理論英文法
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英文法の学習上の性質
- 英文法は、全体〔マクロ構造〕さえわかれば、バカみたいに簡単で、学ぶべきポイントは少数有限だ。これは高校物理と似ている感じがする。
- (1)形容詞が[名詞類〔体言〕]を修飾する。これを形容詞的修飾〔連体修飾〕という。
- 日本語の活用語の連体形は、[活用語の形容詞用法]という側面をもつ。
- 日本語の活用語の連体形は、英語における[準動詞の形容詞用法]に相当する語形である。
- (2)副詞が[名詞類〔体言〕以外]を修飾する。これを副詞的修飾〔連用修飾〕という。
- 日本語の活用語の連用形は、[活用語の副詞用法]という側面をもつ。
- 日本語の活用語の連用形は、英語における[準動詞の副詞用法]に相当する語形である。
- 文意の発生機序は、基本的には、(1)形容詞的修飾〔連体修飾〕・(2)副詞的修飾〔連用修飾〕の原理以外に存在しない。
- つまり、[語・句・節どうしの修飾反応の連鎖]によって文意が発生する。
- 修飾反応(1):形容詞的修飾〔連体修飾〕
- 修飾反応(2):副詞的修飾〔連用修飾〕
- 文〔sentence〕とは、[語・句・節どうしの修飾反応の連鎖]によって文意が発生する場〔field〕である。
- つまり、[語・句・節どうしの修飾反応の連鎖]によって文意が発生する。
- ただし、英文法の内部では、格・準動詞・従属節〔従位節〕という形式で、品詞変換が行なわれる。
- 【1】格とは、[名詞類〔体言〕]を形容詞化または副詞化する仕組みである。
- 格の表現形式は、〈1〉語形・〈2〉語順〔文型〕・〈3〉広義の前置詞〔前置詞・従位接続詞〕の三つである。
- 【2】準動詞とは、動詞の変化形を、名詞化または形容詞化または副詞化する仕組みである。
- 【3】従属節〔従位節〕とは、節の述語動詞の中心をなす本動詞〔助動詞ではない動詞〕を、名詞化または形容詞化または副詞化する仕組みである。
- [英文法がわからない]とは、【1】【2】【3】という[品詞変換の仕組み・全体像がわからない]ということである。
- ところが、英文法書・総合英語〔高校で配られる英文法書〕でも、オックスフォード大学出版局〔Oxford University Press〕・ケンブリッジ大学出版局〔Cambridge University Press〕の英文法書でも、品詞変換という文法を支える基本概念を明確に説明しているわけではない。
- いいかえれば、国内外の英文法書にも、総合英語にも、肝心なことは、何一つ説明されていない。
- 【1】格とは、[名詞類〔体言〕]を形容詞化または副詞化する仕組みである。
- また英文法書・総合英語は、著者の目のつけどころが悪いために、理解しづらい状態になっている。
- 具体的には、例えば、関係代名詞は、主節と関係詞節とを[接続する][結びつける]という世界観で英文法を説明しているので、本質がまったく見えない。
- 限定用法〔制限用法〕の関係代名詞は、〈1〉関係代名詞の先行詞である名詞句を指し示す力〔指示力〕、および、〈2〉関係代名詞が形成する形容詞節が関係代名詞の先行詞である名詞句を形容詞的に修飾する力〔修飾力〕によって係留されているだけである。
- 関係代名詞が形成する形容詞節がつながっているのは、その関係代名詞が先行詞としている名詞句に対してのみであり、これは主節と従属節が[接続されている][結びつけられている]わけではない。
- 関係代名詞とは、節〔=文〕を形容詞化するための品詞変換語にすぎず、限定用法〔制限用法〕の関係代名詞を含んでいる文の中では、形容詞節が名詞句を形容詞的に修飾〔後ろから修飾=後置修飾〕しているだけなのである。
- これを主節と従属節とが、関係代名詞によって[接続されている][結びつけられている]というふうに英文法書・総合英語では説明しているけれども、私はそれを[誤解を与える不適切な説明]だと考えている。
- 先行詞である名詞句を、関係代名詞が導く形容詞節が後置修飾しているだけであり、関係代名詞が主節と従属節とを[接続している][結びつけている]という見方をするのは不合理である。
- 限定用法〔制限用法〕の関係代名詞が何のためにあるのかというと、先行詞である名詞句を、形容詞節〔≒文〕として修飾したいからである。
- いいずな書店の[総合英語 Evergreen][総合英語 be][総合英語 Harmony]では、形容詞節〔≒文〕が先行詞である名詞句を[×説明する]という教え方をしているけれども、これは限定用法〔制限用法〕の関係代名詞・関係副詞には当てはまらない。
- [説明する]=[叙述する]=[描写する]に該当するのは、関係詞の継続用法〔非制限用法〕だけである。
- 関係詞〔関係代名詞・関係副詞〕の限定用法〔制限用法〕は、[説明している]のではなく、[意味の範囲を限定/制限している]のである。
- いいずな書店の[総合英語 Evergreen][総合英語 be][総合英語 Harmony]とその関連教材は、関係詞〔関係代名詞・関係副詞〕の解説において、初学者に誤解を与えかねない、致命的な説明ミスをおかしているので、オススメできない。
- 限定用法〔制限用法〕の関係代名詞・関係副詞は、先行詞である名詞句に対して、形容詞節〔≒文〕を用いて条件を付け加えることによって、先行詞である名詞句の意味の範囲を狭めている。
- 関係代名詞・関係副詞の限定用法〔制限用法〕は、修飾語になる形容詞の用法である、限定用法つまりAttributive Use〔アトゥりビュティヴ・ユース〕に匹敵するものである。
- 継続用法〔非制限用法〕の関係代名詞・関係副詞は、先行詞である名詞句に対して、形容詞節〔≒文〕を用いて補足説明を付け加えている。
- 関係代名詞・関係副詞の継続用法〔非制限用法〕は、補語になる形容詞の用法である、叙述用法つまりPredicative Use〔プリでぃカティヴ ・ユース〕に匹敵するものである。
- 形容詞の側から見ると、叙述用法の形容詞は、SVC〔第二〕文型において、主語を直接叙述することはできず、必ずbe動詞またはSVC〔第二〕文型をとる動詞〔自動詞の一種〕を介して、主語を叙述する必要がある。
- 形容詞の側から見ると、叙述用法の形容詞は、SVOC〔第五〕文型において、直接目的語を直接叙述しているようにみえるけれども、SVOCのOCの間には、be動詞またはSVC〔第二〕文型をとる動詞〔自動詞の一種〕が省略されていると考えると、SVOC〔第五〕文型の意味がわかりやすくなる。
- いずれにしても、次のことがいえる。
- ■連体形容詞と述語形容詞
- 上記の動画でいうlinking verb〔連結動詞〕とは、be動詞などSVC〔第二〕文型をとる動詞をいう。
- I am in the park.〔私は公園にいます〕のような文のamというbe動詞は、[存在のbe動詞]とよばれ、linking verb〔連結動詞〕には含まれない。前置詞句in the parkは、ここでは副詞句とみなすのが自然であろう。
- 格〔case〕の観点から説明すれば、前置詞inによってthe parkという名詞句が所格〔Locative Case〕を帯びて、副詞化されている、ということになる。
- There is構文のisも[存在のbe動詞]とよばれ、linking verb〔連結動詞〕には含まれない。
- 【1】関係詞〔関係代名詞・関係副詞〕の限定用法〔制限用法〕と形容詞の限定用法は、相似形の文法現象である。
- 【2】関係詞〔関係代名詞・関係副詞〕の継続用法〔非制限用法〕と形容詞の叙述用法は、相似形の文法現象である。
- そして、関係詞〔関係代名詞・関係副詞〕について、形容詞節〔≒文〕が先行詞である名詞句を[×説明する]という教え方をすることは、【2】のみを強調することによって、【1】という重要な関係詞の用法を[なきもの]とみるような、誤った文法観を学習者に対して植え付けることになりかねない。
- したがって、いいずな書店の[総合英語 Evergreen][総合英語 be][総合英語 Harmony]とその関連教材は、非推奨である。
- ■連体形容詞と述語形容詞
- 関係代名詞の働きは、主節の一部をなす関係代名詞の先行詞と、関係代名詞とが、〈1〉指示力と〈2〉修飾力によって[接続されている][結びつけられている]だけである。
- そして限定用法〔制限用法〕の関係代名詞は、節〔≒文〕を形容詞化したい、という品詞変換に、その狙いがあるわけである。
- 厳密にいえば、関係代名詞が形成する節の述語動詞の中心をなす、本動詞〔助動詞ではない動詞〕を、動詞類から形容詞類に品詞変換するための代名詞なのである。
- また限定用法〔制限用法〕の関係代名詞を使う狙いは、主節が含んでいる名詞句を、節〔≒文〕によって条件を付け加えることにより、意味の範囲を限定したい、狭めたい。
- それが限定用法〔制限用法〕の関係代名詞を使う狙いなのである。
- 結局、母語話者が母語の文法書を作っても、橋本文法のように、ろくなものができない側面があるのだ。
- 橋本文法が学校教育で採用されてきたけれども、日本語の学習には、そこまで役立ってはいない。
- 正しい日本語の用例を無数に収めたコーパスを無料公開して、小学生を含めた、誰もが正しい日本語を調べられるようにする。
- そのような体制作りが大切であり、さらには、正しい用例をアナウンサーが朗読した、[耳から覚える日本語]を幼稚園・保育園よりも前の段階から聞いて覚えていく教育が必要である。
- 文部科学省や文化庁は、そういうことを、しっかりやっているのであろうか?
- ある言語の文法書は、その言語からみた外国語を母語とする人によって書かれるべきであろう。そのほうが、客観的に文法を観察・描写することができるからである。
- 内部の人ほど、その内部の構造を意識しづらい。そういう盲点がある。
- だから日本の良さは、いったん外国へ出ないと理解できないのだろうと思う。
- 英語には、次のような特徴がある。
- ドイツ語・オランダ語・英語は、同じ祖先をもちながらも、それぞれが独自に発達してきた言語だけれども、ドイツ語を簡略化したものがオランダ語で、オランダ語を簡略化したものが英語の姿である。
- 英語の中にはフランス語の語彙が大量に流入した。また英文法は、フランス語の文法の影響を受けている。
- 英文法で理解できない部分がある場合には、ドイツ語とフランス語の文法書が助けになる、と考えてよい。
- 英文法書・総合英語〔高校で配られる英文法書〕は、上記の(1)(2)の原理を使って、文中で修飾反応が起こるさまを、とてもわかりにくくまとめた本である。
- 英文法書・総合英語は、薄いヤツで全単元を学び終えるのがよい。そうでなければ、英文法の全体〔マクロ構造〕が把握できず、英文法学習が終わらないことになる。
- ■【この1冊で完璧】文法書「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく」の使い方を徹底解説
- 英文法書・総合英語は、各章に不要不急のノイズ的情報が満載されているため、英文法の全体〔マクロ構造〕が把握できないように作られている。
- 英文法書は、じつは小冊子ぐらいで済む。また初期の英文法学習は、小冊子のような[問題集]あるいは[書き込み式ノート教材]をまず一冊仕上げて、英文法の単元全体を概観できる[鳥瞰的視座]を獲得することが、英文法を理解する早道である。
- 例えば、[英文法授業ノート| ぺりかん社〔ネイティブ・チェックあり〕]などが、小冊子のような[問題集]にあたる。
- ■2019_01.pdf
- ■図書・出版 ぺりかん社
- ■英文法授業ノート【英語参考書ラジオ】
- [英文法授業ノート]は、英作文をベースとして、総合英語と同じ文法体系で、高校英語を短期間で終わらせるための書き込み式ノート教材である。
- [英文法授業ノート]は、English grammar book based on English composition〔英作文に基づいた英文法書〕であり、そういう[英作文を基調とした英文法学習]こそが、初期の英語学習には最適なのである。
- 小学英語・中学英語は、できるだけ英文法を前面に押し出さずに英語を教えているけれども、これは英語力を落とすための謀略でしかない。
- 結局、複雑な英文が話せる・書けるようになるためには、英作文ベースで英語学習を進めていく必要がある。
- 英作文ベースで英語学習で大切なのは、最初は文法項目別に[英文法と英作文をリンクさせて学習を進めていくこと]である。
- 名詞の可算用法・不可算用法は、実際に英作文をする段にならなければ、意識することがない。
- 名詞の可算用法・不可算用法の使い分けは、英作文・発話を行なうときにこそ、身に染みてその重要性を感じ取ることができるものである。
- 結局、知識は使って初めて、本当の意味で理解できるようになる。だから、アクティヴ・ラーニングが重要なのである。
- 英文法への深い理解なしに、まともな英文が話せる・書けるようにはならない。
- それは、英文というものが、動詞を圧縮しつつ名詞化・形容詞化・副詞化した準動詞句〔圧縮された準節〕、動詞を名詞化・形容詞化・副詞化した従属節〔名詞節・形容詞節・副詞節〕という、フラクタルに近い構造をもっているからである。
- 英文は、同形反復の階層構造をなしている。
- 英文の階層構造がわからなければ、複雑な言い回しは話せる・書けるようにはならないし、話せる範囲しか聞き取れない、書ける範囲しか速読できない、という大原則があるので、文法をないがしろにしたままでは、言語の四技能すべてがダメなまま[成長・進化]することがない。
- [感覚やイメージで処理する部分]と[理詰めで処理する部分]との二者合成・二者統合がなければ、しっかりとした英語にはならない。
- 文部科学省が何をしているのかというと、学習者〔児童・生徒〕の学力向上を阻止することによって、学習者の学力が、教師・出題者・採点者の学力を上回ることを阻止しようとしているのである。
- 現在、その学習者の学力が、教師・出題者・採点者の学力を上回る現象が起こり始めており、日本の学校教育における英語の地位は、急激に低下しつつある。
- A4判という大型本なので、必要な部分を縮小コピーして持ち歩くのがよいであろう。
- こういう本は、正解英文を、和訳から口頭・筆記で再現できる[瞬間英作文可能状態]を達成して初めて効き目が出てくる。
- ■2019_01.pdf
- 例えば、[SKYWARD 総合英語 スーパートレーニング|桐原書店〔ネイティブ・チェックあり〕]などが、小冊子のような[問題集]にあたる。
- ■SKYWARD 総合英語 スーパートレーニング | 桐原書店
- ■『SKYWARD 総合英語』 Chapter 動画解説 | 桐原書店
- [SKYWARD 総合英語 スーパートレーニング]は、問題ページと別冊解答編とに分かれており、見開きで左ページが問題/右ページが解答・解説というふうにはなっていない。
- これでは演習動線として効率が悪いので、レイアウトを改編してほしい。
- こういう本は、正解英文を、和訳から口頭・筆記で再現できる[瞬間英作文可能状態]を達成して初めて効き目が出てくる。
- ■SKYWARD 総合英語 スーパートレーニング | 桐原書店
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英文法の中の品詞変換〔word-class conversion〕
※大まかにいえば、形容詞類が名詞類〔体言〕を修飾し、副詞類が名詞類〔体言〕以外を修飾することによって文意が発生する。
※品詞が理解できていないと、文法が理解できない。文法とはおおよそ、品詞の修飾関係を把握するために存在する概念である。
修飾には、《1》[形容詞類の名詞類〔体言〕に対する修飾]=[形容詞的修飾]と《2》[副詞類の名詞類〔体言〕以外に対する修飾]=[副詞的修飾]の二つだけがあり、ほかには存在しない。
つまり、[形容詞的修飾]と[副詞的修飾]の連鎖による[意味の範囲の絞り込み]の累積として、文意が発生する。
※品詞が8個とか、品詞が10個とかいうのは明らかな嘘であり、英文法書の冒頭で品詞が8個とか、品詞が10個とかぬかしている著者は、本気で説明する気がないか、ボンクラかある。