これを[〔二つの〕音軸を一致させ続ける]あるいは[〔二つの〕音軸を合わせ続ける]と称する。
- 高音質で語りを収音するためのマイキング〔マイクの位置どり〕には、《1》[口とマイクとの距離を適度に縮め〔距離を縮めすぎると不具合が出る〕、かつ、その距離をなるべく変化させない]および《2》[音軸を一致させ続ける〔音軸を合わせ続ける〕]という主要な二つの要素があり、この二つさえ守っておけば、大きな失敗はないといえる。
- ここでは[維持・保持・安定]などといった要素が重要になってくる。
- [口とマイクとの距離を適度に縮め〔距離を縮めすぎると不具合が出る〕、かつ、その距離をなるべく変化させない]とは、[適正距離の維持]ということである。
- [音軸を一致させ続ける〔音軸を合わせ続ける〕]とは、[適切な位置・角度〔方位角・仰角〕の維持]ということである。
- Microphone Coverage Angleは、カメラのレンズでいう[焦点距離に応じた画角]に相当する。
- 望遠レンズ〔=焦点距離の長いレンズ〕は画角が狭い。これはマイクの指向性が鋭い〔想定される円錐形の頂角が小さい=狭い〕ことに相当する。
- 望遠レンズは、その焦点距離が長ければ長いほど、その全長が長く、しかも画角が狭まる。
- 同様に、ショットガンマイクが長ければ長いほど、その指向性の鋭さは増大する〔円錐の頂角の大きさが小さくなる〕といえる。
- ショットガンマイクにかんしては、[遠くの音が録れる]と考えるよりは、[【マイクの画角〔円錐の頂角の大きさ〕】の外側の音波を減衰させる]という[引き算]で考えたほうが正確である。
- マイクの指向性が鋭いと、音軸がズレやすいので、ショットガンマイクを操作する音響さんは、ヘッドホンでモニタリングしながら、音軸のズレを常に修正し続けている。
- [オートフレーミング機能をもつPTZカメラ]や[オートフォーカス〔AF〕機能をもつカメラ]がすでに開発されているのである。
- したがって、話者の口に正確にエイムを合わせる[自動音軸調整〔Auto Sound Axis Adjustment〕機能の付いたショットガンマイク]が出てきても不思議ではない。
- 要は、画像認識技術と音響技術を組み合わせて、[話者の語りの高音のゲインが最大になるように、ショットガンマイクの適切な位置・角度〔方位角・仰角〕の維持〔追尾〕を自動で行なう機構]を作ればいいのだ。
- 指向性の鋭いマイクの音軸がズレやすいのと同様に、望遠レンズは、ちょっと角度が変わると被写体〔野鳥や昆虫など〕を見失いやすい。望遠レンズは、手ぶれ補正機能が強力であっても手ぶれしやすい。
- [指向性の鋭い]ものは、ちょっとのズレが、大きくマトをはずすことに直結するので、慎重に取り扱う必要がある。
- 広角レンズ〔=焦点距離の短いレンズ〕は画角が広い。これはマイクの指向性が鈍い〔想定される円錐形の頂角が大きい=広い〕ことに相当する。
- マイクの指向性が鈍いと、音軸がズレにくい。広角レンズは、ちょっと角度が変わっても被写体を見失いにくい。動画において、広角レンズは手ぶれ補正機能がなくても手ぶれが目立ちにくい。
- マイクの指向性にかんしては、レンズに画角があるように、マイクにも[音の画角〔円錐の頂角の大きさ〕]がある、と考えるとわかりやすい。
- 《1》[口とマイクとの距離を適度に縮め〔距離を縮めすぎると不具合が出る〕、かつ、その距離をなるべく変化させない]および《2》[音軸を一致させ続ける〔音軸を合わせ続ける〕]をカメラ的に翻案する。
- そうすると《1′》[適度に被写体に寄れ]および《2′》[写野〔しゃや:四角形〕の対角線の交点〔画面の中心〕に主題を置いた、厳密な日の丸構図で撮影せよ]ということになる。
- [オートフレーミング機能をもつPTZカメラ]は、[写野の対角線の交点〔画面の中心〕に主題を置いた、厳密な日の丸構図で撮影せよ]という命令で動いている。
- 望遠レンズ〔=焦点距離の長いレンズ〕は画角が狭い。これはマイクの指向性が鋭い〔想定される円錐形の頂角が小さい=狭い〕ことに相当する。
口とマイクとの距離を適度に縮め〔距離を縮めすぎると不具合が出る〕、かつ、その距離をなるべく変化させない
- 口とマイクとの距離を適度に縮めるのが基本ではあるけれども、口とマイクとの距離を縮めすぎると不具合が出る。
- [口とマイクとの距離を縮めすぎたことによる不具合]は、大きく三つに分類することができる。
- 【1】吹かれ〔ふかれ〕
- ブレスノイズ:[口とマイクが近すぎることによる不具合]の一つ。[人間由来|フーッ・ハーッ・スーッ・シュー・ヒューッ][マイク由来|ボーッ・ゴーッ]。
- ポップノイズ:[口とマイクが近すぎることによる不具合]の一つで、ブレスノイズの細目の一つ。[マイク由来|ボッ・ポッ・ボフッ・ポフッ]。
- 風切り音:[口とマイクが近すぎることによる不具合]ではないけれども[吹かれ]の細目の一つ。[マイク由来|ボーッ・ゴーッ]。
- 【2】リップノイズ:[人間由来|ピチャ・ヌチャ・クチャ]。
- 【3】近接効果:マイクに口を近づけると低音が強調される。これをマイクの近接効果〔proximity effect:プろクスィメト・エフぇクト〕という。
- 近接効果は、ダイナミックマイク〔電気のいらない頑丈なマイク〕であれ、コンデンサーマイク〔電気のいる繊細なマイク〕であれ、発生する。
- マイクの指向性の鋭さと、近接効果〔マイクに口を近づけると低音が強調される効果〕の度合いは比例する。
- したがって、単一指向性〔カーディオイド〕<超指向性〔スーパーカーディオイド〕<超々指向性〔ハイパーカーディオイド〕の順番で、指向性が鋭いとともに、近接効果も大きくなる。
- 【1】吹かれ〔ふかれ〕
- 結論からいえば、ポップガードまたはウインドスクリーン、あるいは、その両方を使って、[ブレスノイズ/ポップノイズなどの吹かれ][近接効果][リップノイズ]に留意しつつ、いいあんばいにマイクに口を近づけ、かつ、マイクのダイアフラムの真正面から〔=音軸を一致させて〕歌う・語ることが、明瞭な音声を収録する最良の方法である、という原則は大切にしたほうがよい。
- ただし、音源とマイクが近い場合には、多少の音軸のズレは許容してもよい、ということである。
[吹かれ]のうちわけ
[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]と[風切り音]
- [呼気]や[風]など[勢いのある空気]がマイクユニットのダイアフラム〔振動板〕に触れて起こるノイズ〔雑音〕を[吹かれ]と総称する。
- [吹かれ]は、大きく次の二つ分類することができる。
- 《1》[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]:この中に《1-1》[ポップノイズ]が含まれる。
- 《2》[風切り音〔かざきりおん〕]
[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]
- 《1》[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]:
- 音響という文脈におけるブレスノイズには、【1】[呼気・吸気にともない、鼻・口・気管・気管支などが鳴るブレスノイズ]と、【2】[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]という、二種類がある。
- 【1】[呼気・吸気にともない、鼻・口・気管・気管支などが鳴るブレスノイズ]は、[フーッ][ハーッ][スーッ][シュー][ヒューッ]などというノイズである。これは[吹かれ]には含まれない。
- 【2】[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]は、[ボーッ][ゴーッ]などというノイズである。これは[吹かれ]に含まれる。
- 【2】[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]の細目として、[急激な空気の放出]がダイアフラムに[衝突]する感じのノイズであるものを、とくに[ポップノイズ]といい、それは[ボッ][ポッ][ボフッ][ポフッ]などというノイズである。
- [ポップノイズ]を含めて、【2】[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]を防止する道具としてウインドスクリーンがある。
- マイク用のウインドスクリーンは、(1)[卵形の発泡ウレタン製のウインドスクリーン]と(2)[フェイクファー製のウインドスクリーン]と(3)[カゴの外側に布をかぶせたウインドスクリーン]に大別される。
- [卵形の発泡ウレタン製ウインドスクリーン]は汎用的であり、屋内用途を中心としながらも、風が弱い場合には、しばしば屋外用途でも使われる。
- [フェイクファー製のウインドスクリーン〔通称[デッドキャット]〕]や[カゴの外側に布をかぶせたウインドスクリーン〔通称[ブリンプ]〕]は、おもに屋外の[風切り音]対策用である。
- dead cat〔デッドキャット〕は[死んだ猫]の意。
- blimp〔ブリンプ〕は[小型軟式飛行船]の意。
- [フェイクファー製のウインドスクリーン]をウインドジャマー〔Windjammer〕ともよぶ。
- ウインドジャマーは、特定メーカーの特定製品を示すものではなく、一般的な名称である。
- Rycote〔ライコート社:英国〕のウインドジャマーは、実験と修正の繰り返しによる、細かい工夫が凝らされており、他社のウインドジャマーよりも優秀であるため、映画業界・放送業界における事実上の標準となっている。
- 【2】[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]の中でも、とくに[ポップノイズ]を重点的に防止する道具としてポップガードがある。
- ポップガードまたはウインドスクリーンからの二者択一で用いられることが多いけれども、ポップガードとウインドスクリーンを併用することもある。
- 【1】[呼気・吸気にともない、鼻・口・気管・気管支などが鳴るブレスノイズ]は、ポップガードやウインドスクリーンによって軽減することはできない。
- 【1】[呼気・吸気にともない、鼻・口・気管・気管支などが鳴るブレスノイズ]は、歌手・話者の工夫やトレーニングによって低減させる、あるいは、ポストプロダクション〔収録後工程〕における波形編集ソフトでの手作業によって除去することになる。
- コンデンサーマイク〔多くはラージダイアフラム〕を使ったボーカル収録を終えた後においては、エンジニアが波形編集ソフトPro Tools〔Avid Technology〕などを使って、何百カ所というリップノイズやブレスノイズを、ぜんぶ手作業で消しているようだ。
- 【2】[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]は、ポップガードやウインドスクリーンによって軽減することができる。
- つまりポップガードやウインドスクリーンによって軽減することができるブレスノイズは、[吹かれ]の一種としての【2】[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]だけである。
- 音響という文脈におけるブレスノイズには、【1】[呼気・吸気にともない、鼻・口・気管・気管支などが鳴るブレスノイズ]と、【2】[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]という、二種類がある。
[ポップノイズ]
- 《1-1》ポップノイズ〔popping noises〕は、気管・舌・唇・歯などを使って呼気の放出を一時的に阻害した後に、その阻害を解除することによって起こる[急激な空気の放出]が、マイクのダイアフラムに触れて起こる、[ボッ][ポッ][ボフッ][ポフッ]などといった雑音である。
- ポップノイズを防止するために、[話者が破裂音を出すときに、自分で呼気の強さを弱める」ことが推奨される場合もある。
- しかしこれは、きわめて難しい技術である。
- ポップノイズを防止するためにポップガードが使用されることが多い。
- ポップガードは、[ポップフィルター][ポップスクリーン]などという別名をもつ。
- ポップガードは、たいてい[クランプ]の付いた[フレキシブルアーム〔グースネック〕]の先端に[黒い円形のポップガード]を取り付けた形状をしている。
- 金属製のポップガードには、[金属メッシュ型]と[多孔金属板型]があり、いずれも中・高域の音声にかんして吸音性能は低いとされている。
- フレームの内側に布を張ったポップガードは、繊維の網目の細かさによって空気を遮断するため、効果的にポップノイズを減少させることができる。
- ただし、多孔質材料〔布や繊維など〕は、中・高域の音声にかんして吸音性能が高いとされる。
- つまり、金属製のポップガードとの比較において、中高域不足の、こもった音質を生みやすいのは、布製のポップガードであることが多い、といえる。
- いいかえれば、中・高域の減衰が少ない、明瞭度の高い音質が得られるのは、金属製のポップガードであることが多い、といえる。
- ただし、金属には[鳴き]つまり[共振]が起こりやすいので、金属製のポップガードにおいては、樹脂コーティング、あるいは、ブチルゴムの貼り付けなどの[鳴き止め]つまり[共振防止の仕組み]が大切である。
- ポップガードで最も定評ある製品の一つに、[Stedman Proscreenシリーズ]という金属製のポップガードがある。
- [Stedman Proscreen〔ステッドマン・プロスクリーン〕シリーズ]は、呼気が向かう方向を[斜め下]に向けることで、呼気がマイクに直接当たるのを防止する仕組みをもっている。
- ■Stedman ステッドマン 金属製のポッピング・ガードProscreenでお馴染み
- ■ステッドマン グースネックつきメタル・ポッピングガード Stedman Proscreen101
- ポップノイズを防止するために[マイクから口を離す〔距離〕]ことが推奨される場合がある。
- よく使われるダイナミックマイクの指向性は、単一指向性〔カーディオイド〕または超指向性〔スーパーカーディオイド〕であることが多い。
- マイクの指向性の鋭さと、近接効果〔マイクに口を近づけると低音が強調される効果〕の度合いは比例する。
- したがって、単一指向性〔カーディオイド〕<超指向性〔スーパーカーディオイド〕<超々指向性〔ハイパーカーディオイド〕の順番で、指向性が鋭いとともに、近接効果も大きくなる。
- 一言でまとめると、[よく使われるダイナミックマイクは、強い近接効果をもつことが多い]ということである。
- 逆算すると、[よく使われるダイナミックマイクは、口とマイクとの距離を少しでも離すと、【近接効果の逆】が働くことにより、中低域が著しく減衰するように感じられる]ということになる。
- 実務的には、[よく使われるダイナミックマイク]にかんするかぎり、[マイクから口を離す]と音質としては中低域が大きく減衰する、と考えてよい。
- しかも、ダイナミックマイクは低感度なので、[マイクから口を離す]と音量が急激に減衰する、という印象を受ける。
- ポップノイズを防止するために[マイクから口を離す〔距離〕]ことが推奨される場合があるけれども、音質・音量が大きく変化する場合もあるから、気をつける必要がある。
- ポップノイズを防止するために[口の正面ではない位置にマイクをずらす〔角度〕]ことが推奨される場合がある。これには落とし穴もある。
- ポップノイズを防止するために[口の正面ではない位置にマイクをずらす〔角度〕]ことの問題点は、音源とマイクのそれぞれの音軸が完全には一致しないため、やや中高域の減衰した、明瞭度の低い音声しか収音できない点である。
- ただし、これは全か無かという問題ではなく、音源とマイクのそれぞれの音軸の一致が不完全であっても、中高域の減衰がそれほどでもない場合には許容することができる。
- 音源とマイクが近ければ、多少の角度のズレがあろうとも、中高域の減衰がそこまで顕著になることもない。
- その一方で、例えばワイヤレスのラベリアマイク〔たぶん全指向性〕を真横にして胸元に取り付けた結果〔音軸の一致を完全に無視した角度〕、中高域の減衰が著しく、ボソボソと何を言っているのかわからないYouTube動画も多い。
- 全指向性のマイクだからといって、どの角度から収録しても、音質・音量が同じだと考えるのは危険である。
- マイクのダイヤフラムの中心から延ばした垂線の延長線上に、口〔音源〕の音軸を合わせたほうが、中高域の減衰が少なく、明瞭度の高い音声になる。この事実は揺るがない。
- 大切なのは、音声収録時に必ずヘッドホンでモニタリングしながら、収録作業を進めることである。
- 中高域の減衰が許容範囲なのかどうかを、リアルタイムに確かめながら収録作業を進めると録音失敗を回避することができる。
- まとめると、ポップガードまたはウインドスクリーン、あるいは、その両方を使って、[ブレスノイズ/ポップノイズなどの吹かれ][近接効果][リップノイズ]に留意しつつ、いいあんばいにマイクに口を近づけ、かつ、マイクのダイアフラムの真正面から〔音軸を一致させて〕歌う・語ることが、明瞭な音声を収録する最良の方法である、という原則は大切にしたほうがよい。
- ただし、音源とマイクが近い場合には、多少の音軸のズレは許容してもよい、ということである。
- ポップノイズを防止するために[口の正面ではない位置にマイクをずらす〔角度〕]ことの問題点は、音源とマイクのそれぞれの音軸が完全には一致しないため、やや中高域の減衰した、明瞭度の低い音声しか収音できない点である。
- ポストプロダクション〔後処理〕でiZotope RXなどの音声編集ソフトウェアを使い、ポップノイズを低減させるノイズ処理をかけるのは、音質劣化が激しいので、できるだけ避けたい。
- ポップノイズなど、広く[吹かれ]に弱いダイナミックマイクとして、[SHURE 545SD〔-58 dB re 1 V/Pa〕][SHURE SM57〔-54.5 dB re 1 V/Pa〕]などがある。
- 545SDはハーモニカ用マイク、SM57はドラムスのスネア用マイクとして広く知られている。
- しかし、そのような楽器用である、[吹かれ]に弱いダイナミックマイクでも、ポップガードやウインドスクリーンを適切に使うことによって、語り・歌を収録することもできる。
- ポップノイズを防止するために、[話者が破裂音を出すときに、自分で呼気の強さを弱める」ことが推奨される場合もある。
[風切り音]
- 《3》[風切り音〔かざきりおん〕]は、[屋内外の風がマイクのダイアフラムに触れて起こるノイズ]であり、前項の[呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]と同類のものである。
- [呼気がマイクのダイアフラムに触れて起こるブレスノイズ]は、弱い[ボーッ][ゴーッ]などというノイズである。
- [風切り音]は、強い[ボーッ][ゴーッ]などというノイズである。
- [風切り音]がとくに問題となるのは屋外で、しかも強風の場合である。
- けれども、屋内にも[排熱ファン/扇風機/サーキュレーター/エアコン/空気清浄機などの風]があり、これらも[風切り音]をもたらす。
- [風切り音]をアコースティック〔生音的:なまおとてき〕な方法で低減させるには、[フェイクファー製のウインドスクリーン]や[カゴの外側に布をかぶせたウインドスクリーン]を用いる。
- [フェイクファー製のウインドスクリーン]としては、Rycote〔ライコート社:英国〕のウインドジャマーが、映画業界・放送業界における事実上の標準となっている。
- [風切り音]をエレクトリック〔電気的〕な方法で低減させるには、ローカットフィルター〔ハイパスフィルター〕を用いて、80~100Hzあたりよりも低い周波数をカットオフする。
- [排熱ファン/扇風機/サーキュレーター/エアコン/空気清浄機などの風]が背景雑音になる場合もある。
- そうした環境で語りを収音する場合には、ノイズゲートを使うのがよい。
[J-WAVE|ラジオ型]:音声収録の典型例
- マイクロホンブームアームにマイクをマウントするのは、マイクの適切な位置・角度〔方位角・仰角〕を維持するためである。
- いいかえれば、マイクをマイクロホンブームアームにセットするのは、高音質で語りを収音するために、[口の音軸]と[マイクの音軸]という[二つの音軸を合わせ続ける]ためである。
[天吊りマイクロホンブームアーム]:Robotopia〔油圧シリンダー付き〕
■J-WAVE HOLIDAY SPECIAL JAPAN SMART DRIVER presents THANKS TO LA STRADA | J-WAVE 81.3 FM〔ページ最下部:写真6番〕
■サッシャに聞く 日常の暮らしを邪魔しない「ながら」がラジオの良さ - 社会写真ニュース : 日刊スポーツ
■秀島史香 Fumika Hideshima (@tsubuyakifumika): “お互いのこと どのように呼んでいますか? 月日とともに変わってきましたか? それとも、ずっと同じ? 「こういう気持ち、なんだかいいな」 そう思ったラブレターです。 今朝もこのあと7:50から @jwave813fm @LETTERS_813 #radiko でも聴けます https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20240706075000&t=2… #jwave #レターズ813” | nitter.poast.org
- J-WAVEのとあるスタジオの天井には、[銀色の大径の円形リグ]+[銀色の小径の円形リグ]がワイヤーで天吊りされている。
- [銀色の大径の円形リグ]と[銀色の小径の円形リグ]は、ワイヤーで関係づけられているようだ。
- [銀色の大径の円形リグ]は照明用その他らしい。
- [銀色の小径の円形リグ]は天吊りマイクロホンブームアーム用らしい。
- [銀色の小径の円形リグ]には、Robotopiaという油圧シリンダー付きの天吊りマイクロホンブームアームが四機搭載されているように見える。
- [銀色の小径の円形リグ]からRobotopiaという油圧シリンダーを制御するらしき四つの銀色のリングが垂れ下がっている。
- 結局、Robotopiaを使って、四本の大型天吊りマイクロホンブームアームを[跳ね上げ可能な状態]にしてあるようだ。
- 動画撮影の場合はとくに、以下のような諸点を理由として、スタジオでも、一般家庭でも、天吊り構造が有利だといえる。
- マイクの位置・角度〔方位角・仰角〕の自由度
- マイクが拾う床からの振動の少なさ
- 照明の位置・角度〔方位角・仰角〕の自由度
- カメラの位置・角度〔方位角・仰角〕の自由度〔とくに俯瞰視点カメラの設置〕
[Z型マイクロホンブームアーム]:audio-technica AT8700J
■AT8700J|マイクロホン:マイクアクセサリー|オーディオテクニカ
■81.3 FM J-WAVE : J-WAVE SELECTION
■J-WAVE WEBSITE : TOKIO HOT100
- J-WAVEのとあるスタジオでは、デスクの穴〔またはデスクにかませたクランプの穴〕に差し込む[Z型マイクロホンブームアーム]であるaudio-technica AT8700Jが使われている。
- 天吊り構造が実現できない場合代替策として、audio-technica AT8700Jは有力な選択肢の一つである。
- なお、デスクでキーボード/マウスその他を操作する場合、その操作振動が[Z型マイクロホンブームアーム]に伝わる。
- したがって、そういう場合には、[Z型マイクロホンブームアーム]をデスクとは別体のラックやワゴンなどに設置する手もある。
[ハンドマイク用ショックマウント]:audio-technica AT8410a
■AT8410a|マイクロホン:マイクアクセサリー|オーディオテクニカ
■企業によるポッドキャスト制作─J-WAVEが手がけた事例をご紹介 | J-WAVE for BUSINESS
- J-WAVEでは、ショックマウント:audio-technica AT8410aに、ダイナミックマイク:audio-technica AE4100を取り付け、さらに黒いウレタン製のウインドスクリーン〔SHURE A85WSまたはA1WSのように見えるけれども詳細不明〕を取り付けるのが標準仕様になっているようである。
- マイクロホンブームアームは、スタジオによって、《1》[Robotopia+α]の場合と、《2》[audio-technica AT8700J〔黒〕]の場合と、《3》[その他]の場合とがあるようだ。
[ダイナミックマイク]:audio-technica AE4100
■AE4100|マイクロホン:コンデンサーマイク|オーディオテクニカ
- audio-technica AE4100は、周波数特性がフラットであり、聞き取りやすい。
- audio-technica AE4100は、口をマイクに近づけても、口をマイクから離しても、そんなに音質が変わらない。
- audio-technica AE4100は、そこまで低感度のマイクではない〔-55 dB re 1 V/Pa〕ため、背景雑音を拾わない効果は、あまり強くはない。
[Podcast|ラジオ型]:音声収録の典型例
有名ダイナミックマイク:低感度ランキング
- マイクの感度は、各社それぞれの測定条件で、自社に都合のいい数値を出しているので、参考程度にしかならない。マイクの感度の測定方法には、業界の統一基準がないようだ。
- ダイナミックマイクは低感度であるほど、背景雑音を拾わない効果は強いけれども、低感度なマイクは、マイクプリアンプでゲインを増大させる必要が出てくる。
- 以下に列挙した有名なダイナミックマイクは、上位〔先頭の番号が小さい〕ほど低感度である。
- (Omni):オムニディレクショナル:全指向性〔無指向性〕
- (Cd):カーディオイド:単一指向性
- (SupCd):スーパーカーディオイド:超指向性
- (HypCd):ハイパーカーディオイド:超々指向性
- [SHURE SM7B(Cd) / SM7dB(Cd)]が高額で買えない場合は、[SHURE 545SD(Cd)〔マイク〕+SHURE A81WS〔ウインドスクリーン〕+Triton Audio FetHead〔プリアンプ〕]を使うのも一法である。
- ■Shure 545sd レビュー - SM7B の代わり|SHURE 545SD Unidyne III|KLARK TEKNIK MIC BOOSTER CT 1|SHURE A81WS|
- [1|SHURE SM7B(Cd) / SM7dB(Cd)〔-59 dB|SM7dBはプリアンプをバイパスしたとき〕]:SM7BとSM7dBは中身が同じマイクであり、プリアンプを増設したものがSM7dBである。SM7Bは、数々の放送局で、あるいは、多くのPodcasterやYouTuberによって、広く使われている。
- [2|SHURE 545SD(Cd)〔-58 dB〕]:545SDは、ハーモニカなど楽器収録を主目的としたマイクであり、SHURE SM57(Cd)のもとになったマイクだ。
- [3|SHURE SM63-X/SM63L-X/SM63LB-X〔-56.5 dB〕]:SM63(Omni)シリーズは、長さ・色が異なるだけで、中身が同じマイクである。SM63Lは[現場リポート/街角インタビュー/記者会見]でよく使われており、その形状から[葱坊主]ともよばれる、背景雑音を拾いにくいマイクだ。
- [4|audio-technica AE4100(Cd) / AE6100(HypCd)〔-55 dB〕]:AE4100はJ-WAVEで採用されている、クセのない無難なマイクである。
- [5|SHURE SM57(Cd) / SM58(Cd)〔-54.5 dB〕]:SM57は、吹かれに弱い以外は、クセのない万能なマイクで、スタジオ/ステージのドラム〔スネア〕用マイクとしても定評がある。
- [6|SENNHEISER e945(SupCd)〔-54 dB〕]:e945は、高音がきらびやかで押し出しの強いボーカル用マイクである。
- ※有名メーカーのダイナミックマイクの中で、[語りを収音する目的では推奨できない、惜しいマイク]に[SHURE SM58(Cd)][AUDIX i5(Cd)]がある。
- [SHURE SM58(Cd)][AUDIX i5(Cd)]は、指向性がそこまで鋭くはないのに、低域に盛り上がりがあるため、とくに男性が口を近づけて話すと、[ボフボフ][モコモコ]した、音声言語として聞き取りづらい音色になる。
- マイクの指向性の鋭さと、近接効果〔マイクに口を近づけると低音が強調される効果〕の度合いは比例する。
- したがって、単一指向性〔カーディオイド〕<超指向性〔スーパーカーディオイド〕<超々指向性〔ハイパーカーディオイド〕の順番で、指向性が鋭いとともに、近接効果も大きくなる。
- しかし指向性の鋭さに基づく近接効果よりも、マイクユニットの周波数特性の影響が大きい場合もあるようだ。
- [SHURE SM58]は通例、電気楽器のバンドのボーカル用マイクとして選ばれる。
- [AUDIX i5(Cd)]は通例、ドラムスのスネア用として、[SHURE SM57(Cd)]の代わりに選ばれる。
- なお[SENNHEISER e935(Cd)〔-51 dB〕]は高感度の部類に入るため、このランキングには入っていない。
※SHURE SM7dBはプリアンプ搭載なので、別途、プリアンプ〔Triton Audio FetHeadやdbx 286sなど〕を用意する必要はない。
ノイズゲート付きのプリアンプで、擬似的にノイズフロアを下げる|dbx 286s
■Youtuberの音質改善に超おすすめのマイクプリアンプ!dbx286s紹介
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- 低感度のダイナミックマイクにプリアンプを取り付けてゲインをシステムの川上で稼ぐ必要がある。
- このとき、プリアンプとしてdbx 286sを使うと、[(1)1chマイクプリアンプ〔ファンタム電源供給ON/OFF〕][(2)コンプレッサー〔音量の均一化〕][(3)ディエッサー〔歯擦音低減〕][(4)低域・高域の2chイコライザー][(5)エキスパンダー/ゲート]〔ノイズゲート〕を一斉に使うことができる。
- [低感度のダイナミックマイク+dbx 286s]の出力〔6.3mm(標準)フォーン(ステレオ=3P)フォーンジャック|出力レベルを抑える〕を、[ZOOMやTASCAMの音声レコーダーの3.5mmマイク入力]または[ビデオカメラやミラーレス機の3.5mmマイク入力]などに接続し、録音/録画すると、[背景雑音/ヒスノイズ/ホワイトノイズ]が激減して、驚異的な低ノイズで音声収録ができる。
- この驚異の低ノイズは、おもに[(5)エキスパンダー/ゲート]〔ノイズゲート〕により[話者が話をしていない部分で音量を自動的に絞る]という作用が機能するおかげである。
- つまり、ノイズゲートによって、擬似的にノイズフロアを下げることに成功したわけである。
- [マルチトラックの音声レコーダーを使い、各話者の音声を別トラックで32bitフロートにて録音し、各音声トラックそれぞれにノーマライズをかける]のが理想ではある。
- しかし、ここで使う音声レコーダーやミラーレス機が、32bitフロートでの収録に対応している必要はない。
- [(2)コンプレッサー〔音量の均一化〕]をかけると、大音量でピークアウトし〔音声信号の振幅が0dBを超え〕づらいからである。
- コンプレッサーによる[音量の均一化]とは、[大きい音を抑制し、小さい音を増幅することによって、聴覚上の音の大きさ〔音圧〕を上げる]ことを意味する。
- テレビやYouTubeで、CMの音声が[ものすごくやかましい]のは、[コンプレッサーによる音圧増大]が過剰になっているからである。
- またYouTubeで多用されている無料効果音〔SE〕の音源でも[コンプレッサーによる音圧増大]が過剰になっており、[効果音がうるさい][効果音が耳に刺さる]というYouTube動画が増えてきている。
低音がボワボワいわないダイナミックマイク|[TELEFUNKEN ( テレフンケン ) M80][TELEFUNKEN ( テレフンケン ) M-80 SH]
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J-WAVEの現行:六本木のスタジオのマイクはAE4100〔audio-technica|ダイナミックマイク〕|J-WAVEの西麻布時代のスタジオのマイクはM160〔beyerdynamic|リボンマイク〕
[M160〔beyerdynamic〕]は高域が丸まっており、[AE4100〔audio-technica〕]は高域がとがっている。
■j-waveのマイク│続くか分らない日記
■特集「マイクの世界」 フルバージョン
■【レビュー】オーディオテクニカAE4100【音声配信に最適のマイク】
■VOLVO DESIGN YOUR LIFE 20160213 OA【ゲスト:上原ひろみさん】
■AE4100|マイクロホン|株式会社オーディオテクニカ
■audio technica ( オーディオテクニカ ) AE4100 送料無料 | サウンドハウス
■AE6100 AE4100 取扱説明書 - AE6100_4100_UM.pdf
■【比較】ボーカル用マイク「AE6100」と「AE4100」の違いはどこなのか | かわいげんきのラボ
■マイクロホン|株式会社オーディオテクニカ
■audio-technica AE4100をレビュー。フラットな特性の万能ダイナミックマイク | 弾き語りすとLABO
ラジオ用マイクとしてコンデンサーマイクを選ばない理由
- 何十万円もするコンデンサーマイクでも、コンデンサーマイクは湿度と衝撃にとても弱く、長持ちしません。 [コンデンサーマイクを大切に使う]とは、コンデンサーマイクを防湿庫にしまい込んで厳重に管理し続けることを意味します。 カメラのレンズよりも管理が難しいのがコンデンサーマイクです。 コンデンサーマイクのような神経質な機材は、プロ用機材には、あまり向きません。
- それでも、ボーカル収録には、声のニュアンスを伝えるために、ラージダイアフラムのコンデンサーマイクが必要なのです。
ただし〔ポップガードを使っても〕息で吹く音が多少入りますし、何よりも
口 腔 内 のヌチャヌチャ音が盛大に入りますので、もやしのヒゲを1本1本、丹念に取るようにして、Pro Tools〔AVID〕で1コ1コ、ヌチャヌチャ音を消していきます。 - 加えて、
歯 擦 音 が目立つ〔サシスセソが耳に鋭く突き刺さる〕ので、歯擦音を減らす、ディエッサー〔DeEsser 〕もかけます。 コンデンサーマイクは、まことに面倒なマイクです。 ラジオ放送の場合、最初から歯 擦 音 〔sibilant 〕の目立ちにくいダイナミックマイクを使うこともあります。 - [M160〔beyerdynamic〕]は高域が柔らかでリッチな印象の音質であるリボンマイクです。 山下達郎さんも、このマイクが気に入っているようです。 ボーカルに使うのか、楽器に使うのか、わかりませんが。 リボンマイクは間違ってファンタム電源〔コンデンサーマイクには必要〕をONにするとぶっ壊れます。 そもそもリボンマイクは壊れやすく神経質なマイクであるようで、ニッポン放送などのラジオ局では、四角くて大型の吊り下げ式リボンマイクを使っていましたけれども、時代を経るにつれて、三研マイクロホンの小さなグースネック型のマイクになったりしていました。
- 自分で音楽やCMを流すラジオDJは、[ミキサー卓のスイッチ][音声プレイヤーのボタン][PC]などの機材を操作するので、そういった背景雑音を拾いにくい、いいかえれば、低感度であるダイナミックマイクを使います。 ダイナミックマイクがコンサートなどのPA用マイクとして使われているのは、ゲインが低いので、背景雑音を拾いづらく、それゆえにハウリングへの耐性が高いからです。 SM58〔ワイヤード〕はハウリングに強く、丈夫かつ安価なので、これまでよく使われてきたわけです。
- ものすごく[部屋の残響/エコー/背景雑音]を拾うコンデンサーマイクに対して、ダイナミックマイクは、マイク周辺の音だけを拾います。 ラジオ、インターネット生配信、動画撮影、動画へのアフレコ、ZOOM会議などにとっては、[【部屋の残響/エコー/背景雑音】をどれだけ抑制するか]が、何よりも大切である場合、ダイナミックマイクを選択しましょう。 [残響/エコー]が入るだけで、とっても聞きづらいですからね。 インターネット生配信等では、[背景雑音]が入ると家バレに結びつくこともあります。
- ダイナミックマイクはゲインが低いので、マイクプリアンプで信号をブーストしてからオーディオインターフェイスに入力しないとダメです。
- ただし、マイクプリアンプを内蔵しているオーディオインターフェイスがあります。
マイクとマイクプリアンプとオーディオインターフェイス
YouTubeの実況中継マイク|ナレーション録りマイク|AE4100〔audio-technica〕
■audio technica ( オーディオテクニカ ) AE4100 送料無料 | サウンドハウス
[AE4100]も[AE6100]も、価格が同じダイナミックマイクであり、特性が違えてあります。 [AE4100]は万能型で、[AE6100]はオンマイクで低域が強調されるのに負けないよう高域のキラメキを増強しているようです。
ラジオ放送には[AE4100]が向き、ボーカル用には[AE6100]が向くと思います。
■AE4100|マイクロホン|株式会社オーディオテクニカ|単一指向性|フラット
■AE6100|マイクロホン|株式会社オーディオテクニカ|ハイパーカーディオイド|ハイ上がり|超高域はハイカット+超低域はローカット
■AE6100 AE4100 取扱説明書 - AE6100_4100_UM.pdf
[
残響/エコー
東北大学の八木秀次博士と宇田新太郎博士が発明した八木アンテナ〔八木・宇田アンテナ〕は、素子数が多いほど指向性が鋭くなり、マルチパスを回避することができます。 素子数を増やしたとて、ゲイン〔利得〕は増えないんですよ。 素子数を増やすと、指向性が鋭くなるだけです。 ゲインを増やすには、ブースターという、電波のアンプリファイヤーが必要になります。
マルチパスとは、[アンテナから直接届く電波]が、[反射・
電波におけるマルチパスが、音波における部屋・ホールの[残響/エコー]の問題です。
床・天井・壁に音波が反射して、いわば[音のバウンス状態]=[音がバウンドした状態]になること。
これが[残響/エコー]と呼ばれるもので、空間において[残響/エコーが集中/滞留する領域]を[
ホールは左右対称であることが多いため、ステージ中央〔センター〕は、たしかに見栄えとしては歌手・演奏者が立つべき場所なのです。 ところが、天井・壁面からの[残響/エコー]が、ステージ中央に立つ歌手・演奏者の耳に集中して届きます。
ステージ中央は[
客入りが悪いと、客席の床も反響を生む原因となり、余計に[残響/エコー]が増えます。
足許にステージモニタースピーカーを置けば、ステージ中央に立つ歌手・演奏者の耳にも、正確なタイミングでモニター音声が届くのですけれども、スピーカーとマイクが近いとハウリングを起こす原因にもなるし、見栄えがよくありません。
それで、多くの歌手・演奏者は、イヤーモニターでモニタリングしているようです。
ホール全体の反響を抑制する〔壁面を吸音材だらけにして音響特性をデッドにする〕と、[音溜まり]の問題は抑制されるのですけれども、まったく音が響かない、聴衆として、まったく聴き応えのない音響特性のホールということになってしまいます。
生演奏が主体だと、反響が多いと聴き応えのある音になります。 ところが、ドラムスをともなう電気楽器のバンドが演奏する場合には、反響〔音の遅延〕が少ないほうがいいと思います。
天井・床・壁面の反響を動的に制御できる機構を入れる以外に、万能の音響特性をもつホールを実現することは無理でしょう。
32bit float録音ができるレコーダー|TASCAM
■TASCAM、32bit float録音できる次世代ハンドヘルドレコーダー - AV Watch
■タッチパネルによる直感的な操作と32bit float録音対応。次世代の8トラックハンドヘルドレコーダー『Portacapture X8』を新発売|ティアック株式会社のプレスリリース
■【TASCAM】タッチパネルによる直感的な操作と32bit float録音対応、次世代のハンドヘルドレコーダー『Portacapture X8』が新登場! | こちらイケベ新製品情報局
■TASCAM、ハンディレコーダーの旗艦モデル「Portacapture X8」。32bit float録音に対応 - PHILE WEB
コンデンサー型のマイクでは、生活音まですべて拾ってしまうので、配信・動画撮影のトーク収録には、ダイナミックマイクが必要
ダイナミックマイクはゲインが低いので、マイクプリアンプを通してゲインを上げてやる必要がある
マイクの感度が悪い〔ゲインが小さい〕と、オーディオミキサー、あるいは、オーディオインターフェイスの側でレベルを上げることになる。 そうすると、ホワイトノイズがひどくなる。
オーディオミキサー、あるいは、オーディオインターフェイスよりも前段でマイクのゲインを稼ぐためには、マイクプリアンプなどをかませる必要がある。
Blueのイエティは、ラージダイアフラムのコンデンサー型マイクであるため、とても敏感であり、家庭の生活音、背景雑音を拾ってしまうので、音声から家バレしてしまう危険性がある。 例えば、5時に「夕焼け小焼け」が流れてくる地域では、その音源によって、居住地域が特定されることもある。
- ラージダイアフラムのコンデンサー型マイクが拾ってしまう、余計な音声|特に低域のノイズがひどい。
- 何よりも、部屋の残響/エコーをよく拾う。部屋の残響/エコーがあるだけで、ものすごく聞き取りづらい。
- PCその他の排熱ファンのうなり音。
- エアコンが発するボワボワという低い音〔ローカットフィルターを使っても完全には除去できない〕。
- ピンマイクなど、音域が狭くて鈍感なマイクのほうが、余計なノイズはカットできる。
- ピンマイクは音質がシャカシャカしている。高音質であり、しかも余計なノイズがカットできるのは、ラージダイアフラムのダイナミックマイク。
- ただしダイナミックマイクは出力〔ゲイン〕が弱いので、マイクプリアンプを使って、前段で信号を増幅してから、ミキサーないしオーディオインターフェイスに入力してやる必要がある。
- 簡易なマイクプリアンプの場合、ファンタム電源+48Vで駆動できるものがある。
- ZOOM F6は[単3形]4本で電池駆動によって32bitフロート録音できるけれども、これにはファンタム電源の供給機能がない。電源が弱すぎるので、ファンタム電源機能をカットしたのだろう。
- 32bitフロート録音は、録音時に録音レベルを気にする必要がない。つまり、レベルオーバーによるクリッピングによって、音が途切れてボツになる、という心配がない。 逆に、録音レベルが小さすぎて、ホワイトノイズまみれ、ということも32bitフロート録音ならば避けられる。
- ■F6 Field Recorder | ZOOM
- カメラはセコくても、音声だけはちゃんとしないとダメだ。ZOOM F6のタイムコード信号を、収録カメラのマイク端子〔φ3.5mm〕に入れて収録する。 DaVinci Resolveの場合、特別なデコードソフトウェアを使わずとも、音声トラックに録音されたタイムコード信号を、タイムコードに変換してくれるようである。
- 自動車、バイクのエンジンから出るエンジンと排気管の低域の共鳴音〔ローカットフィルターを使っても完全には除去できない〕。
- 床を歩くと、ボンボンと低域のノイズが入る〔ローカットフィルターを使っても完全には除去できない〕。
- コンクリート床に絨毯を敷くなどが必要になる。それはスタジオである。
- 家族やお隣の部屋の人がドアを閉めると、ドスンと低域のノイズが入る〔ローカットフィルターを使っても完全には除去できない〕。
- 結局、[防音工事][残響/エコーを抑える素材の床面・天井面への貼付]などをせずに、ラジオ放送的な音声を確保するには、感度が極端に鈍いマイク、つまり、ダイナミックを使うしかない。
- しかしダイナミックはゲインが低いため、マイクプリアンプによって信号をブーストする必要がある。 そこさえクリアできれば、余計な雑音・残響/エコーが入らないきれいな音声になる。
- ただし、マイクを口に近づける必要があることから、動画撮影においては、マイクも画面に入ることを容認するしかない。
- Blueのイエティのように、据え置き型マイクだと、キー操作、マウス操作の騒音をすべて拾ってしまう。
- またペーパーノイズ、口の中のクチャクチャ音までぜんぶ拾ってしまうので、歌唱録音以外では、ラージダイアフラムのコンデンサー型マイクは、欠点ばかりとなる。
- Neumannのラージダイアフラムのマイク〔コンデンサー型〕は、音質はいいけれども、口の中のクチャクチャ音がひどいので、Neumannが本当にいいのかどうかは疑問だ。
- CDなどのボーカルものにおける口の中のクチャクチャ音は、音響職人がPro Toolsでいちいち消しているのである。
- ボーカル用のマイクは、レコーディング時も含めて、ラージダイアフラムのダイナミックマイクにしたほうが、結果として、いい音声になるのかもしれない。
- 例えば、ボーカリストのライブ音源とかは、SM58、あるいは、それのワイヤレス版など、ダイナミックマイクで収録されているはずである。
- ダイナミックマイクも、周波数特性を修正してやれば、それほど悪くはないと思う。
AC電源〔ACアダプター〕がノイズ源となるので、ファンタム電源は、可能ならば電池駆動がよい
- スイッチング式ACアダプターは、小型軽量だけれども、ジーというノイズとなる電磁波を広範囲に振り撒くので、ラジオ受信などにも悪影響を与える。
- トランス式ACアダプターは、大きくて重たいけれども、ノイズは発生しづらい。
ラジオDJマイク
■Pat St John on Sirius XM
■Ron Sedaille on 102.9 WDRC FM - VIDEO AIRCHECK January 26, 2013
■Trey Morgan - Z100 NYC - Video Aircheck (December 2014)
■2017 Station Tour - Life 1019
■Ron Sedaille - All Request Saturday Night on 102.9 WDRC FM - Video Aircheck January 23, 2010 Part 1
■Ron Sedaille - All Request Saturday Night on 102.9 WDRC FM - Video Aircheck January 23, 2010 Part 2
■Jay Sorensen WCBS-FM Video Aircheck
■Kelly Learns to DJ on Ryan’s Radio Show
■93.1 KMKT Studio Tour “How It’s Done”
■A quick tour of RadioDJ for our volunteers
■Wide Orbit Training - the Stack
■Wide Orbit Training - Hotkeys
■Wide Orbit Training - Creating Voice Tracks
■Making Radio Shows Using Voice Tracking
■Broadcast Live Using The Rodecaster Pro For Internet Radio
録音
■Audio Production: Learn the Fundamentals
RODE
SENNHEISER MD421-II
006P型9V積層充電池|電子楽器、エフェクター、PA機器などでは積層乾電池〔006P型9V〕が多用される
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■単1~4形 6P形 充電式電池専用充電器 BQ-CC25 商品概要 | ニッケル水素電池&充電器 | Panasonic
■積層乾電池(006P型 9V)