駿台文庫

高校古文学習

古文単語集は、[ある古文単語に、複数の語義があった場合、それぞれの語義に1つ以上の例文が付いているもの]がよい

例文から離れた単語学習は、記憶から抜けやすいものです。 したがって、[つながる・まとまる古文単語500PLUS|いいずな書店]のように、[単語の語義]が1つあれば、[その語義に対する例文]が必ず載っているような、例文の省略がない古文単語集を使うことが、1つのポイントになります。

語義をイメージ化する

  • [単語の語義]を覚える場合、その[語義]=[語の意味]が、【写真】や【数秒の短動画】として思い描ける規模の[長く・複雑で・広がりをもつ意味]でなければ、記憶には留めづらいものです。
  • [【写真】や【数秒の短動画】としてイメージ化できるぐらい長く・複雑で・広がりをもつ意味]でなければ、脳裏に画像・映像を思い描く〔to imagine〕ことができません。
  • [to imagine]つまり、イメージ化することができない対象は、[たいへん記憶しづらい]または[いったん記憶しても、すぐに忘れ去ってしまう]ということになりがちです。
  • [単語の語義]が記憶になかなか留まらないのは、単語を例文から切り離して、[単語:語義]という形式で、[短く・単純で・広がりをもたない意味]として記憶しようとしているからでしょう。
  • つまり、単語の意味が覚えられないのは、[単語の意味を、例文ごと覚えないから]です。
  • [単語の語義]を言語〔音声言語・文字言語〕として暗記するのではありません。
  • [単語の語義]を【写真】や【数秒の短動画】として暗記するのです。
  • それは、いわゆる[頭]を使わない、[右脳の内部で動画を動かす]いいかえれば[右脳の内部に動画を焼き付ける]行為であるから、勉強という感じではありません。

原語の発音を音楽として暗記する

  • [単語の意味を、例文ごと覚えないから、単語の意味が覚えられない]ということは、言語の音声言語という側面にも当てはまります。
  • 単語を暗記するためには、[暗記すべき単語を含む表現]が、[音声言語として、一定の長さをもつ]=[音楽として、一定の長さをもつ]ことが大切です。
  • [単語を暗記する]とは、[音声言語としての単語のメロディを暗記する]ことを意味するのですから、メロディの特徴があらわになるのに必要最小限のしゃくdurationデュ▲レイション:時間の長さ〕が必要なのです。
  • そのためには、[単語は、音声言語として、例文ごと覚える]ということが原則となります。 暗記対象とする言語の用例の尺が短すぎると、メロディに特徴がないため、すぐに忘れちゃうんです。 音楽だって、あるコード進行が一巡して初めて、記憶に残りやすいメロディになるわけでしょ?  短すぎる音声は、覚えづらく、忘れやすいわけです。
  • [短いほうが覚えやすい]というのは、必ずしも正しくありません。
  • [寿限無、寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の、水行末・雲来末・風来末……]のようにして、音声言語で覚えるのですから、一定以上の長さをもつ音声言語でないと、逆に覚えづらい、かつ、忘れやすいものです。
    • 音声記憶の想起というのは、[記憶の前段が、記憶の後段を想起するヒントになっている]ものです。
    • 小学校の校歌などを、何十年たっても思い出せるのは、歌い始めさえわかれば、[記憶の前段が、記憶の後段を想起するヒントになっている]という音声記憶の性質から、記憶が芋づる式に思い起こされるかたちになるわけです。
    • つまり音声記憶というものは、出だし・きっかけさえ与えれば、その後段は、自動的に想起される性質をもつわけです。
    • ドミノの1駒が倒れれば、あとはドミノ倒し的に、記憶が自動的に想起される。これが音声記憶にビルトインされた、自動想起機構なのです。
    • この自動想起機構があるから、寿限無だって、簡単に思い出せるのです。
    • 昔の学校の児童・生徒は、何らかの詩歌、文言を丸ごと暗唱することを義務づけられたものです。
    • これを詰め込み教育だと批判した人がいました。考えることが大切なのだ、と。
    • 違いますよ。音声記憶だから、いったん身についたら、けっして忘れない。忘れても、音声記憶にビルトインされた自動想起機構によって、記憶内容がすぐに復活する。それが暗唱の強みなんです。
    • 英語でも、古文でも、単語集を真っ黒にしているヤツはヘタクソだと思いますよ。だって、音声言語で覚えれば、単語帳本体なんか使わないんだから、単語集が汚れたり、傷んだりするわけがないんですよ。
  • [暗記すべき単語を含む表現]が、[音声言語として、一定の長さをもつ]=[音楽として、一定の長さをもつ]としたら、その例文の文意は、【写真】や【数秒の短動画】として思い描ける規模の[長く・複雑で・広がりをもつ意味]をもつ確率がとても高いです。
  • つまり、[音声言語]≈[出囃子の音楽]と、[単語の語義としての情景動画]とを、連想によって結びつけることを確実に達成するには、単語は例文の中で覚える、かつ、例文は音声言語として覚える。 このやり方を徹底することです。
  • 例文なしに古文単語を覚えることは、私にはできません。

この【写真】や【数秒の短動画】と、その【写真】や【数秒の短動画】を連想するためのトリガーとなる、その単語が固有にもつばや〔つまり音声言語〕とを、連想によって関連付ける。それが、語彙増強の内容です。

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