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EV用の充電スタンドが用意できる地域では、公共交通機関を充実させるのが本来的

[本来的な都市生活]の本質として、[歩いて行ける距離で生活のすべてがまかなえる利便性]を挙げる考えは、まさに都市型ライフスタイルの理想像の一つだといえる。 特に、首都圏や京阪神の私鉄沿線駅前エリアは、その特徴を強く体現している。

私鉄沿線駅前の魅力

  • 東京・神奈川・埼玉など首都圏や、京阪神エリアの私鉄沿線駅前は、住まいと商店街、スーパー、医療、学校、レストランなどが徒歩圏内に集積し、日々の生活がほぼ完結する。
  • こうした地域は鉄道路線の拡張と合わせて計画的に街づくりが進められた背景があり、[通勤・通学+日常生活の便利さ]を両立させていることが特徴である。

住みやすい地域の象徴

  • 私の[住みやすい地域・街]のイメージには、自動車というものは登場しない。
    • 自動車のない街こそ、住みやすい街である。
  • 首都圏私鉄沿線の[駅前]は住みたい街ランキングなどで常に上位にランクインし、利便性・安全性・文化性など都市生活の“美味しい部分”を象徴するエリアとされている。
  • 小田急小田原線・東急東横線・東武東上線・西武池袋線・西武新宿線など、多くの私鉄沿線エリアが[徒歩圏完結型]の都市生活を実現し、高い評価を得ている。
    • 要は個人商店の集合体として商店街が残っており、昔ながらの買い物が楽しめるのが私鉄沿線エリアである。
  • また東京の中央線の高円寺・阿佐ヶ谷・荻窪・西荻窪のあたりは、私鉄沿線エリアに近い駅前の様子が残っている。
    • とくに阿佐ヶ谷〔JR〕と南阿佐ヶ谷〔東京メトロ丸ノ内線〕との間は、長いアーケード街になっており、ここは大阪などのアーケード街と通じる雰囲気をもっている。
    • タワーマンションや高層ビルができると、こうした街並みが失われやすく、武蔵小山のアーケード街は、雰囲気が変わったそうである。
  • やっぱり、中央線沿線・西武新宿線・西武池袋線の23区の最も外側である杉並区や練馬区の駅前が、けっこう住みやすい。
    • 【西武池袋線】:椎名町・東長崎・江古田・桜台・練馬・中村橋・富士見台・練馬高野台・石神井公園のあたりの駅前は、庶民的な街並みである。
      • 大泉学園は、NOS VOS by PARCO 大泉学園が営業中であった頃と、現在とでは、様相が大きく変わってしまい、タワマンが何棟か建った。
  • 個人商店を中心にしたアーケード街に自転車で買い物に行って、そのまま自宅に戻り、買った物を冷蔵庫にしまう。
    • このライフスタイルこそが、ある種の理想なのである。
    • そもそも自動車を運転するとなると、酒を飲むことができない。これでは、大人に楽しみがないであろう。
    • やはり、おいしい食べ物と酒はセットだという人も多い。
    • 郊外・地方などの自動車社会が前提だと、この夜の外食〔酒あり〕が人生から消える。
    • そういう意味では、自動車社会というのは、QOLを下げるんだね。
    • 結局、人口規模が小さくて、鉄道を敷いてもペイしないような田舎だから、自動車社会になってしまうのである。
    • だから、自動車と電車の中間的な、軌道を走るバスのような公共交通機関があれば、それがよいであろう。
  • 子供の思い出としても、[電車とバスに乗って海水浴へ行きました]というのが、ある種、健全なのだと私は思っている。
    • 自動車で海辺のホテルまで直行し、ホテルから自動車で帰宅するとなると、[旅の道中の楽しみ]というものがない。
    • door to doorっていうのは、[旅の道中の楽しみ]を奪うんだよね。
    • 駅弁と冷凍ミカンを買うから旅なんだよなあ。
    • 崎陽軒のシウマイ、あるいは、シウマイ弁当を買って、列車で食べるからこそ、旅なのとちがうの? 
  • 高校の頃、夏になると、京浜急行の駅には、大磯ロングビーチの大きなポスターが貼ってあった。
    • 京浜急行は、逗子海岸や三浦海岸などには通じていても、大磯ロングビーチというのは、西湘バイパス〔箱根方面に行くための高速道路〕を使って自動車で行くところなんだよ。
      • 大磯ロングビーチというのは、海辺にある、西武系のホテル+プールの施設である。
    • それなのに、京急の横浜駅、黄金町駅などには、[OISO]と大きく書かれた、女性の水着姿のポスターが貼ってあった。
    • それが一つの夏の風景なんだな。
    • やっぱり、文明とは電車なんだよ。鉄道こそが、文明の象徴。
    • 自動車で移動するのは田舎という感じがする。

都市生活の質の実例

  • 駅前の商店街やショッピングモールはお年寄りやファミリー、単身者などあらゆる層にとって利便性が高く、歩行者中心の快適な生活空間として認識されている。
  • こうした私鉄沿線地域が都市生活の理想モデルとして注目されるのは、長年にわたり都市インフラと住環境が一体的に整備されてきた歴史的背景も大きい。

以上のように、首都圏や京阪神の私鉄沿線駅前地域が、[歩いてすべてまかなえる都市生活]の象徴であり、その本質を最もよく体現していると言える。